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2017年03月21日

牡丹餅とお萩…あんころ餅

昨日の春分の日はどのように過ごしましたか!?
お彼岸と言うと、お墓参りをし、仏様にぼたもちを供え、我々もお下がりを頂きますよね。しかしあれは「おはぎ」だと言う人、地方もあります。そこで「ぼたもち」と「おはぎ」の違いについてとりあげてみました。

「ぼたもち」と「おはぎ」の違いは…本
春のお彼岸に食べる物を「ぼたもち」と言ます。ぼたもちと言う名前になったのは春の花「牡丹」のように大きく丸い事から牡丹餅(ぼたもち)となったと言われて います。そして、秋のお彼岸に食べる物を「おはぎ」と言います。秋の萩の花のようにすっきりと小さめの物になり萩を丁寧にいう「お」を付けてお萩(おはぎ)と呼ばれています。

牡丹餅とお萩…あんころ餅

お彼岸に「ぼたもち」や「おはぎ」を食べ始めたのは江戸時代頃だと言われています。なぜ お彼岸にぼたもちやおはぎを食べていたかと言うと小豆の色が「赤」だった事にあ ります。

日本で赤は自分の身に悪い事が起らないようにするまじないや、のろいの力がある色になり、魔除けや邪気を払う食べ物と先祖供養が結び付きます。 小豆は天候に左右されやすいため収穫出来る出来ない、小豆の良い悪いが年によっ て大きく変わるいつも食べる事に出来ない物になり、この時代の砂糖もとても貴重な物でした。

そのため先祖や大切な人、大事な時の一番のおもてなしの際に滅多に食べる事が出来ない小豆と砂糖、供え物やお祝いごとに欠かすことが出来ない餅と組み合わせて、「ぼたもち・おはぎ」を供え食べるようになります。

秋にできる小豆やお米を使って作る事ができる「おはぎ」保存した物をでしか作る事が出来ない「ぼたもち」春のぼたもちが「こしあん」で秋のおはぎが「つぶあん」の理由には収穫時期があります。

秋に収穫できる小豆の皮は柔らかく食べていても口に残る事が少ないのですが、保存していた小豆は皮が硬く口当たりが良くないためこし餡にして使っていました。 秋は収穫時期になるため新鮮な素材を使う事が出来る事から、収穫したての美味しいお米を使っていたり柔らかい小豆を食べる事ができ、春は保存している物を使う のでひと手間が必要になったのかもしれません。

春を「ぼたもち」秋を「おはぎ」と呼び、夏と冬の呼び方もあります。夏は「夜船(よふね)」冬は「北窓(きたまど)」と名づけられています。 夜船(よふね)とは内側の餅の部分は餅付きのように臼でつかずに作る事から、音を立てずに作る、ついた事がわからない「搗き知らず」から「着き知らず」となり、夜の船もいつ到着したのかわからない事から「夜船(よふね)」となります。「北窓(きたもど)」も餅をついている音が聞こえない事と北の窓は月が見えない事から月は見えない、「搗き知らず」と「月知らず」になり「北窓(きたまど)」とな ります。

ぼたもちもおはぎもお彼岸と結び付く事で大きく広がります。お彼岸と重なりにくい夏と冬は広がりにくく、貴重な砂糖と小豆を年4回使う事が難しかったのかもしれま せん。

ぼたもちに関しては「ぼた」と言う言葉は米を脱穀する時に、良い物と悪い物を分けられる時に出来る悪い方不良品の事を「ぼた」と呼び、良いものを「餅」現在で言うB品を「ぼた餅」と呼んでいました。

不良品のぼたもちは見た目が悪くなることから、餅の周りに胡麻餡を付けて食べられ たのが始まりだと言われています。江戸時代に季語を使う言葉遊びの際不良品の意味になる「ぼた」が牡丹と重なってしまったのかもしれません。☞「牡丹餅(ぼたもち)」の始まり

ぼたもちは地域によって「掻餅(かいもち)」「萩餅(はぎもち)」「なべすり餅」 等と呼ばれており、どちらかと言うと庶民の食べ物になり、各家庭で作り供える物に なる事から地域や場所で呼び方が違うのかもしれません。

おはぎとぼたもちには、厄除けを意味する小豆以外の物を使って作る「三色」の餡があ り、その始まりは京都だと言われています。
三色が作られてのは中国の陰陽五行説の五色「緑、赤、黄、白、黒」からだと言われ、元々はあんこ・きなこ・青のり・黒ゴマ・白あんの5色が始まりだったようです。その後各地域で使いやすい材料を使い三色になります。

牡丹餅とお萩…あんころ餅

関西ではあんこ・きなこ・青のり、関東ではあんこ・きなこ・黒ゴマになり、愛知では関東と同じあんこ・きなこ・黒ゴマなる事から愛知を境に北と南で種類が分かれます。

西の地域で青のりが残った理由は、青のりの生産地が四国になる事から手に入りやすい材であったようです。青のりはお好み焼きや焼きそばで使う青のりをイメージにするのですが、和菓子で使われる際はお茶のような香りと味の青のりを使います。関西で青のりのぼたもちやおはぎを好んで食べるのは、本当の和菓子好きや甘すぎる物が苦手な人のような気がします。三色ぼたもちやおはぎを購入して青のりを見るたびに一体誰が食べるのか不思議で仕方がありませんでした。

しかし食べてみると青のりの塩と餡の甘みがマッチしてとても食べやすいのですが、どれか一つ選ぶとしたら青のりを選ぶ事はありません。しかし青のりを選ぶ時はなぜか「大人」を感じます。

あんころもちは「餡衣餅(あんころももち)」が転じた言葉で、外側を餡でくるんだ餅を指します。ぼたもち(おはぎ)も餡でくるむため、あんころもちの一種だが、普通、あんころもちは米の粒が無くなるまで完全に潰した餅を使い、米粒が残る程度についた餅を使う、ぼたもち(おはぎ)と区別されています。このことから、あんころもちを別名「全殺し」「皆殺し」と言い、ぼたもち(おはぎ)を別名「半殺し」と言います。また、外側が餡ではなく餅で、餡を餅でくるんだ大福のようなものを「あんころもち」と呼ぶ地域もあるようですびっくり


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Posted by きくいち at 15:10│Comments(0)郷土銘品

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