24年ぶりの金メダル・師を超えた小林陵侑
北京五輪のスキージャンプ男子個人ノーマルヒル決勝が昨日行われ、2大会連続出場となるW杯通算26勝の日本のエース小林陵侑選手が1回目104.5m、2回目99.5mの計275.0点で金メダルを獲得しました
ジャンプ男子の金メダルは、1998年の長野五輪ラージヒルの船木和喜選手以来、24年ぶりノーマルヒルでの金メダルとなると、当時70m級と呼ばれていた1972年の札幌五輪で表彰台を独占した際の笠谷幸生以来となり、しかも、その日が50年前の2月6日という運命的な巡り合わせだったのです
小林選手が世界にその名を知らしめたのは、2018年から2019年にかけてのシーズンでした。表彰台の経験がなかった前のシーズンから一気に急成長を遂げてワールドカップで13勝を挙げ、スキージャンプ男子では日本選手初の総合優勝を果たしたのです
その急成長ぶりはジャンプの人気が高いヨーロッパの人たちに「別の惑星の人間」と表現されるほどの衝撃を与えました
今シーズンのワールドカップでは「オフの夏から続けてきた良いジャンプのイメージがかみ合っている。だめでも次の試合までには修正できている」と自信を示し、年末年始恒例の「ジャンプ週間」でも日本選手初の2回目の総合優勝を果たしました。さらにオリンピックまでに出場したワールドカップ16戦のうち半分近い7勝を挙げました
金メダル候補として迎えた北京大会では大きな期待がかかっていたものの、小林選手は「今のところあまり考えていないのでプレッシャーはない。飛んだことのないジャンプ台なので楽しみ。ヒルサイズくらいのビッグジャンプを飛びたい」といつもの言葉を発して2回目の大舞台に臨みました
自然を相手に日々、状況の変化に対応しなければならないジャンプ競技本番も変わらぬマイペースで臨んだ小林選手が24年ぶりの金メダル獲得という快挙を成し遂げました
テレビのコメンテーターとして歴史的なジャンプを見守っていた葛西氏は愛弟子のジャンプの歴史を再び動かした金メダルの快挙に号泣していました
小林選手の「伝説の五輪」はまだ始まったばかりです。今日7日には、混合団体があり、12日には個人ラージヒル、14日には男子団体が控えています。最大で4冠の可能性がありますが、最も2冠目に近い個人ラージヒルでは、ノーマルヒルで後塵を拝した欧州のライバル達がリベンジに燃えてくるでしょうでも、小林が「自分のジャンプ」を貫くことができれば、2つ目の金メダルは手に入と思います心豊かに「令和の鳥人」が伝説へ飛翔します
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