北鎌倉を代表する禅寺

きくいち

2023年06月03日 08:12

北鎌倉駅を降りると、そこは円覚寺




鎌倉五山第二位のその格通りいまもなお鎌倉有数の巨刹で、北鎌倉では建長寺に並ぶ観光スポットで人が絶えません




円覚寺 三門 山門
見ごたえのある印象的な三門は、夏目漱石「門」の舞台にもなりました。開基は鎌倉時代の名執権、北条時宗。モンゴル帝国(元) の侵略戦争「元寇」に際し、戦没者の菩提を弔うために1282年(弘安5年) に開かれたお寺です。国宝の舎利殿や洪鐘(おおがね) 、季節の花々、座禅会も随時開催され見どころ満載のお寺



円覚寺の総門。北鎌倉の玄関
北鎌倉を降りわずか1分、すぐに円覚寺の総門が現れます。普段は北鎌倉の待ち合わせポイントとして大いに賑わうほか、秋になると門前は鎌倉でも有名な紅葉スポットであり、多くの観光客が吸い込まれていきます。

総門から石段を上がると堂々たる山門が現れます。円覚寺を象徴する建造物です。1783年に再建。「円覚興聖禅寺」の額は伏見上皇(書道の伏見院流の祖)によるもの。

この門は三解脱さんげだつ(空くう・無相むそう・無願むがん)を象徴するといわれています。煩悩を取り払い涅槃・解脱の世界である仏殿に至る門とされています。



仏殿の宝冠釈迦如来



絢爛な装飾。威風に満ちた佇まい
仏殿に鎮座する巨大な本尊、宝冠釈迦如来。宝冠と胸飾りをまとうおごそかな姿は圧巻です。頭部のみ鎌倉時代の作品。胴体は焼失し江戸初期に補造。華厳経の世界を説く姿から華厳の釈迦(盧遮那仏)とも言われています。
堂外からも見えるその姿は近づくとその大きさに圧倒されます。遠く方はいかつく見える表情ですが、近くで拝見すると張りに満ちた慈しみをたたえた美しいお顔です



円覚寺 方丈



美しい庭園を持つ方丈。中に上がることもできるので円覚寺の中でも人気の場所です。本来、方丈は住職の居住区画ですが、「宝物風入」をはじめとする各種イベントの多目的ホールのように使用されています。



妙香池(円覚寺)



円覚寺 舎利殿




鎌倉で唯一の国宝
舎利殿は、鎌倉唯一の国宝建造物。源実朝が宋の請来した「佛牙舎利」というお釈迦様の歯が祀られています。普段は一般公開していませんが、年に一度風入れの時には公開されます。

洪鐘(国宝9と弁天堂



仏殿の脇の山に続く急な石段を上がると、洪鐘と弁天堂を見学することができます



洪鐘鋳造に成功した北条貞時は、江ノ島にあった弁財天に感謝をして、円覚寺にも弁天堂を建立。江ノ島の弁財天とは夫婦弁天と呼ばれています。



建長寺の梵鐘とともに国宝に指定されている円覚寺の洪鐘(梵鐘)
1301年(正安3年)、北条貞時が国家安泰を願い寄進、鋳造をしたのは物部国光。形が雄大でありながら、細部まで緻密に作り込まれ、技法も洗練されています。国宝に指定され、鎌倉時代後期を代表する梵鐘です。とても大きな鐘のため二度の失敗しましたが、北条貞時が江ノ島の弁財天に祈願したことで三回目の鋳造で成功したと言われています

仏殿の脇の山に続く急な石段を上がると、洪鐘と弁天堂を見学することができます



国宝洪鐘を後に、円覚寺に別れを告げ、いざ鎌倉に

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