万能旨味調味料(塩麹)

きくいち

2011年11月18日 10:26

塩麹に野菜を一日ほど漬けると、糠漬ほどの癖は無く、塩味の強い浅漬よりも旨味のある漬物になる事を知っていますか…?
麹の酵素力で素材の旨さをアップ……旨み成分アミノ酸をつくり、硬いお肉もやわらかくします。
野菜だけでなくや魚、なんでも使える自然派万能うまみ調味料が塩麹なのです。



塩麹とは、麹を基調とした漬物床で発酵が終了すると、糠床と違って毎日かき回す必要も無く、手軽な漬物床となります(三五八漬けに似ている)。 また魚や肉を漬けると、西京焼や粕漬よりも甘い塩味と旨味が豊かなものとなります。塩麹は使用前に一週間から10日くらいかけて塩水に漬けておくので、乾燥麹でも十分作れます。

塩麹(塩糀)の作り方
1. 米麹1kgに対して、塩300g程度を用意する(塩は米麹の約3分の1が基準量となります)
2. 米麹を良くほぐして、塩と混ぜ、全体を馴染ませる。
3. 混合物はぼそぼそしてるので、タッパー等の容器に入れ(ステンレス・金属製は使用しない)
  水をひたひたになる程度加え冷蔵庫で保存します。
4.二日目に随分水分を吸っていますので、更にヒタヒタになるぐらい水を足し全体をかき混ぜます。
  水を足すのはこの時までです。フタをして1日1回混ぜます。
5.冬季は暖かい部屋で1週間~10日位(夏季は5日程度)発酵させます。
  発酵が進み塩味に米麹の甘さが加わり、甘塩のような風味が増してきます。
  塩の味がまろやかになり、甘酒のような香りが加わったら完成です。
  発酵させている間、1日1回、空気に触れさせるように混ぜるのは旨みが増すからです。
 
 
(今回作った、発酵中の塩麹です…)

保存方法…その後はタッパー又は、チャックつきビニール袋(ラミジップ)などで冷蔵庫にて保存、長くなればなるほどまろやかになります。少量づつ使用していくので1年以上の熟成物を味わうことも可能です。
 
使用方法…野菜・肉・魚介類の重量の約7~10 %の塩麹を使用します。多すぎると料理が塩辛くなりすぎるので注意してください。

野菜…お好みの野菜を適当な大きさに切り、ポリエチレン袋に入れ、野菜の重量の7~10 %の塩麹を入れて揉みます。冷蔵庫に入れて、半日漬け込みます。お好みで漬け時間・塩麹を調整してください。塩麹も洗い流さずそのまま食べられます。
肉・魚介類…素材の表面に重量の7~10 %の塩麹を塗ります。1時間から半日ほど置き、そのまま魚焼きグリル・フライパンなどで焼きます。又、フライパンにひく油をバター・オリーブオイル・マヨネーズなどに代えたり又、煮込んだり、油で揚げたりと料理の幅が広がります。(塩麹は焦げやすいので、火加減に注意してください)
その他ご飯を炊くとき米3合に対して小さじ1~3程度入れて炊くと、おいしく炊けます。 どのようなお料理にも塩の代わりに塩麹を使うと一味違います。

塩麹使用した簡単なレシピ… 
麹はデンプンを糖化して甘くし、タンパク質を分解して旨味に変えるので、デンプン質やタンパク質な食材への使用がその特性を上手く利用できると思います。漬ける場合は、麹が自身を糖化した甘さと加えた塩味を染み込ませるといった考えでいいでしょう。
 
キュウリ・ キャベツ・ ナスの塩麹漬け
①.キュウリを洗い、まな板の上で回しながら斜めに一口大に切ります。
②.ビニール袋にキュウリを入れ、塩麹をまぶしながら入れてまんべんなく漬け込みます。
③.涼しい環境下で6時間ほど置いておけば完成です。
キャベツやナスも基本は同じ。それぞれ好きな大きさ(一口大)や漬け易い大きさに切って処理します。

豚ロースの塩麹漬け焼き
肉で塩麹を試そうと思ったらまずこれがオススメ。しょうが焼きでも使われる豚ロースの薄切り肉です。ファミリーレストランのデニーズでも2011年秋のメニューとして使われました。
①.豚ロース肉に塩麹をまぶして数時間置く。片面だけでもいいが、2~3時間の漬け時間であれば両面でもしょっぱくない。放置時間は肉の厚さや塩麹の塩味によって調整して下さい。
②.焼いて出来上がり。魚焼きグリルがオススメ。

ちょっと焦げて煙で燻すくらいが芳香味も加わって非常に美味しいです。味は塩焼きに近いのですが、塩味だけではなく、焼いた粕漬けにも似ていると思います。
表面に付着している塩麹の粒は、取り除いても取り除かなくても、それは好みでですが水分は取った方が焼き色が出易く味は、当然ながら漬け時間が長いほど塩味は濃く、短いほど薄いです。

鯖・鯵の塩麹焼き 
①.鯖もしくはr鯵の身側に塩麹をなすりつけて冷蔵庫内で数時間寝かします。
②.魚グリルで焼いて出来上がりです。
 
単なる焼き鯖とは明らかに違う出来上がりになった。塩麹をなすりつけた身側はキツネ色の焼き色が付き、焼け方も単なる焼き鯖と違ってパチパチ、ジューといった焼き音がせず焦がしてしまうので塩麹を使った魚を焼く時は焼け具合に注意して下さい。

馴染み深い単なる鯵や鯖でも、自然発酵調味料で驚くほど味わい深くなります。
 
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