「フライ」と「フリット」の違いとは

きくいち

2021年05月18日 08:02

洋食は、調理の仕方によってさまざまな名前がつけられています。揚げものの定番といえば「フライ」ですが、最近では「フリット」という名前の料理も知られてきました。どちらも揚げものなのですが、いったいどのような違いがあるのでしょうか



洋食の揚げものといえば、あなたは何を思い浮かべますかほとんどの方が「フライ」を連想するかと思いますが、最近では「フリット」という名前の揚げもの料理もメニューに並んでいることがありますよね。

そこで浮上する疑問。「フライ」と「フリット」って、何が違うのでしょうかどちらも揚げものを表す言葉ですが、使い分けるからには違いがあるはず。では、「フライ」と「フリット」の違いを今日は紹介します

ポイントは“衣”「フライ」と「フリット」。なんだかよく似ている名前ですが、どうやらその違いは“衣”に隠されているようです。
フライは一般的に、食材を小麦粉、溶き卵、パン粉の順につけて揚げたものを指します。フライ料理は日本でも昔から親しまれているので、その違いを認識していたという人も少なくないと思います。



一方、フリットは食材に、小麦粉・卵黄・油・牛乳・塩、そしてメレンゲの入った衣をつけて揚げたものを指します。メレンゲとは、みなさんご存知のように卵白を泡立てたものです。メレンゲを衣に使うことで、外はカリカリ、中はふわふわといった仕上がりになります。ただし最近ではビールや炭酸水、ベーキングパウダーなどで、メレンゲを使わずにふんわりとした食感を出しているものもフリットと呼ばれています。
ちなみに、フリットと似たような名前の料理で「フリッター」というものがありますね。このふたつは、とくに違いはないとされています。衣にメレンゲを加えて作る揚げものを、イタリア語ではフリット、英語ではフリッターと言うのです。また、フランス語ではベニェと呼ばれます。



先ほどフリットとフリッターは、指すものは同じでイタリア語と英語の違いだと説明しました。そこでもうひとつお話ししておきたいのが、「チップス」という言葉についてです。
チップスと聞くと、わたしたち日本人は「ポテトチップス」をイメージしますよね。いわゆるジャガイモをスライスして揚げた、アレです。しかし、“フィッシュ&チップス”で有名なイギリスでは、チップスというと「フライドポテト」を連想します。ジャガイモをスティック状にして揚げたものですね。
少しややこしいですが、頭に入れておけばイギリスを訪れる際に混乱しなくて済みそうです。ぜひ、覚えておいてくださいね。

いかがでしたでしょうか
ひと言で「揚げもの」といっても、その種類はさまざま。それぞれ定義もきちんと定められているので、覚えておけば日本ではもちろん、海外を訪れた際に足を運んだレストランできちんとメニューを選ぶことができますよ。



ちなみに、ベニエと天麩羅の違い
ベニエは小麦粉に卵黄、牛乳(もしくは水)を加え更に泡立てた卵白を加えた衣で揚げます。要するにフリッターです(フランス語でベニエ)
天ぷらの衣は小麦粉に卵、水を加えた物。卵白を泡立てて加えるかが一番の相違点です



フリッターと天ぷらの違い
材料がかなり違いますフリッターの衣は卵の白身、薄力粉、牛乳、サラダ油、塩で作ります。卵白以外を全てしっかりと混ぜてしばらく寝かせ、後から卵白を泡立ててメレンゲを作りさっくり泡がつぶれないように混ぜたら衣の準備完了粉をしっかり混ぜているし卵白を使うから分厚くてふっくらした揚げ衣になりますこれに対して天ぷらの衣は玉子(全卵)、水(よく冷やす)、薄力粉です。水と玉子をよく混ぜ合わせた物に粉を入れ、少しだけ混ぜます。よく混ぜるとサクッとした軽い仕上がりになりません

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