岐阜県民なら知っている。幻のハム「明宝ハム」

きくいち

2024年08月28日 09:22

名古屋ついで、ではありませんが同じ東海地方
先日行った岐阜の話題も紹介しますね

東海・中部地方を中心に幻のハムと呼ばれている製品をご存じでしょうか
「明宝ハム」がそれです。岐阜県郡上市にある明宝特産物加工株式会社が製造するプレスハムで、国産豚肉を100%使用し、保存料未使用で添加物も極力使用していないことが特長です。地元ではスーパーにでも流通している製品ですが、わずか360gなのに1,000円近い値段のする、ちょっとした高級品。そのため、スーパーに売られていながら、一般庶民の家庭の食卓においては、たまの贅沢品として食することができる商品です



ちなみに、プレスハムとは小片の肉塊を塩漬けにして寄せ集め、加熱処理を施されて作られたハムのこと。家庭で食べるハムといえば、ロースハムやボンレスハムが主流ですが、プレスハムは昔ながらの製法で作られたもの。今だとハムというよりもソーセージ寄りの食品。さらにこちらの商品は、この昔ながらの製法のハムを肉の解体から包装まですべての行程において手作業で生産を続けている商品です。機械生産のように大量生産ができない稀少さからも幻のハムと呼ばれているようです



しかし、実は地元ではこの製品と並んで「明方ハム」というのが存在していますこちらも同じく岐阜県郡上市の「めぐみの農協」が製造している商品。全国展開している「明宝ハム」よりも知名度が薄いため、模倣品のように思うかもしれませんが、その発祥は実は同じものなのです

「明宝ハム」も「明方ハム」も、もともとは岐阜県郡上郡奥明方村の奥明方農協加工所で「明方ハム」の名称で生産が開始されました。しかし、事業拡大のため、当時の郡上農業協同組合が就業人口の多い郡上市八幡町への工場移設を決定。これに反対した明方村が第3セクター方式で新工場を設立して製造を開始したのが「明宝ハム」なのです



実食してみたところ「明方ハム」のほうが、若干塩気が強め。「明方ハム」にだけ塩漬けの工程があるとも言われているので、それが微妙な味の違いを生み出しているのかもしれません。どちらがおいしいかというと…好みの問題。合わせるほかのお料理や飲み物によっても相性があると思います。個人的には、そのまま食べるなら「明宝ハム」ですが、ビールなどアルコールとのおつまみには「明方ハム」のほうが合います



ちなみに、いずれももちろん焼いたりして食べることができますが、そのまま食べるのもソーセージに近いので厚めに切ってお肉代わりにお料理に使用するのもアリです

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