やっと出来上がった自家製カラスミ

きくいち

2011年12月28日 11:22

2ヶ月間かかってやっと、カラスミ(唐墨、鰡子)ができました。
中々乾かず時間がかかりましたが自家製のカラスミの完成です。



皆さん良く知っているカラスミは、ボラなどの卵巣を塩漬けし、塩抜き後、天日干しで乾燥させたもので、雲丹、このわたと併せて日本三大珍味と呼ばれ、ねっとりとした塩分の濃いチーズのような味わいは、高級

日本には江戸時代の初期に中国より長崎に伝来したと言われていて、豊臣秀吉も食したとも言われているようです。中国からの伝来当時はサワラの卵で作られていたらしいのですが、その後長崎県・野母崎方面でよく捕れるボラの卵で製造することを案出したようです。 
名前の由来はその形状が中国製の墨、すなわち唐墨に似ている所から付けられたというのが定説になっています。
 

ぼらの卵(ぼらの腹を注意深く切り開き、卵巣の膜を切らないように取り出す)

血抜き(血管を一つ一つ丁寧に掃除します)

血抜き後(丁寧に水洗いします)

塩漬け(卵巣に食塩を塗りつけ、3日から1週間ぐらい漬けます)

塩抜き(水洗いし、真水を満たしメンキに入れ塩抜きをします。一昼夜後に水中で揉んで軟らかさを確かめ、どの部分も軟らかになっていれば塩抜きは終わりですがこの時の塩加減が味を左右するといわれ重要です。

加圧(斜めにした板の上にならべ、その上に板を載せ、5段ほどにして加圧する。水気を抜いて翌日日乾しにし、夜間は再び積み重ねる

天日干し(表面に浮き出る脂を拭き取りながら、10日から2週間ほどの天日干しを繰り返し仕上げます)

完成したカラスミを真空包装します。 

出来上がったカラスミは薄く切り分けてオードブルに供したり、すりおろして酢を混ぜてからすみ酢にしたりして使用します。薄くスライスして軽く炙って大根に挟んで食べれば酒には最高です。
 
台湾では「烏魚子」と言って表面の薄い膜を剥ぎ取ってから、酒を表面に軽く塗り、弱火で裏表を一、二分ずつ繰り返し火あぶり、表面が白くぶつぶつになるまでかりかりに焼き上げる。出来上がったら、薄くスライスして食べる。大根またはニンニクの芽と一緒に爪楊枝で刺して食べられることが多く私が数年前に行ったときに焼いたものを夜市の屋台でも売っていたのを記憶しています。

イタリアでは、カラスミを卸したりほぐしたりして、パスタにあえ日本のたらこスパゲッティように食べるようです。最近では日本でもカラスミパスタは人気のようです。

皆さんもカラスミの重厚な味をお楽しみ下さい。

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