貝好きにはたまらない…タイラギ

きくいち

2019年03月14日 09:01

赤貝・北寄貝・帆立と寿司ネタでも人気の貝類ですが「平貝」も、貝好きにはたまらないネタの一つです。今日は「平貝」について詳しくご紹介します。



平貝は、長さが30cmほどもある大きな貝殻をもつ2枚貝です。ムール貝のような形をした殻の尖った側に「小柱」・中央に大きな「貝柱」・周りに「ひも」があります。味は甘みと旨味があり、貝柱は帆立貝よりも大きく歯ごたえがあります

国内では房総半島より南の大きな湾で獲れますが、漁獲量が激減しているためスーパーなどで見かけることは少ない、希少な貝です。寿司店や高級レストランなどに卸されることが多いのですが、チャンスがあればぜひ味わってみて下さい



平貝の読み方や呼ばれ方は地方によって色々です。「タイラガイ」や、それが訛って「タイラギ」と読まれることもあり「タチガイ」と呼ぶ地域もあります。これは海底で平貝が貝殻の先端を砂に刺し、立つように生息しているのが由来のようです。他にも地域によりさまざまな呼び方があります。

また、平貝には貝殻にうろこ状の突起があるもの、つるつるの貝殻のもの、どちらでもないものがあり、「ケンタイラギ」「リシケタイラギ」「ズベタイラギ」などの呼び名がありますが、市場では区別なく「タイラギ」とされています。



平貝の旬は冬から春にかけて12月~4月頃ですが、地域によって多少違いがあります。寒い時期の方がおいしく、夏になると身が痩せて味が落ちてしまいます輸入の冷凍ものは年中ありますが、国産を旬に味わうのがおすすめです



甘みと旨味、ほどよい歯ごたえが魅力の平貝は、生で貝柱をお刺身や寿司ねたにするのが定番です。炙ると甘みが濃くなるので表面に火を通したたきにしたり、バター焼きや天麩羅にするのもおすすめで。中華料理では、炒めものや蒸し料理にも使われています。

九州では「ひも」の部分を調理して生食したり、貝柱をみりん粕漬けにしたりと平貝の郷土料理もあるようです。



参考までに平貝レシピを5選
1. 平貝のパン粉焼き
スライスした平貝にパン粉をまぶし、オリーブオイルでカリッと焼いたひと品です。7mmほどの厚さにカットすると、平貝のほどよい歯ごたえと旨味が楽しめます。味付けは塩コショウ、衣は卵を使わず水溶き米粉にくぐらせパン粉をまぶすことで、あっさりとした味わいに。レモンを搾っていただきましょう

2. 平貝のたたき ひものつけ焼き添え
新鮮なまるごとの平貝が手に入れば、こちらのレシピで余すところなくいただきましょう。貝柱は表面を香ばしく焼き、中はレアのままの「たたき」にしてスライスします。貝柱の周りの「ひも」と「二柱」はみりん醤油味の串焼きに。塩揉みの下処理や干物にする方法も載っているレシピです。ぜひ、参考にしてチャレンジしてみては

3. ピリ辛平貝のフェ(韓国料理)
ボイルした平貝と香味野菜を豆板醤・キムチの素・醤油で和えた、韓国料理「フェ」です。スライスした平貝の旨味と、ミョウガ・カイワレ大根・豆板醤のスパイシーな味が相性バツグン。ボイルした平貝は臭みの原因となる水気をキッチンペーパーで取り除き、野菜は食べる直前に和えるのがポイントです

4. 平貝のひもポン酢
新鮮で生食の丸ごと平貝が手に入れば、おすすめのメニュー。平貝のひもを塩揉みして、ポン酢でいただくひと品です。湯通ししたカイワレ大根、もみじおろし、小口ネギをのせます。

5. 平貝のグラタン風
驚くほど大きな平貝の貝殻、食器として使えば食卓を楽しく演出できますよ。こちらは、平貝のホワイトソースグラタンの器として活用しています。ホワイトソースにはひと口大に切ったひもを混ぜ、スライスした貝柱を上に飾りチーズ・パン粉をのせて焼きます。



平貝についてのあれこれ、作って食べてみたいレシピ5選をご紹介しました。なかなか日頃お目にかかることのできない「平貝」美味しいもの好き・貝に目が無いという方にとって、チャンスがあればぜひ食べてみたい食材です。

旬は冬から春にかけてなので、料理屋さんやレストラン、魚市場などでアンテナを張っておきましょう。貝の生食については注意が必要なので、ご家庭で調理する場合はお店の方に調理法を確認して、美味しく味わってくださいね



平貝には高い確率でカクレエビが、棲んでます。100%居る訳ではないですが、非常に高い確率で平貝の貝の中でヒモもと同化して上手に隠れていて生活しています。それもオス・メス夫婦で。ペアでいる場合、必ず大きい方がメスだそうです。平貝は一般的には大きな貝柱しか食べないので、間違ってもカクレエビを食べてしまうこともないです。そしてこんな小さなカクレエビを唐揚げにして食べる地域もあるので、全く心配ないです

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