おでんの「スジ」といえば牛か魚か?
皆さんは、関西から来た人をおでん屋さんに案内して「スジ」を注文し、驚かれたという経験はありませんか実は、おでんの「スジ」には、とろけそうに柔らかい牛スジと、コリコリした食感の魚のスジとの2種類があるのです
関西で「スジ」といえば、牛のすじ肉を煮込んでとろけそうになったものと、相場が決まっているらしいのですが、関東では、白身魚のすり身にサメの軟骨を加え棒状に固め、ゆでたもので、「スジカマボコ」とも呼んでいます。
魚のすじ…すり身を生産する際に裏ごし機で除かれたすじや軟骨で作られる練りもので、軟骨のコリコリとした食感と、すじ(コラーゲン)のもちもちした食感が同時に楽しめます
材料となる魚…近海の「ホシザメ」「アカボシ」「ドジザメ」「ヨシキリザメ」「カスザメ」「アオザメ」などや、底引き網で揚がった小魚。
牛すじには、アキレス・メンブレン(ハラミすじ)・赤身の3種類がありますが、それぞれに合う料理について紹介しておきます
①アキレス
アキレスは、無味無臭で牛すじの中でも断トツにコラーゲンがある透明な部分です。この部分だけなら出汁はあまり出ませんが、逆に出汁を吸い込みます。そこでおすすめな料理は、おでんです。煮込んださまざまな食材のだしと旨みを吸い込み美味しくなります煮込んで柔らかくした食感は、まさに「お餅」のようにプニュプニュになり、
かむほどに出汁の旨みがじわっと染み出てきてクセになりますおでん以外でも出汁がたっぷり出る鍋料理全般におすすめです
②メンブレン(ハラミすじ)
メンブレンは、内臓肉のハラミについているスジです。内臓肉のすじなため、モツのように少しクセがありますが、食感が、コリコリとした感じでかみごたえがあります。おすすめ料理は、味噌煮込みですモツ鍋と同じ感じで、ある程度濃い味で煮込むことで内臓の濃い味と濃い味噌味がうまくマッチしてクセになります味噌煮込み以外では、イタリアンの内臓料理トリッパのように、トマト煮込みなどにも合います(モツのように焼いてから煮込むとクセも消えさらにおいしいです)
③赤身すじ
ご存知赤身肉のすじで、一番牛の旨みや出汁が出ます。こちらは、カレー、煮込み、おでんなど通常の牛肉を使う料理ならなんにでも合います通常の牛肉と違うところは、出汁がたっぷりでますので、少量で十分満足できる料理に仕上がることです。3つのすじの中では、一番煮込み時間がかかります。
以上の3つの種類の違いを知っておいしい牛すじ料理を作ってみて下さいね
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