充填豆腐と、ほかの豆腐との違い

きくいち

2021年06月29日 09:08

豆腐には木綿豆腐、寄せ豆腐、絹ごし豆腐などさまざまな種類がありますが、充填豆腐とどう違うのでしょうか今日は、それぞれの特徴や製法を紹介します

木綿豆腐


◎特徴・由来
もっとも身近な昔からある豆腐です。成型する型箱の中に木綿の布が敷かれていて、豆腐の表面にその布目がついていたことから、この名前で呼ばれるようになりました。豆腐の中でも比較的しっかりした食感があるのが特徴です。

◎製法
熱した豆乳に、にがりなどの凝固剤を入れ、かくはんして一定時間をおきます。ある程度固まったら、あらかじめ、もめんの布を敷いた三方に穴のいた箱型に流しこみ、布で覆ってフタをし、上から重しを乗せて圧力を加えます。これで豆腐が成型されます。
成型された豆腐を水にさらし、一定の大きさに切り分けると、 木綿豆腐ができあがります。その後、日持ちをよくするために水槽の中で豆腐の芯まで冷却し、冷蔵庫に保管・出荷という流れになります。

寄せ豆腐(おぼろ豆腐)


◎特徴・由来
木綿豆腐の工程の中で、型箱に入れる前の状態のものを容器に入れ、製品にしたもの。豆腐を凝固させるまでの過程を「寄せ」といい「寄せ豆腐」という名前はここに由来しています。別名の「おぼろ豆腐」は、おぼろ月夜のもやもやとした状態に似ているからという説があります。昔は豆腐屋さんが客の持参した丼などに盛って渡していましたが、近年はプラス チック容器の普及などにより、スーパーなどで手軽に買えるようになりました。

◎製法
凝固させるまでは木綿豆腐と同様ですが、型箱での圧搾や水さらしをしないのが特徴。寄せたまま、つまり凝固させたままの状態なので、木綿豆腐とはひと味違う、口当たりの良さや風味が楽しめます。

絹ごし豆腐


◎特徴・由来
やわらかく、なめらかな豆腐です。木綿に対して絹のように、あるいは絹の布で漉したようになめらかで、きめ細かい肌目をしていることからこのように呼ばれていますが、実際には絹で漉しているわけではありません。

◎製法
木綿豆腐と違い、寄せ桶の中でのかくはんや型箱での圧搾を行わないのが特徴。熱い豆乳を、凝固剤を入れた穴のない型箱に一気に流し込みます。その流し込みの勢いで凝固剤が均等に混ざり、そのまましばらく置くと凝固してきます。その後の型出し、水さらしなどのプロセスは、木綿豆腐と同じ。圧搾をしないため、濃い豆乳を使って成型されます。
また、木綿豆腐と絹ごし豆腐の中間のやわらかさとなめらかさをもつ「ソフト豆腐」という種類もあります。木綿豆腐の工程中、崩しや圧搾を少なくして仕上げたもので、味わいは木綿豆腐と同じですが、近年の“やわらかさ嗜好”に応じて、このような仕上げが増えてきました。ただし木綿豆腐の一種なので、特に表示をしないのが一般的です。

充填豆腐のメリット


充填豆腐の最大のメリットは、なんといっても日持ちのよさ。豆乳を充填・密閉したあとに加熱・凝固させ、その間に殺菌が行われるため、ほかのカット豆腐に比べて消費期限が長くなります。

「日持ちがするということは、保存料が入っているのでは?」と思われがちですが、一般的な充填豆腐の原材料は、大豆と凝固剤のみ。日持ちがするのは製造工程のおかげなんです。

また、赤ちゃんのいるご家庭にとってのメリットは、離乳食に向いていること。プラスチックのスプーンでも簡単にペースト状にすり潰せます。製造過程で加熱による殺菌がされているので、衛生面でも安心。3個パックなどのミニサイズの充填豆腐は、必要な分だけ使えるのも便利です。

充填豆腐をおいしく食べるコツは


充填豆腐は絹ごしタイプなので、絹ごし豆腐と同じ使い方ができます。おいしく食べるコツは、調理前にしっかり水切りをすること。余分な水分を減らすことで、できあがった料理の味が薄まるのを防げます

重しをして水切りする方法もありますが、やわらかい充填豆腐は崩れやすく、置いておく時間もかかるため、ここでは電子レンジを使った時短の水切り方法をご紹介します
1.豆腐をキッチンペーパーで包む。
2.耐熱皿において電子レンジで加熱する。500wの電子レンジで2分50秒ほど。600wならば2分30秒ほど。
3.庫内から出し、冷まして水気を飛ばす。

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