日本には様々な米の品種があり、それぞれ味や食感などが異なります。 今日は、和食に合うよう改良された米の品種と、その米に合う食べ方を紹介します。
日本では、たくさんの品種のお米が作られています。 その地域の気候や風土に合わせて常に品種改良が行なわれていて、今では300以上もの品種の米が作られるようになりました。米の品種改良にはこれで終わりというところがなく、更により良いお米を作るための品種改良の研究が続けられています。一つの品種のお米をそのまま販売したり、何種類かのお米を混ぜて販売したりする販売方法が取られていて、 一つの品種をそのまま販売する場合は、その米は「銘柄米」「ブランド米」などと呼ばれます。
米の品種改良は、味を良くすることを目的としているだけでなく、寒さや病気に強いものやもっとたくさんの量のお米ができるものを作ることを目的にして行われています。ですから、これからまた何年後、何十年後には、今食べられているお米とは違う別の新しい品種のお米が出てくる可能性も十分にあるという訳です
冷めても美味しい…「コシヒカリ」
日本の代表的な品種コシヒカリは、旨味・粘り・香り・見た目など、あらゆる点において優秀と高い評価を受けています。 口に入れた時に味や香りが強く感じられる米なので、味付けが濃い料理や、明太子・おかか・梅干しといった味の濃いおかずと相性が良く、また、冷めても美味しいことが特徴の一つで、お弁当やおにぎりにも向いています。
風邪をひいたときに、たまごをとろとろに混ぜたおじやにはコシヒカリがお勧めです。 水分が多く、粘りがあり、煮るととろとろになるので、お腹にやさしくなじみます。ビビンバなども、おこげが綺麗に出来るのでコシヒカリがお勧めです。
お寿司には…「ササニシキ」
栽培が難しいため、現在は生産量が減っているというササニシキ。 さっぱりとした上品な味わいを持ち、今でも根強い人気があります。 粘り気が少なく、口の中でほぐれやすいため、淡い味付けの料理と相性が良いと言われています。
ササニシキの味の特徴は、さっぱりとした上品な味です。粘り気が少なく、ほぐれやすいのも特徴で、高級寿司店でよく使用されるお米です。
本来の日本食は、淡い味付けの素朴な料理が多いので、米自体の主張が少なくおかずの味を引き立たせるササニシキのようなさっぱりとした上品な味が好まれていました。それゆえ、高級和食店や寿司店では生産量が少なくなった現在でも継続して使用されており、薄味が好みの高齢者世代にも根強い人気を誇っています。
丼ものには…「ヒノヒカリ」
ヒノヒカリは収穫量の多い品種「黄金晴(こがねばれ)」と「コシヒカリ」を掛け合わせて作られた米で、九州地方を中心によく作られています。 コシヒカリに比べて味・粘りがやや控えめで、どんな料理ともよく合うと言われています。 水加減を調節することで炊き分けが可能で、柔らかめにしても固めにしても美味しく炊き上がります。
父は、日本で最も有名なお米と言える「コシヒカリ」、母は「黄金晴」となっていて、西日本、特に九州地方をあらわす「日」とお米の光る様から「ヒカリ」が取られ、合わせたものを名前としています。
味・粘り・香り共にバランスが良く、粘り過ぎず濃すぎず、ふんわりとしたお米元来の風味を楽しめるお米です。コシヒカリほど味が濃くないのでどんなおかずにも合いますし、粘りもそれほど強くなく、どんなメニューでも良く合います。柔らかめでも固めでも水加減を調節して炊き分けられるのも便利。水多めに炊いてご飯本来のうまみを楽しんでもよし、少し固めに炊いてチャーハン・オムライスなどご飯を調理するメニューにするも良し炊き込みご飯や丼ものでもベッチャリとしないので、小さい子供がいる我が家では大変重宝する品種です。
美味しさを追求した…「つや姫」
優れた美味しさで作付けが急拡大したコシヒカリによって、お米にはさらなる美味しさが求められました。山形県では平成10年から約10年の開発期間をかけて開発されたのが「つや姫」です。10万分の1の確率から選抜されて誕生したつや姫は、非常に美味しくコシヒカリを凌ぐとも言われています。
「つや姫」の塩むすびは、究極の酒の肴。まずほのかな甘みがあって、次に微妙な塩の味が口に広がる。それから歯ごたえがよくって…うまい米がうまく炊いてあると、酒の肴はこれ以外に何もいらない
「つや姫」の持つ素材本来の旨味を味わうには、シンプルな「塩むすび」がお勧め
美味しい塩むすびのコツは、「しょっぱ過ぎないこと」。塩を直接ごはんにふったり、手にかけたりすると、濃すぎたり、不均一な味付けになってしまうため、あらかじめ塩水を作って使うのが賢明です。美味しい塩分濃度は、10%前後。大さじ4の水に、小さじ1の塩をしっかり溶かしましょう。「空気をたっぷり含み、ご飯粒が口の中でホロッと崩れるくらいのふんわり感」を意識して。水分やベタッとした粘りを出さないために、塩水をうすく塗ったお茶碗に、炊きあがった新米を薄く広げ、握れる温度になったら、両手に塩水をつけ、中心部には力を加えず、まとめるような感じでさっと握れば完成です
300種類以上もあるという米の品種には、味の濃さや粘りの強さなどそれぞれに特徴があります。 普段何気なく食べているお米も、その特徴に合わせた調理をすれば、より美味しくいただけるかも知れません