寒い時期に旬を迎える葉茎菜(その3)
寒い時期に旬を迎える葉茎菜第3弾は、「ゆきな」と「大和まな」を紹介します
「ゆきな」は寒さが厳しくなると耐寒のために葉を縮めて糖分を蓄えます。葉が縮んだゆきなを「ちぢみゆきな」と呼びます。「ちぢみゆきな」は甘味が増すことで、ほろ苦味と程よく調和し、ゆきな独特の風味が出ます。
アブラナ科アブラナ属の一年草で別名、セリホン、葉カラシナ、遅菜(チイサイ)とも言います。元々は中国野菜で、中国語名は雪里菜(シュエ・リー・ツァイ)、雪菜(シュエ・ツァイ)。ちぢみ雪菜は、本来葉がストレートな雪菜を宮城県の仙台近辺で栽培しているうちに、葉が縮む品種となったそうです(ターサイの変異種と言う説もある)
主に宮城県で栽培され、11月から3月の間に主に関東から東北に出荷されています。
【特徴…食べ方】
炒めもの、または茹でて食べるのに適している。 日本料理のお浸しも良いし、白和えにも良いのですが、他の青菜と比べ、意外に火が通りにくいので注意して下さい。汁ものにも使え、スープに青臭さは出にくいです。独特のほろ苦さはあるものの、苦味は強くなく、火を通すと甘味が増します。
青菜としては、青臭さのクセはなく、他の食材と無難に相性が良い。魚介類、肉やベーコン、ハムとも良く合う。
インド料理だと、スパイシーに味付けして炒めるサーグにも適している。
通常の青菜と同じく、数日しか保たず、黄色っぽく変色するので、購入してすぐに使わない場合は、下茹でしたり、炒めて冷蔵庫で保管した方が良いです。
「大和まな」は、アブラナ科の野菜で、畑菜(ハタケナ)などと同じく漬け菜(ツケナ)と呼ばれる物の一種です。
漬け菜というのは、古くから漬物に使われてきたことからそう呼ばれるようになったもので、コマツナやシロナなど結球しないアブラナ科の葉物野菜の総称となっています。
この大和まなは、そうした漬け菜の中でも古い品種で、かつては、アブラナとして採油目的として栽培されていたものが、漬け菜として利用されるようになったそうです。そうして奈良では古くから栽培され、親しまれてきた野菜ということで、2005(平成17)年に「大和の伝統野菜」として認定されています。
大和まなは、収穫した後すぐに葉が黄色く変色してしまいやすいという欠点があるため、これまで産地での自家消費にとどまっていました。この地方では霜が降りる冬に甘味が増した大和まなを油揚げと共に煮浸しにした「菜っ葉とおあげの炊いたん」が古くから家庭料理として親しまれてきました。
調理法…煮物、漬物、おひたし等 、生産地…大和高田市、宇陀市他
現在いくつかの品種が栽培され、赤まなと呼ばれる茎葉に赤みが入っているものもあります。
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