「ポルム」と「長崎天ぷら」

きくいち

2021年05月24日 15:08

「フリッター」ってなに
フリッターとは、肉、魚介、野菜から果物まで、素材に衣をつけて揚げた物です。
英語ではフリッター(fritter)、イタリア語ではフリット(fritto)、フランス語ではベニエ(beignet)といいます。



シーフードベニエ

さて「衣をつけて揚げた物」を意味するフライやフリッターなどの違いは、どこにあるのでしょうか。それは、平たくいうと衣の中身が違うのです。



ご存じのようにフライは、肉や魚介などの素材に小麦粉、溶き卵、パン粉の順につけて油で揚げた物をいいます。洋食でおなじみのとんかつやメンチかつ、えびフライやいかリングなどのフライは昔からなじみ深い物です。
対してフリッターは素材に、小麦粉、卵黄、油、牛乳、塩、そして卵白を固く泡立てたメレンゲを加えた衣をつけて揚げた物です。
このメレンゲを加えることによって、表面はカリカリっとした、中はふわふわっとした食感に上がります。フリッターに使われる代表的な素材は、白身魚、えび、貝類、鶏肉、ハムやソーセージ、チーズ、野菜ではブロッコリーやカリフラワー、芽キャベツなどがあります。


 
最近は生地にメレンゲを使わずに、ビールや炭酸水、ベーキングパウダーなどを使ってふんわり食感だけを出しているものもあります。
りんごや果物を入れたフリッターには、衣の生地に砂糖や香料を加えて低温で揚げていくものもあり、フランスのベニエなどは、衣に使う生地だけを使って揚げたドーナツ状の物もあります。

「ポルム」と「長崎天ぷら」


ポルトガルのフリート(frito)は、揚げ物全般を指すことばですが、衣に味をつけて、どろっとした生地のポルム(polme)という揚げ物があります。
白身魚や野菜などを材料とし、卵、水、小麦粉に塩を加えて混ぜた衣をつけ、少量の油で揚げた物です。
このポルムの生地に砂糖を加えて、味つけをしたものが「長崎てんぷら」のルーツだともいわれています。普通てんぷらは、魚介類や野菜などの材料に、衣に味をつけずに揚げて、天つゆや塩などを添えますが「長崎てんぷら」は、あらかじめ衣に味がついているので、冷めてもおいしく、おそうざいとしても親しまれているようです。

おつまみに「小えびのフリッター」


えびは水に塩少々を加えて洗い、殻と背わたを取り、キッチンペーパーで水気を取ってから、酒、塩、こしょう、片栗粉で味をつけてもむ。卵白に塩を加えて角が立つくらいに泡立てる。ここに小麦粉、片栗粉を加えて合わせ、サラダ油も加え、混ぜ合わせる。下味をつけた小えびに衣をつけて、くっつかない程度に間をおき、低温でふっくらと揚げる。油をよくきってから、好みでこしよう塩、抹茶塩をつけて食べる。

「りんごのフリッター」


りんごは皮をむいて、好みの厚さのくし形切りに。ボウルにバター、砂糖を加え、泡立て器で混ぜ、卵を少量ずつ加えて泡立て、水を入れてのばし、小麦粉とベーキングパウダーをふるったものと合わせて混ぜる。りんごに衣をつけて、揚げ油でじっくりと揚げます。好みで粉砂糖、シナモンをふっても。同じ生地で、バナナの輪切りを使った「バナナフリッター」に仕上げても

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