幕末に土佐を治めた大酒飲み山内容堂公の雅号に由来した名のお酒
酔鯨酒造は高知市長浜という桂浜の近くにある蔵元で、その名前は幕末に土佐を治めた、山内豊信(容堂)公の雅号「鯨海酔候」に由来しているのだそうです。
坂本龍馬など、たくさんの偉人を輩出した幕末の土佐。その土佐を治めていた山内豊信公(容堂)は酒をこよなく愛し、自らを「鯨海酔候」と名乗り、「昨日は橋南に飲み、今日は橋北に酔う、酒あり飲むべし、吾、酔うべし」と謳ったほどの大酒飲みでした。
どのくらい酒飲みだったかというと、この容堂公、外出の際お酒を入れた赤ひょうたんを腰から離したことがなかったと伝えられており、その赤ひょうたんは今も山内家に残されているそうです。
土佐の高知は、四国山地の連峰を背に、黒潮おどる太平洋に面する豪快な酒の国です。緑と海と太陽と、豊かな自然に恵まれた南国土佐は、維新の英傑・坂本龍馬を始め幾多の偉人を輩出してきました。仁淀川の伏流水を仕込み水に、高品質のお酒を造っていて、この水は、塩味のある引き締まった酒質になる水なのだそうです。吟醸酒の評価が高く、華やいだ香りで、淡麗な香味に、しっかりと息づいています。まさに土佐酒らしい辛口のお酒です。
酔鯨でもっともポピュラーな純米吟醸酒の中で「純米吟醸 吟麗 しぼりたて」は季節限定商品です。松山三井を精米歩合 50%まで磨き、純米ゆえにその良さを十二分に引き出した会心の生一本。口の中に広がる果実香、酔鯨独特の爽やかな酸味、フレッシュな風味と、生酒らしい力強い味わいが特徴です。冬の始まり、酒造りの始めに仕込むことから発酵が旺盛になり、酸度が高めの新酒に仕上っています。
料理と幅広い相性を示す食中酒「
酔鯨吟麗 しぼりたて」軽やかな味わいが特徴の季節限定、生酒(12月初旬~2月末)
福井県産「五百万石」を50%まで磨き上げたお酒です純米吟醸生原酒ならではの味の深さ、香りの多彩さリンゴ酸の爽やかな酸味とキレの良さ、食中酒としておすすめの絶品です。
使用米:五百万石、 原料米産地:愛媛、 精米歩合 50%、日本酒度:+6、酸度:1.8、アルコール度数:17~18%
土佐の風土に根ざし、その環境があるからこそ育まれてきた土佐のお酒です。
土佐の食文化は豊富な海の幸、山の幸により育まれてきました。黒潮によりもたらされる鰹はもちろん、豊かな海産物、様々な山の幸は、季節ごと様々なお料理となり食卓を飾ります。その多くは、素材の良さを生かした料理です。
土佐の宴会には欠かせない料理、それが皿鉢料理です。皿鉢料理とは海、山の素材を使い作った料理を一つのお皿に盛り付ける宴会料理の一つです。刺身から天婦羅まで、大きなお皿に盛られた料理に合わせてお酒を楽しみ、会話を楽しむというのが土佐の宴会です。こんな食文化、宴会文化がある土佐では、酒の味わいは、自然と「料理に合わせた味わい」、「料理を引き立てる味わい」が求められるのです。
酔鯨の味わいも、この料理との相性がよく、食事とともに楽しめる「食中酒」です。土佐のお酒は、料理に合わせたもので、あくまでも料理が主役となり、「旨みが有りながらもキレが良く、香りおだやかな」お酒が造られます。吟醸酒においても、おだやかな香りと後味のキレ(ほどよい酸味)を大切にし、料理の良さを引き出しながら杯を重ねられるお酒に仕上げているのです。
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