朝廷への貢ぎ物だった「なれすし」

きくいち

2015年04月30日 14:22

「なれずし」は古代には朝廷への貢ぎ物として利用されていたようで、奈良時代には近江や若狭の国からアワビやイガイ、タイのすしが貢納された記録が残っています。

平安時代に入ると、この地以外にも西日本や東海の各地からアユ、フナ、サケ、アワビ、イガイなどいろいろの種類のなれずしを、それぞれ租税として納めるよう命じました。都に集められたすしは朝廷の貴人たちに分配されましたが、とても庶民の口に入るようなものではなかったのです。

しかし、なれずしを作る という行為のなかに、日本人が酸味を愛着する嗜好が横たわっていたことは見逃せません。


(写真はネット抜粋)

もともと東南アジアのメコンの平野部の稲作地帯で発明されたなれず しは淡水魚を使っていましたが、日本に伝わり海の魚や貝類も漬けられるようになりました。ここに握りずしのネタが豊富になる伏線があるのです。



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