鯰と地震

きくいち

2011年03月22日 11:35

日本では、地震の予兆としてナマズが暴れるという俗説が広く知られています。
また、地面の下は巨大な大鯰がいて、これが暴れることによって大地震が発生するという迷信も
古くからあります。ただこれは俗説、迷信で科学的な実証は成されていません。

ナマズが地震前に前に暴れるのは地電流の僅かな変化をキャッチするためだと言われています。
大地震に先立ち地殻変動が起きますが、この時に地電流が流れます。
ナマズは聴覚、臭覚、視覚などは劣っていますがその代わりに多数の電気需要器が体表についていてちょっとした電流の流れを敏感に感じ取れるのです。
だから餌になる動物を探すのも、相手が呼吸や運動の際に発する微小な電流を頼りにしていると
言うのです。
ナマズが暴れれば地電流が変化しているのは確かですが、地電流の変化は地震以外でも起こるので川や池のナマズが暴れても地震が起きるとは限りません。

マナマズは白身魚で、日本では天婦羅・たたき・蒲焼き・刺身などにして利用されています。
かつては農村部などを中心に、主に自家消費のための小規模なナマズ漁が行われていました。
近年では琵琶湖周辺地域(滋賀県・京都府)や、埼玉県南東部など特定の地域での漁獲が中心となっているようですが、ナマズ食の歴史自体は古いものの、現代の日本では必ずしも一般的な
食材とは言えないようです。

国内のほとんどの淡水域に生息し大型になり白身で、淡水魚でありながらクセのない上質な味わいから琵琶湖などではすき焼きとなり、山間地ではスッポン煮(酒を使った煮つけ)や蒲焼き、天婦羅などになり地域を特色づける食材として生きていますが、水産流通の場からすると、現在では非常にマイナーで、各地で細々と利用されるのみとなってしまっています。

原則として生きているもの調理しますが漁獲して、一定期間泥抜き必要とし獲れる場所によっては泥臭いものもあります。
天婦羅にするととても美味でクセがなく、身がふっくらして豊潤な味わいです。
身を細かくたたいて団子状にして揚げても美味いです。
蒲焼きは鰻に比べると劣るりますが、皮に独特の風味があって美味しく日本酒、醤油などで甘辛く煮付けると、とても味わい深いです。

【諺、例え】
「蛙の子は鯰にならぬ」は「蛙の子は蛙」と同じで「凡人の子はやはり凡人だ」という意味。
「鯰の子」とは、ナマズの子の口が大きいことから、「口ばかり」。すなわち口ばかりで実行が伴いという意味

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