夕方になるとあっという間に真っ暗になって日が短くなったなぁと感じます。日が短くなってくると、そろそろ冬至がやってくる、そんな気持ちになりますね
冬至の日にはかぼちゃや小豆粥を食べたり、ゆず湯に入ったり。昔からの風習を大切にして過ごしたいものですね。みなさんは冬至の準備はもうお済みですか
冬至とは、一年で夜が最も長く、昼が短い日とされています
冬至の別名は「一陽来復(いちようらいふく)の日」
中国や日本では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が甦ってくるという前向きな意味合いを含んだ言葉なのです。冬至を境に運も上昇するとされているので、かぼちゃを食べて栄養を付け、身体を温めるゆず湯に入り無病息災を願いながら寒い冬を乗りきる知恵とされています
二十四節気は日付固定ではないので、日付は変動します。2020年の冬至は12月21日です。また、12月21日から次の二十四節気の第23節、小寒の2021年1月5日までの15日間ぐらいを指します
冬至の食べ物は「ん」がつくもので運盛り
かぼちゃは別名「南瓜(なんきん)」で「ん」がつく
冬至の日の食べ物には、よく知られるかぼちゃの他、「冬至粥」や、地方によって小豆とかぼちゃを煮た「いとこ煮」を食べるところなどもあります。
冬至の食べ物であるかぼちゃは別名「南瓜(なんきん)」だから、「ん」のつく運盛り
冬至には「ん」のつくものを食べると「運」が呼びこめるといわれています。にんじん、だいこん、れんこん、うどん、ぎんなん、きんかん…など「ん」のつくものを運盛り といい、縁起をかついでいたのです。運盛りは縁起かつぎだけでなく、栄養をつけて寒い冬を乗りきるための知恵でもあり、土用の丑の日に「う」のつくものを食べて夏を乗りきるのに似ています。また「いろはにほへと」が「ん」で終わることから、「ん」には一陽来復の願いが込められているのです。
運盛りの食べものに「ん」が2つつけば「運」も倍増すると考え、それらを7種を「冬至の七種(ななくさ)」と呼ぶことがあります。
【冬至の七種】
なんきん:南京、かぼちゃのこと
れんこん:蓮根
にんじん:人参
ぎんなん:銀杏
きんかん:金柑
かんてん:寒天
うんどん:饂飩、うどんのこと
かぼちゃは別名「なんきん」で運盛りのひとつですが、漢字では「南瓜」と書きます。前述のとおり、冬至は陰が極まり再び陽にかえる日なので、陰(北)から陽(南)へ向かうことを意味しており、冬至に最もふさわしい食べものになりました。また、かぼちゃはビタミンAやカロチンが豊富なので、風邪や中風(脳血管疾患)予防に効果的です。本来かぼちゃの旬は夏ですが、長期保存が効くことから、冬に栄養をとるための賢人の知恵でもあるのです。
かぼちゃなどの運盛りのほかにも、冬至の日の食べ物には、小豆を使った冬至粥があります。昔から小豆の赤は邪気を祓うと言われているので、冬至粥で邪気を祓い、翌日からの運気を呼び込もうというわけです
冬至には小豆とかぼちゃを煮た「いとこ煮 」を食べるという地方もあります。なお、本来「いとこ煮」とは硬いものをおいおい(甥)入れて、めいめい(姪)炊き込んでいくことから「いとこ煮 」と名付けられた料理なので、小豆とかぼちゃ以外の場合もあります。
冬至にこんにゃくを食べる地方もありますが、これを「砂おろし」といい、こんにゃくを食べて体内にたまった砂を出すのです。昔の人は、こんにゃくを「胃のほうき」「腸の砂おろし」と呼び、大晦日や節分、大掃除のあとなどに食べていたことの名残りでしょう。
また、冬至といえば柚子湯が欠かせません。どうせ単なる語呂合わせでしょ、なんて思っていたら大間違い。ゆず湯の由来について紹介します
冬至の日、柚子湯に入ると風邪をひかずに冬を越せると言われています。
柚子(ゆず)=「融通」がきく、冬至=「湯治」。こうした語呂合せから、冬至の日にゆず湯に入ると思われていますが、もともとは運を呼びこむ前に厄払いするための禊(みそぎ)だと考えられています。昔は毎日入浴しませんから一陽来復のために身を清めるのも道理で、現代でも新年や大切な儀式に際して入浴する風習があります。冬が旬の柚子は香りも強く、強い香りのもとには邪気がおこらないという考えもありました。端午の節句の菖蒲湯も同様ですまた、柚子は実るまでに長い年月がかかるので、長年の苦労が実りますようにとの願いも込められています
もちろん、ゆず湯(柚子湯)には血行を促進して冷え性を緩和したり、体を温めて風邪を予防したり、果皮に含まれるクエン酸やビタミンⅭによる美肌効果があります。さらに、芳香によるリラックス効果もありますから、元気に冬を越すためにも大いに役立ちます