エリンギは切り方の違いで食感が変わります。
特に決まったきり方はありませんが鮑茸というくらいですから鮑のような食感を出すには直角かやや斜めにスライスすれば美味しいです。パスタなどには絡みやすいようにたてに細く切りますし野菜炒めなどでは縦半分に切ってから斜め切りが一番いいです。笠は気にする必要はありません。
旬は12月~2月で、イタリア、フランスなど地中海性気候地域を中心として、ロシア南部、中央アジアなどのステップ気候地域までを原産地とした、セリ科の植物エリンギウム・カンペストレ の枯死した根部を培地として自生することから命名されたキノコでフランス料理やイタリア料理などの定番食材のひとつです。
日本ではエリンギの自生はなく、市場において見られる物は全てが栽培産品で、学問上定着した和名は無いようで、かつて栽培生産者が販売に際して「じょうねんぼう」、「かおりひらたけ」、「みやましめじ」、「白あわび茸」などの和称を種々発案したようですが普及せず、現在では種小名のエリンギで広く認知されているのだそうです。
歯ごたえが良く食感はマツタケや加熱したアワビによく似ていると言われますが、食材そのものの香りには乏しいため、種々の味付け・香り付けを施して調理されるのが多く、現在では大量栽培が普及したため、価格も手ごろな食材として人気が定着しています。
ソテーやスープの具材として用いる南欧料理のほか、最近では和食や中華料理の具材としても広く使われるようになりました。歯ごたえを楽しむために、縦に走る繊維と直角に切ったものを用いた中華スープや、食べやすい大きさに手で裂いて炒めたバターソテー、煮込んで佃煮にして供するなど手軽な調理法が種々考案され、日本においても人気の食材のひとつとなっています。
調理法…マツタケに似たコリコリとした歯ごたえで、香りもよく、日持ちもする食材で、時間をかけて煮込んでも型くずれせず、うまみをだしてくれますし加熱しても効果は失われません。(ソテー・天婦羅・パスタの具・炊き込みご飯など)
低カロリーで食物繊維を豊富に含んでいて、腸内の脂肪やコレステロールを吸着して肝臓での脂肪沈着を抑える働きがあり、肝障害の予防やダイエットに効果がありカリウムの含有量はキノコ類の中で上位に入り、高血圧症の予防に役立つと言われています。
エリンギの健康効果と効能…がん予防効果/高血圧予防効果/二日酔い予防効果/虫歯予防効果/ペラグラ予防効果/痔/ダイエット/便秘解消/利尿作用
日持ちがよく和洋中のどんなお料理にも幅広く使うことができるエリンギですが、購入の際には、傘のふちが巻き込んでいて、柄の部分が白くてかたいエリンギを選ぶようにしましょう。
先日テレビの「
ためしてガッテン」でやっていましたが、きのこの保存でオススメなのが、冷凍です。
保存に便利なだけでなく、細胞が壊れて、うまみが作られやすくなるのだそうですが、冷凍したきのこを味付けをうすくして調理すると、苦みや酸味など雑味を感じやすくなることがあります。
実は、多くのきのこは、傘が開くときに、胞子を飛ばす栄養分としてアミノ酸が多く作られます。
これは、うまみのもとであると同時に、雑味のもとでもあるのです。
栽培の工夫によって、傘よりも柄を重点的に成長させたエノキタケやエリンギ(柄きのこ)は雑味が少ないので、冷凍しても、雑味が気にならず、増えたうまみを味わえます。とはいえ、きのこの雑味は、魅力でもあるので傘きのこ(椎茸、しめじ、舞茸など)は冷凍して汁物やごはん、しっかりした味付けの料理で使うと、きのこの雑味が生きておいしく食べられます。
冷凍のポイントは、食べる大きさに切ってから冷凍し調理のときは、解凍せず、凍ったままで加熱することです。