コハダとあばずれ
我々の業界の中で「コハダのような女」と言うことがあります。
女性には怒られてしまうかもしれませんが、
これは俗に言う「あばずれ女」のことなのです…。
「あばずれ女」と言うと、年齢を問わず、はねっかえり、煮ても焼いても食えない女といった意味で、
コハダと言う魚が煮ても焼いても美味しくなく、酢魚にする以外ないからなのです。
コハダは小骨が多く焼くと死臭がすると言われています。
言い伝えですが、昔ある豪族の娘が近隣の豪族に見染められ、
力ずくで召抱えられそうになったとき
娘が死んだと言って、棺桶に焼くと死臭すると言われるコハダを沢山とってきて
入れて焼き、難を逃れたと言われています。
このことから子の代わり、コノシロと呼ぶようになったとか…
(コハダは出世魚で大きくなるとコノシロと言います)
光物のほとんどが、最近では生でも食べることが多くなりましたが
コハダだけはこのような理由から酢魚としてしか食されません。
漁師から聞いた話ですが「アバ」とは、漁に使う網の端の事で、
網端すれすれに逃げたり、はねっかえて逃げる魚を「あばずれ」と言うことから
あばずれ女と言う言葉が生まれたらしいのです。
まわりにコハダのような女性はいませんか…?
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