シラウオとよく混同される魚…シロウオ

きくいち

2013年02月20日 10:46

シラウオとよく混同される魚としてシロウオがいます。
シロウオも半透明な身体で、体長5~7㎝程度と大きさ的にもシラウオと似通っていて、春先に河川を遡上する点や食用になる点などよく似た点があります。しかし、シロウオはハゼの仲間で、アユやシシャモの仲間であるシラウオとは、全く異なる魚なのです。漢字ではシロウオは素魚、シラウオは白魚と書きますが、地方によっては、シラウオ(白魚)をシロウオと呼んだり、シロウオをシラウオと呼んだりと混称されています。 


【素魚(シロウオ)…スズキ目、ハゼ科】

ハゼの仲間で、ハゼ独特の吸盤状の腹ビレがあります。この魚独特の楽しみ方といったら何と言っても博多の名物、踊り食いでしょう。生きたシロウオを大きなドンブリ鉢に泳がせて、すくってウズラの卵を落とした三杯酢でつるりとやる。体長は4cm程で、春先に産卵のために川に上るものをとるため、躍り食いは春の風物詩となっています。


 
イサギ、ドロメ、シラウオ、イサダ、ギャフ、シラヤ、ヒウオの別名があります。
料理法はシラウオもシロウオもほとんど同じでして、椀種、酢の物、和え物、煮物、卵とじ、天婦羅、掻き揚げ、寿司の軍艦等。熱々のご飯に、濃い出汁で似た白魚をツユごと混ぜ込み蒸らす白魚飯もあります。
 
ついでにシラスのことも少し書いておきます。

【白子(シラス)】
シラスは煮干やめざしなどでお馴染みのカタクチイワシ(片口鰯)の稚魚です。しらすおろしやたたみいわしで酒のみが一番世話になってる魚です。また、他の魚でも半透明になっている稚魚全般を一括して「シラス」と呼ぶときもあります。
このシラスの旬(漁期)は、3月から11月まで、しかし最近は冷凍技術の進歩にともない。急速冷凍された生食用の生しらすが少ないながら年中出回ります。

ただ、その日に揚がった生シラスには到底およびません。生で食べるのであれば、やはりその日のものを選びたいですね。ご存知、乾きもんのたたみいわしは、この生しらすを木枠に貼った目の細かい網で、漉いて天日干ししたものです。 


 
「加工の違いで呼び名が変わるしらす」
釜あげ…シラスを塩水で茹でて、笊などに上げて冷風で粗熱をとっただけのもので、日持ちは1~2日
しらす干し…シラスを塩水で茹でて、笊などに上げて冷風で粗熱をとり水分60パーセントほどに干し上げたもので、日持ちは7日前後 
ちりめん…シラスを塩水で茹でて、笊などに上げて冷風で粗熱をとり水分40パーセント前後に乾燥させたもので、日持ちは5~10日

シラウオにシロウオ、そしてシラス…春の味を食べ比べてみて下さい

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