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2017年11月25日

松風焼きの少し寂しい由来

料理には様々なネーミングのものがありますが、和食の場合は日本らしい名前がついているものが多いです。松風焼きと言っても、由来は名前からは連想しにくいですねひみつ
松風焼き(まつかぜやき)とは和菓子の松風のような見た目をした料理のことで、おせちにもよく使われていますナイフ&フォーク
おせちを食べる機会が多いお正月には、重箱を開けると必ず松風焼きがあるので印象に残っている人も多いと思いますニコニコ

松風焼きの少し寂しい由来

松風と呼ばれたり鳥肉が使われている場合には鳥松風などとも呼ばれています。作り方はとっても簡単で、一度にたくさん作っておくことも可能なのでおかずとして使ったりおつまみに使われています。今日は はそんな松風焼きの意味や由来、作り方についてご紹介したいと思いますお得

松風焼きは和菓子の松風のような見た目をしていると言われますが、和菓子は味噌松風と呼ばれ京都の名物焼き菓子の一つとなっています。小麦粉に砂糖や卵を加えて、それを水で割り更に味噌を付け足してそれからよく発酵させたお菓子で厚焼き玉子のようなカステラのような非常に食べ応えがある焼き菓子です。

料理でいう松風焼きとは、挽肉やすり身の肉に調味料や卵などを混ぜて表面には青海苔や胡麻などをまぶして焼いたもののことです。本来は、仕上げとしてけしの実を表面にまぶして焼いて出来上がりになるのですがけしの実よりも手に入れやすい白胡麻が使われることが多いです。肉に鶏を使ったものは鶏松風や鳥松風などとも呼ばれたりします。ですが、必ず肉ではないといけないわけでもなく魚のすり身が代わりに使われることもあるなど幅広いバリーションがある食べ物でもあります。

おせちには、黒豆や紅白の蒲鉾、栗きんとんや海老など色々な食材が少しずつ盛り込まれていますがそれぞれに健康長寿だったり金運だったり、子だくさんだったりと縁起に良い意味が込められています。

松風焼きは、表面にだけけしの実がパラパラとまぶしてあるので裏には何もない状態になりますよね。その姿から、裏には何もない、隠し事のない正直な生き方が出来るようにという意味があると言われています。

松風焼きの少し寂しい由来

松風焼きの由来について…松風焼きという名前が付いたのは、由来には諸説あるのですが能の松風という話に由来しているという説が有力です本

その昔、平安時代まで遡りますが在原行平という男性と恋に落ちた松風という女性が居たそうです。二人は、須磨の浦の浜辺で最初に出会ったのですが束の間の幸せはすぐに過ぎてしまいその男性は急遽都に戻らなくてはいけなくなり、そこで二人は離ればなれになってしまいます。

松風はもう二度と会えないかもしれないと気付きながらも、須磨の裏の浜辺にそびえ立つ一本の松の木を男性に見立ててずっと踊り続けたそうです。この様子は松風(待つ風)ばかりで浦寂しいと表現され、上の表面部分だけトッピングをして裏の部分は何もない(裏側は寂しい感じがする)料理を松風と呼ぶようになったそうです。

また、同じ能の松風の説でもう一つあるのが在原行平という男性は光源氏のモデルになったと言われる貴公子で何らかの処罰を受けて須磨の地に飛ばされてしまったという説もあります。

そこで、海女の美しい女性である松風に出会ったのですが二人は身分が違い過ぎて恋が実ることはなく結ばれることはなかったそうですめそめそそれでも、その後都に再び戻されてしまった在原行平を嘆き悲しみ、松風は彼が帰るのをただひたすら待ち続けたということです。

どちらにしろ、二人は最終的には結ばれることなく松風は寂しさに耐えながらひたすら在原行平の帰りを待っていたという非常に切ない恋物語なんですねえーん

この松風焼きはおせちにも使われる料理ですが、縁起が良いおせちになぜそんな寂しい感じの料理が使われているのかというと裏が無いことから隠し事など悪いことがないという意味になります注目そして、この先一年また真っ直ぐに生きられるようにという願いも同時に込められているんだそうです。

また、それ以外には新撰組の副長だったことで知られる土方歳三が鳥羽伏見の戦で敗れた時に江戸に戻る前に立ち寄った大阪の料亭で、勧められたのがお茶とお菓子の松風焼きだったという説もありますパソコン

それ以外にも、織田信長と石山本願寺の勢力が戦った石山合戦で兵士たちの食料として活躍したのが松風焼きだったという説もあり松風には色々な由来があるんですねびっくり

松風焼きの少し寂しい由来

松風焼き…雨や風に耐えて寿命が長いおめでたい松の木にちなんでおせち料理として食される。表面にケシの実や胡麻をたっぷりのせる。しかし裏面には飾りがない。つまり「裏寂しい」これを「浜の松風浦さびしい」にひっかけた命名。末広(鉄扇)にカットしたものは正月料理の口取り。 前菜などにも使われる。鶏ひき肉で作ることが多く、これを「鳥松風」と呼ぶ。

松風焼き(鶏)
けしの実をふって焼いたものを松風焼きと言います。けしの実が入手できない場合は白胡麻で代用できます。般的に鶏のひき肉を使用しますが、生地は魚のすり身などでもかまいません。

鳥松風(鶏のひき肉を使った松風焼き)
① 鶏のひき肉は用意した半量を酒少々で炒りつけます
※半分を炒っておくと焼いた時に縮まるのをおさえる効果があります
② 残りのひき肉半分と混ぜてすり鉢かフードプロセッサーへ
味噌・砂糖・醤油・卵黄を入れて粘りが出るまで混ぜる
② 長方形の型に薄く油を塗り180度のオーブンで焼く
型の厚さで焼き時間は加減
1センチ程度なら10分で火が入る
3センチくらいあれば25分くらい必要
途中で1度出して上からけしの実をふりかけておく

★冷めてから切り分ける
★卵焼き器でも焼けます
地を入れたら弱火にしてフタをして焼き、ほどよく焼き色が付いたら返して裏も焼きます。
★切り方
そのまま長角に切り揃えても様になりますが、正月ですので縁起の良い扇形に切りましょう。横にして右の方から赤線のように切るだけです。
さらに竹串を打てば雰囲気と食べやすさがアップしますアップ田楽串や鉄砲串などがよいですが、のし串なら祝い事にぴったりですOK

イカの松風焼き
イカに縫い串を打ってウニ焼きにする。ウニには卵黄を加える。
乾かすように焼きあげて末広に切ってケシの実や胡麻、青海苔などを振って飾る

松風焼きはおせちに登場する料理としての知名度がありますが、毎日のおかずとしても食べやすく気軽に作れるので普段の一品としてもおすすめですまるとく(おせちは基本的にお正月以外はあまり食べる機会はないと思います。ですが、松風焼きは手に入れるのが難しい食材も特になく、けしの実くらいなのでそこは白ゴマで代用が出来ますし日々の食事にも生かせます)おすまし


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