パスタをスプーンにクルクル…は間違い!?

きくいち

2019年03月27日 09:37

以前パスタの上手な食べ方を紹介しましたが…フォークとスプーンでパスタをクルクル
この食べ方、一見お上品に見えますが、イタリア人から見ると小さな子どものような幼い食べ方なんだとかイタリア人のパスタの食べ方、日本でスプーンが使われるのはなぜ



右手のフォークでパスタを巻き取って、左手のスプーンで形を整えて口に運ぶ…このフォークとスプーンスタイルが、パスタの正式な食べ方だと思っている人が多いのではナイフとフォークでステーキをカットして口へ運ぶように、両手を使うとお上品な気がしますよねしかし、パスタの本場イタリアでは、スプーンを使わないというのです

地域により使うところもありますが、一般的にイタリアではパスタを食べるときにスプーンを使いません。スプーンを使うのは、フォーク1本で上手にパスタを食べられない子どもだけなんだとかスプーンを使うのは「大人なのにフォークを上手に使えない」ちょっと恥ずかしい感覚のようです。日本人が「箸をきれいに持てないと恥ずかしい」と考えるのと似ていますね

スプーンを使わないどころの騒ぎではありません。なんと、17世紀頃のイタリアでは、庶民はパスタを手づかみで食べていたのです

イタリア・ナポリの伝統的なパスタ「ヴォイエロ」のパッケージには、手づかみでパスタを食べているピエロの姿がプリントされています。 当時のナポリで、パスタはファストフードとして食べられていました。路上に置かれた大きな釜で茹でたパスタを、誰もが気軽に手づかみで食べる。日本の伝統的なファストフード「寿司」とどこか似ていますね。



なぜ日本ではスプーンを使うのか
フォークとスプーンを使ってパスタを食べるのは、1930年以降にアメリカから日本へ入り、広まった文化だと考えられています。「食べやすい」という理由でアメリカで使われるようになり、日本でも広まったんですね。

最近では、日本でも高級レストランを中心に、パスタ用にスプーンを出さず、フォークだけを提供するお店が増えています。テーブルの上にスプーンが出ていたとしても、それは魚料理やスープ用である可能性が高いです。必要な場合はパスタ用のスプーンを頼めば用意してくれるはずなので、遠慮せずに声をかけてみてくださいね。

和風の味わいのパスタで人気な「洋麺屋五右衛門」では、「本場イタリア産の食材を使った日本生まれのスパゲッティ」として、お箸で食べることをすすめています。確かに、日本人にとって馴染み深いお箸で食べられると安心しますね。しかし、お蕎麦やうどんのようにすすってしまわないかちょっと心配でもあります

それではイタリアでは パスタにスプーンは使わないのになぜ日本では使うようになったのでしょうかこれはハッキリ分からないのですが、おそらくアメリカの影響のようです。

スパゲッティが日本で広まったのは1930年以降ですが、ミートソースをフォークとスプーンを使うスタイルが真似されてました。イタリアでは使わないスプーンをアメリカ人が使うようになったのは単にそのほうが食べやすかったから、つまり、合理的な理由からなのですが、アメリカ影響を強く受けた当時の日本ではおしゃれな食べ方として知られるようになりました

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