かまぼことカマトト

きくいち

2010年09月15日 09:48

朝晩は少しだけ、涼しく感じられるようになりましたが、
まだ熱燗というより、生ビールでしょうか?
そんな生ビールのつまみで、どこでも手軽にあるのが蒲鉾です。

蒲鉾といえば、仙台の笹かまぼこが有名で、小田原、長崎、富山、山口など各地で
色々な種類の物が製造されています。



蒲鉾が最初に作られたのは、室町時代といわれ、今の竹輪と同じように、
魚のすり身を竹串にぬって焼いたもので、その形や色が
蒲の穂に似ていることから蒲穂子と呼ばれたという説があるらしいのです。

後に、板の上にすり身をのせた形状の板蒲鉾(現代の蒲鉾)が現れ、
それと区別するために竹輪蒲鉾と呼び、略して竹輪と呼ばれるようになったとのことで、
江戸時代までは高級品だったらしいです。

始めは板にすり身をつけて蒸した、蒸し蒲鉾だけだったようですが、
京都では産地から運ばれてくるのに時間がかかり、腐敗を防止するために蒸した物をさらに焼いた
焼蒲鉾ができ、その名残で関西では焼いた蒲鉾が多いようです。

無知で世間知らずを装ってかわいらしく、上品ぶる人の事を「カマトト」と言いますが
(特に女性で、私の周りにはかなり多いようです)

漢字で書くと「蒲魚」となり、これは昔、江戸時代に遊女が世間知らずを装うため、
蒲鉾を指してこれが魚(トト)なのかと問うと「板の上に乗って泳いでいるのね」
などと言った事から生まれた言葉らしのです。

また、大相撲の隠語で、稽古をさぼることを蒲鉾と言うらしのですが
これは土俵に上がらずに稽古場の板塀に背中をくっつけたまま稽古をしない様子を
蒲鉾にたとえ「板についている」との言葉に由来しているようです。 

色々な説があるようですが、蒲鉾が板についているのは形を整えやすいためと
板の上に乗せて蒸せば、木の香りが移り、一種のフレーバーとしての役割を
果たし独特の風味を出しているからなのはないでしょうか…?。

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