名言とともに輝き放った北島康介
五輪の金メダル4個を獲得した北島康介選手が男子200メートル平泳ぎ決勝で2分9秒96、5位に終わり、リオデジャネイロ五輪の出場権を逃しました。 レース後、北島選手はスタンドからの惜しみない拍手を浴びながら、ゆっくりと水から上がり「10年前は、こんなにも高いレベルになるとは、予想できなかった。その中でここまでやらせてもらって、後輩への感謝の気持ちがありました」と一礼し、プールサイドを後にしました。
取材エリアでは、涙で言葉を詰まらせながら「試合前は強気なことも言って、今思うと恥ずかしくも思いますけど、そこまで自信を取り戻せたことは本当によかった。自分にお疲れ様と言いたい。真剣勝負の中で、力を出し切れた」と…。周辺では多くの関係者が、目を潤ませながらやりとりを見守っていました。
泳ぐ前は、幼い頃持った五輪への夢を思ってチャレンジしたい、と話していたが…。
「やっぱり五輪しか、僕には残された道はなかったので。その中で、どうしても五輪に行きたいという気持ちが、去年から自分を奮い立たせて、今この場にいさせてくれていると思っていますし。ここまで選手でいられたのも、最後まで平井コーチとタッグを組んで、悔いなくやれたということは幸せ者です。やっぱり最後は平井先生と五輪に行きたかったというのが本音。長くプロになってから、日本コカ・コーラさんに良いときも悪いときも応援してもらったからこそ、今の自分があると思います。この⒑年以上、周りでいろいろ変化があったけど、トータルで見て長い期間水泳に携わらせてもらった。選手として最後は不本意だったけれども、これだけたくさんのお客さんに見てもらって、その中で自分のパフォーマンスをここまで高く見せることができた。自信を持って次のステージに行きたいと思います」と…。
最後の大勝負を終え、「この興奮を二度と味わうことはないんだろうな」と寂しそうにつぶやいていたそうですが…一時は低迷していた日本の「お家芸」平泳ぎを世界の頂点に導いた功績は大きかったと思います。北島劇場は大歓声に包まれながら幕を閉じました。
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