朝飯、酒の共にぴったりな干物

きくいち

2011年02月22日 11:36

和食において、ご飯、味噌汁、漬物、卵焼き、海苔と並んで朝食には
欠かせない一品が魚の干物です。
干物は魚が豊富に捕れる地域で行われる加工法であり、日本のみならず
世界各国で作られていますし、生魚と比べて保存性があることから全国の海辺では
土産品としてよく使われています。

当店でも色々な魚を干しますが今回は、目光キスを干しました。



干すことで表面に固い膜を作り、保存性が高まり、独特の食感と
それに伴う食味が生まれるのです。
身を開き、内臓を取り除いてから干す加工法が一般的ですが、鰯など小型の魚は
そのまま干して「丸干し」にすることがよくあります。

干物は、素材を乾燥させる風が重要であり、適度な湿度や温度などが必要とされます。
また、夏場は日光に当てると煮立ってしまうため日陰干しにする場合があります。
今の時期は風が強く、天日干しは、1時間程度干すだけであとは日影で2、3時間干せば完成です。
遠州地方は風も強く気温、湿度からいって干物には適している土地なのです。

魚によって乾燥度の高い物のほうが保存性は高いのですが、身は硬くなります。
完全乾燥したものは乾物として取り扱われています。

干物のほとんどは天日乾燥が基本ですが、最近では虫付きを防ぎ乾燥を早めるため
つり下げた魚を回転させる干し台が作られていますし
工場など大量生産などを行う所では人工乾燥機が使われており、生干しでは水分を保つため
低温の乾燥機を使うこともあるようです。
乾燥する時に魚をセロファンで包む方法は、特別に文化干しと言われています。
最近では青色などのネットでできていて、中が数段に仕切られている干物ネット
ドライバスケット)は、主に家庭での干物作りに利用されているようです。

今の時期、脂の乗った目光とあっさりとした旨味のキスを干す事によって
凝縮された上品な味になりました。
朝食の共として食べるだけは勿体無い事です。
是非お酒の共として当店の干物をご賞味下さい。


 
干物と共に自家製スルメイカの塩辛もおすすめします。 

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