コンフィチュールとは?ジャムと何が違う?

きくいち

2020年08月02日 08:18

コンフィチュールって聞いたことありますかなんとなく聞いたことはある気がするけど、どういったものか説明はできない
ジャムのようなものということは知っているけど、どう違うかまではちょっと、という方も多いのかもしれません。

今日はそんな疑問をすっきり解決コンフィチュールとはいったいどういうものなのか、ジャムと何が違うのかを紹介します



コンフィチュール(confiture)はフランス語の単語で、語源は「コンフィット(confit)」「砂糖や酢、あるいは油などに漬けた」という意味からきています。よって、食材の状態や形状のことではなく、「食材を保存すること」を目的としています



一方、よく混同される「ジャム」は「ぎっしり詰め込む」という意味合いがあるそうです。例えば交通渋滞のことを英語では「トラフィックジャム」ということからも、ぎゅうぎゅう詰めニュアンスがあることがわかります。ジャムはコンフィチュールと違って、凝固した形状であることが一つの条件なのです

ジャムとの違い…パンに塗りやすいのがジャム
例えば、パンに塗る場合は、コンフィチュールよりもより凝固した形状であるジャムの方が塗りやすく、食べた際に手やお皿を汚してしまう心配がありません。トーストに塗って、手や洋服に垂れてしまっては困りますよね。一方、コンフィチュールはジャムと比べるとさらりとしているため、アイスやヨーグルトなどにかけて食べるのがオススメです



作り方の違いは
コンフィチュールは砂糖で果汁を浸出させ、果汁だけを煮詰めた後に果肉を漬けるのが一般的な製法です。そのため、ジャムと比べてフルーツの形状がかなり残されているものが多々あります。

さらに、仕上げに野菜やナッツ、香辛料やハーブ、リキュールなど、フルーツ以外の要素を加えたものが多いのも特徴です。甘さもジャムよりも抑え気味で、よりフルーティーな風味を楽しめる保存食といった面が強いですね。

一方、ジャムは、果実、野菜、花弁に砂糖などを加えてゼリー化するまで加熱したもの、と定義されていて、果肉は溶けて小さくなっているものが多いです。しっかり煮詰めてとろみを出すことも目的としています。

ちなみに、このジャムの特徴であるとろみはフルーツに含まれる「ペクチン」という成分の影響です。ペクチンとは、食物繊維の一種で、植物の細胞をつなぎあわせる接着剤のようなものなのだとか。水に溶け出して、糖や酸と一緒に加熱されることでとろみがつく性質があるようですよ。



要するに、かなり似てる
このように、ジャムとコンフィチュールには語源の違いと保存性、形状に違いはあるものの、使い方は似ていることがわかりました。

どちらもマフィンやパンケーキ、パウンドケーキなどの焼き菓子にかければ彩りもアップし、おもてなしに最適です。他にも紅茶やハーブティなどのホットドリンクに混ぜたり、氷を入れてソーダ割りにしたり、夏にはかき氷にかけたりするのもオススメです

また、意外にも料理の風味付けや隠し味として使われていることもあるのだとか。バルサミコ酢やオリーブオイルと合わせてフルーツドレッシングにすれば、いつもと違った味わいを楽しむことができます

マーマーレードとの違いは
甘いジャムと言って思い浮かべるものの一つに、マーマレードがあるのではないでしょうか。日本ではマーマレードとはジャムの一種で、オレンジやグレープフルーツ、ゆずなどのかんきつ類の果物を原料にしており、さらにその皮が入っているものを「マーマレード」と分類しているそうです。

しかし、マーマレードはポルトガル語のmarmelada(マルメロの砂糖煮)という言葉が語源になっているのですが、日本とは意味合いが異なっているのだそうです。というのも、ヨーロッパでは柑橘類を使ったジャムに限らず、果肉が多くて皮が入っている濃いジャムのことを「マーマレード」と呼んでいることが多いのだとか私たちはどうしてもマーマレードというとオレンジ色でオレンジの皮が入っているものを想像しますが、言葉の語源であるヨーロッパでは違うのですね

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