えび「海老」の表記?

きくいち

2014年04月18日 15:24

先日「すし」の漢字について紹介しましたが、「えび」の表記も様々な種類があって興味深いと思います。
鰕、蝦、海老、蛯と…。中国ではもともと「さかなへん」の鰕を使っていたそうで、それが今では「むしへん」の蝦を使うように変わってきたそうです。皆さんも中華料理店のメニューで「蝦チリソース」などの表記を目にすることがあるはずです。

日本では「えび」を「海老」と表記することが多いのですが、なぜでしょうか…?
「ひげのような触覚があり、腰が曲がっているので、えびは海の老人のように見える。長寿の象徴で縁起がよい」。日本人はこう考え、「海老」という文字を当てはめたと言われています。つまり、「鰕」や「蝦」よりも「海老」の方が日本人の感性に合っていたんでしょうね…

やがて、日本人はこれを「蛯」という一字に短縮しますが、これは、おそらく老人という意味を残しつつ、中国に倣って「むしへん」にしたのではないでしょうか…?

この「蛯」という字は、江戸時代以降、北海道や東北を中心に東日本に広がり、料理のほか、地名や名前など、様々な場面で使われるようになったようです。実際、北海道では「ボタン蛯」「蛯天丼」などの表記が多いとか…。



「海老」と「蝦」、これは、どう使い分けたらよいのでしょう?
それは、エビの種類によるのです。
「海老」は伊勢エビなどの歩くタイプ(歩行類)のエビのことを指し「蝦」はクルマエビやボタンエビなどの泳ぐタイプ(遊歩類)を指すそうです。

ちなみに、英語では小エビ類を「Shrimp」、シバエビやクルマエビなど泳ぐエビのことを「Prawn」、イセエビやザリガニなどのことを「Lobster」と、 日本より細かく呼び分けられています。

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