浄土真宗のお位牌について… いらないって本当?

きくいち

2017年11月11日 08:26

昨日、親父の100日法要を済ませました。これで初盆、1周忌まで法要は全て終わりました…とは言え、毎日朝晩、仏壇にはお線香をあげています。仏壇で思い出しましたが、浄土真宗ではお位牌は必要ないといわれているのです…お念仏の教えに生きた浄土真宗の門徒はお位牌の中に篭もるのではなく「お浄土に還る(生まれる)」という考え方からです。



もともとお位牌は仏教のものとは違い儒教の習慣からきたものです。儒教の考え方で、お位牌に亡くなった人の姓名や官位を書き、そこに死者の霊が宿るとされ礼拝の対象でした。それが日本に伝わり先祖崇拝と結びつき今の形になったと言われます。霊や追善供養という概念のない浄土真宗とは本来関係のないものなのだそうです。



そのために浄土真宗では折本式になった過去帳や法名軸を用います。過去帳に故人の法名、俗名、死亡年月日を書きご本尊の正面を避けてお仏壇の中段か下段に設置するようにします。また法名軸は院号を頂いた際に本山から送られてくる和紙に書かれた法名を表具し、掛け軸にしてお仏壇の側面に掛けます。

これからは過去帳や過去帳に手をあわせるか…違います

あくまで礼拝の対象は阿弥陀様や南無阿弥陀仏の名号に対してです。他の宗派ではお位牌に性入れ(お位牌版の入仏法要)を行い礼拝の対象としたりしますが、浄土真宗ではあくまでおぼえがきのような存在です。手を合わせる対象ではありません。(余談ですがお墓も同様に墓石に先祖の魂が宿るとは考えません)

とはいうものの…よく用いられる繰り出し位牌

東海地方ではほとんどのお仏壇に白木の板に法名、俗名、亡くなった日付を書き入れて使用する金箔の細工が施された繰り出し位牌が見られます。法名の書かれた板を一人一枚、故人の人数分入れ、法事の際は年忌を勤める方の法名板が一番前にくるように入れ替えます。(ちなみに真宗高田派(本山三重県津市)では本山が発行している仏事の資料にもはっきりと繰り出し位牌が写っています)

まとめると…
お位牌には先祖の魂が宿る
お位牌や過去帳に対して手を合わせお供えをする

手を合わせる対象は阿弥陀様
お位牌は用いず過去帳か法名軸にする

本来必要のないお位牌ですが、用いられることがあるのは地域の習慣やご近所同士他の宗派と交じり合った結果かもしれません。地域的なものもありますので詳しくは菩提寺にお問い合わせ下さい

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