2012年06月06日
植物のデンプンを精製した調理用の粉(片栗粉)
以前、唐揚の話題を載せた時に、竜田揚げと言う料理があることを書きましたが、竜田揚げは唐揚げの一種で、唐揚げという名称は食材・粉・下味の種類を問わず使われるのに対し、竜田揚げは肉などを醤油と味醂から作ったタレに漬け込んで下味をつけて片栗粉のみで揚げるものを指します。
「竜田揚げ」の名前は、小倉百人一首のうちに在原業平の歌から付けられているようで、「千早振る 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくる」とは、材料に染み込んだ醤油の色が揚げることで、紅葉のような色合いになるために紅葉の名所である竜田川に紅葉が流れる姿が連想されるからだそうです。
また旧日本海軍の軽巡洋艦「龍田」の司厨長が、唐揚げを作る際に小麦粉が無かったため代用に片栗粉を用いて揚げたことを由来とする説もあるようです。(この説から「竜田揚げ」と表記せずに「龍田揚げ」と表記する店もあるとか…)
さて今日はその竜田揚げで使われる片栗粉について少し書きます。
片栗粉は、植物の澱粉を精製した調理用の粉の一種で、近年では市販品の多くはジャガイモの澱粉が用いられています。日本の北東部の原野に自生するユリ科のカタクリの根茎からとれる澱粉であるため片栗粉と呼ばれています。現在はカタクリの自生が減少したため、性質の似ている馬鈴しょ澱粉を総称して片栗粉と言います)
片栗粉の名前の由来は2説あるらしく、
1.カタクリの花が「傾(かたむ)いた籠状(かごじょう)の花」の意味から「カタカゴ」とよばれ、この「カタカゴ」が「カタコ」→「カタコユリ」→「カタクリ」になった説
2.カタクリの葉の形が栗の子葉(しよう)に似ていることから「片栗」となった説があります。
馬鈴しょ澱粉に変わったのは、明治以降、北海道開拓とともに馬鈴しょ栽培が奨励され、馬鈴しょ澱粉が大量・安価に出荷されたことにより、片栗粉はほとんど馬鈴しょ澱粉によるものに切りかわりました。(カタクリから精製した片栗粉は、精製量がごくわずかで非常に高価です)

片栗粉を使った料理
水溶き片栗粉…デンプンは加熱により水を含んで糊化しますが、この性質を使って主に中華料理などで料理にとろみをつけるために使われます。また、病気などにより嚥下が困難な場合に、食品に片栗粉でとろみを付けて食べ易くすることがあります。
片栗粉に対して同量から2倍の水で溶くのが基本です。比率を変えると、とろみの程度が変化するので、少しずつ加え、沸騰する程度に加熱してかき混ぜるとよくとろみが付きます。(料理によって加熱の程度やかき混ぜる程度は調整する)あんかけやスープなどのため、とろみをつけるには、水で溶かしてから加えて下さい。(片栗粉のみを加えると、粉がすぐに糊化してダマになります)
揚げ物…魚や肉など、旨味や栄養を肉汁として外に出さないように材料の表面に粉を塗して使用します。(揚げ物では、唐揚げ・竜田揚げ。煮物では酢豚・治部煮などが代表的です)
その他には
いももち(芋餅)…北海道、和歌山県、高知県及び岐阜県の郷土料理です。
皮をむいて火を通した(茹で・蒸す)ジャガイモを潰し、これにジャガイモ澱粉、又は片栗粉を加えてよく練り上げ、小さな丸餅や団子状に整形し、餅と同様に焦げ目が付くまで焼きあげたもので、甘辛く味付けした醤油やバター・砂糖などを付けて食するようです。
でんぷんうどん…北海道の農村地域で古来より食される郷土料理。
小麦の麺ではなく、ジャガイモより精製されたジャガイモデンプンを用いたうどんで、白く透き通った麺と強い弾力が特徴だそうです。
豪雪うどん…北海道倶知安町の名物うどん。土産物の定番品で元々は、農家の家庭料理(郷土料理)でんぷんうどんです。発祥由来は、うどんの原料は通常は小麦粉ですが、倶知安町はジャガイモの一大産地で、小麦よりも容易に入手が可能でした。このためジャガイモから精製されたデンプンを使用する家庭料理(でんぷんかき、いももち・でんぷんうどんなど)の定番品として、古来より使用され振舞われていたようです。
農家で食されていたでんぷんうどんを、当地名産のジャガイモ「男爵」を使用して「豪雪うどん」と称しホテルで提供したのが始まりだそうで、その名称の「豪雪」は、倶知安町が北海道有数の豪雪地帯であることに由来し、さらに白く透き通った麺を雪に見立てたものだそうです。
でんぷんかき…粉を水で溶き、熱湯を注いで糊化させたもの、砂糖などで味付けをして食する菓子で、時間が経ち冷めると液状に戻ってしまいます。
皆さんも片栗を利用して、色々作ってみてはどうでしょうか…
「竜田揚げ」の名前は、小倉百人一首のうちに在原業平の歌から付けられているようで、「千早振る 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくる」とは、材料に染み込んだ醤油の色が揚げることで、紅葉のような色合いになるために紅葉の名所である竜田川に紅葉が流れる姿が連想されるからだそうです。
また旧日本海軍の軽巡洋艦「龍田」の司厨長が、唐揚げを作る際に小麦粉が無かったため代用に片栗粉を用いて揚げたことを由来とする説もあるようです。(この説から「竜田揚げ」と表記せずに「龍田揚げ」と表記する店もあるとか…)
さて今日はその竜田揚げで使われる片栗粉について少し書きます。
片栗粉は、植物の澱粉を精製した調理用の粉の一種で、近年では市販品の多くはジャガイモの澱粉が用いられています。日本の北東部の原野に自生するユリ科のカタクリの根茎からとれる澱粉であるため片栗粉と呼ばれています。現在はカタクリの自生が減少したため、性質の似ている馬鈴しょ澱粉を総称して片栗粉と言います)
片栗粉の名前の由来は2説あるらしく、
1.カタクリの花が「傾(かたむ)いた籠状(かごじょう)の花」の意味から「カタカゴ」とよばれ、この「カタカゴ」が「カタコ」→「カタコユリ」→「カタクリ」になった説
2.カタクリの葉の形が栗の子葉(しよう)に似ていることから「片栗」となった説があります。
馬鈴しょ澱粉に変わったのは、明治以降、北海道開拓とともに馬鈴しょ栽培が奨励され、馬鈴しょ澱粉が大量・安価に出荷されたことにより、片栗粉はほとんど馬鈴しょ澱粉によるものに切りかわりました。(カタクリから精製した片栗粉は、精製量がごくわずかで非常に高価です)

片栗粉を使った料理
水溶き片栗粉…デンプンは加熱により水を含んで糊化しますが、この性質を使って主に中華料理などで料理にとろみをつけるために使われます。また、病気などにより嚥下が困難な場合に、食品に片栗粉でとろみを付けて食べ易くすることがあります。
片栗粉に対して同量から2倍の水で溶くのが基本です。比率を変えると、とろみの程度が変化するので、少しずつ加え、沸騰する程度に加熱してかき混ぜるとよくとろみが付きます。(料理によって加熱の程度やかき混ぜる程度は調整する)あんかけやスープなどのため、とろみをつけるには、水で溶かしてから加えて下さい。(片栗粉のみを加えると、粉がすぐに糊化してダマになります)
揚げ物…魚や肉など、旨味や栄養を肉汁として外に出さないように材料の表面に粉を塗して使用します。(揚げ物では、唐揚げ・竜田揚げ。煮物では酢豚・治部煮などが代表的です)
その他には
いももち(芋餅)…北海道、和歌山県、高知県及び岐阜県の郷土料理です。
皮をむいて火を通した(茹で・蒸す)ジャガイモを潰し、これにジャガイモ澱粉、又は片栗粉を加えてよく練り上げ、小さな丸餅や団子状に整形し、餅と同様に焦げ目が付くまで焼きあげたもので、甘辛く味付けした醤油やバター・砂糖などを付けて食するようです。
でんぷんうどん…北海道の農村地域で古来より食される郷土料理。
小麦の麺ではなく、ジャガイモより精製されたジャガイモデンプンを用いたうどんで、白く透き通った麺と強い弾力が特徴だそうです。
豪雪うどん…北海道倶知安町の名物うどん。土産物の定番品で元々は、農家の家庭料理(郷土料理)でんぷんうどんです。発祥由来は、うどんの原料は通常は小麦粉ですが、倶知安町はジャガイモの一大産地で、小麦よりも容易に入手が可能でした。このためジャガイモから精製されたデンプンを使用する家庭料理(でんぷんかき、いももち・でんぷんうどんなど)の定番品として、古来より使用され振舞われていたようです。
農家で食されていたでんぷんうどんを、当地名産のジャガイモ「男爵」を使用して「豪雪うどん」と称しホテルで提供したのが始まりだそうで、その名称の「豪雪」は、倶知安町が北海道有数の豪雪地帯であることに由来し、さらに白く透き通った麺を雪に見立てたものだそうです。
でんぷんかき…粉を水で溶き、熱湯を注いで糊化させたもの、砂糖などで味付けをして食する菓子で、時間が経ち冷めると液状に戻ってしまいます。
皆さんも片栗を利用して、色々作ってみてはどうでしょうか…

Posted by きくいち at 10:10│Comments(0)
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