蛸の旬「タコの日」

きくいち

2017年07月03日 09:51

タコの旬を知っていますか夏が始まる直前の「半夏生」のころ絶品に…

日本での漁獲量は減っていますが、たこ焼きの具として、また、寿司のネタとしてお馴染みの「マダコ」の旬は6~7月とされています。一方、主に海水の温度の低い日本海側等で獲れる「ミズダコ」の旬は秋から冬とされています。
ミズダコは吸盤が大きく足が太いので、タコ焼きに入っているのは、いわゆる明石などで獲れるマダコ。
明石では6~7月に獲れたタコは大変美味しく、麦が刈られる時期だからとか、漁師が日差しを避けために帽子を被るから、といったいわれで、この時期に獲れるタコを特に「麦わらダコ」という素敵な名前で呼んでいます。



夏が旬のタコを食べると寿命が75日(約3か月)延びる「初物75日」…タコの代表ともいえる明石のタコは、海峡の速い潮流で足がしっかりと太く成長し、プランクトンの多い栄養豊富な餌が、その歯ごたえや甘さに繋がっていると言われています。

春から秋にかけての暖かい季節に産卵期を迎えるのですが、その時期は卵に栄養を取られて身が軟らかく、味が薄くなります。逆に、寒い季節のマダコは、卵に栄養を回さないため硬く、味が濃くなります。柔らかさや味の濃さは好みですが、すし屋や割烹などでは、やはり夏の時期のタコは絶品な味わいと珍重されるようです。

ある明石で漁をする漁師さんによれば、「ほんの一時期、梅雨に入る前ころから、突然びっくりするくらい身が柔らかくてきれいなやつが出てくる。誰が食べてもすぐわかるくらい、全然違う。」そうです。軽く茹でても、生のようにみずみずしく、刺身はもちろん、普段のマダコだと、硬くて食べづらい天麩羅でも、やわらかくてジューシーになるそうです。



昨日、7月2日は実は「タコの日」だったのです
丑(うし)の日の鰻のように、タコで夏バテを防ごう

7月2日は日本記念日協会で認定された「タコの日」。また、関西地方のある地域には、半夏生(はんげしょう)にタコを食べる風習があるそうです。「半夏生」とは、夏至から数えて約11日目の雑節、だいたい毎年7月2日だそうです。

この時季は、つゆでジメジメしている時期なので、昔から、注意することがたくさんと言われていて、 半夏生の頃には、「天から毒気が降る」とか、「地面が陰毒を含んで毒草が生える」などという言い伝えがあるようです。
そういった時期に、農村では、半夏(はんげ)の天候によって田植えが終わった米が豊作になるかどうかを占ったり、麦の収穫祭をおこなうなど、農業にとって大切な目安にしていました。

そんな農業にとって大切な節目の梅雨の時期に、「農作物がタコの吸盤のように大地にはいつき、しっかり根付くよう」との願いに変えて、タコを食べる風習ができたようです。

実は、タコの日はもう1日ある
タコの足が8本あることから、広島県の三原観光協会が、「8月8日をタコの日」と定め、タコ供養を行っているそうです。タコ供養の行われるこの日は、タコ漁を営む人も食べる人も、みんながタコに感謝する特別な日として、 祭壇にタコの好物とされる サツマイモをお供えするそうです。

タコを食べて、疲労回復、肝機能の強化、高血圧を改善し血液サラサラに…梅雨で湿気が高かったり、ものが傷みやすかったり、また、暑いかと思えば梅雨寒になる時期ですが、タコには血圧やコレステロール値を下げるのに効果的な「タウリン」が豊富に含まれています。

タウリンは、高血圧や血管障害などの生活習慣病を予防する効果があるといわれており、血行を促進する「亜鉛」も多く含んでいて、疲労回復に効果があるそうです。

食欲が落ちがちな時期に、タコの酢の物などやマリネなど、お酢を聞かせたメニューでさっぱりといただいたり、休日のお昼にぜひ家族でタコ焼パーティを楽しむなど、低脂肪、低カロリー、高タンパクのタコを、どんどん積極的に食べてみてください

関連記事