寿司の盛り込み
出前の寿司には盛り込みと別盛りがあります。盛り込みというのは2、3人前以上をひとつの器に盛ることで、別盛りは1人前ずつ別々に盛ることです。ところが4人前の盛り込みと別盛り4人前ではネタが異なることがあります。(例えば4人前の盛り込みに海老が2貫しか入っていないとか…)
これは盛り込みの場合は定番ものを減らしてその代わりに、季節の旬のものを入れてバラエティ豊にするためで、盛り込みにすると色々なネタを食べられるし、見た目も豪華になります。だからと言って盛り込みにしたから、握りの数が少なくなるということはありません。一般に寿司のネタには大きく分けて「青、黄、赤、白、黒」の五色の系統があます(青-鯵、小肌、サヨリ、鯖等の光物、黄-玉子焼、数の子、赤-鮪、海老、赤貝、白-イカ、白身、黒-とり貝、海苔巻き等です)
そこで、今日は寿司の盛り込みついて少し紹介します
明治時代の1人前…桶や皿にに盛る時には七五三などの奇数が好まれていたと言われ大皿から小皿に取り分ける時も、七五三を意識したそうです。食事としての1人前には3個というのは少ないように思いますが、当時の握りの大きさから考えると5個・7個ぐらいで満腹になったのではないでしょうか…?
大正から昭和期には握り5個と細まき2切れを1人前とする風潮があったようで、これを「5カンのチャンチキ」と言いいました。合計7個だから、七五三の理屈には叶っていますね
【重ね盛り】
箱ずしの時代から寿司は重ねて盛るのが普通でした。明治時代でも、場合によっては昭和になっても、そうした「重ね盛り」の習慣は根強くあり、桶や皿で中央を高くしてピラミッド状に盛ることを「杉形(すぎなり)に盛る」と言います。
【台屋盛り】
遊郭出入りの寿司屋では、少ない数で見栄えをよくするために、寿司を重ねることはしませんでした。こうした段重ねにしない盛り方を「流し盛り」もしくは「台屋盛り」(台屋とは遊郭のこと)と言います。この盛り方は元来があまり誉められた発想で盛られたものでないので、「堅気の寿司屋ではやらない」とさえ陰口を聞かれ、店によっては1人前のすし盛りでもなるべく重ねて盛ったと言われています。
【流し盛り】
ところが何時の頃からか、この流し盛りが一般的となり、現在では重ね盛りはすっかり陰をひそめてしまった。
その他の盛り…重ねない盛り方がすべてが流し盛りと言うわけではありません。
【放射盛り】
中央に芯のような存在を作り、そこから寿司を放射状に並べる。
【東西南北盛り】
多くは寿司別に置かれるが、1人前ずつセットにして放射状に並べる。これはどの方からも平等に「1人前」が取りやすい。
【水引盛り】
赤身の寿司と白身の寿司種を左右に置き分ける。(水引よろしく、赤い色を右側に配する)
【山水盛り】
重ね盛りと流し盛りを組み合わせ、器の中で山河風景を描く。
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