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2012年07月25日

世界一に挑戦…最後の賭け

高校野球の地区予選、ロンドンオリンピック開幕寸前と、スポーツ真っ盛りの夏。
そんな中、ビックニュースに昨日は驚きと感動の一日でした。勿論皆さんも新聞、テレビ、インターネット等でとっくに知っているとは思いますが、米大リーグのイチロー選手が、11年半所属したシアトル・マリナーズからニューヨーク・ヤンキースへトレードで移籍したのです。移籍会見では、自らチームを移る決断を球団に申し入れていたと打ち明けていました。

世界一に挑戦…最後の賭け

イチローは2000年オフにポスティングシステム(入札制度)を利用してマリナーズに入団しました。日本人野手初の大リーグ挑戦として注目を浴びた1年目に首位打者と盗塁王を獲得し、リーグ最優秀選手に輝く大活躍をして以来、チームの顔として定着してきましたし、マリナーズとは長く「相思相愛」の関係とみられていただけに、突然の移籍発表には驚きました。

リーグ屈指の1番打者として10年連続200安打を達せしましたが、安打を重ねても、チームを勝利に導くことはなかなかできず、116勝を挙げた1年目を最後にマリナーズがプレーオフに進むことはなく、最近はほとんど地区最下位でした。優勝争いから早々に脱落し、ともすれば緊張感に欠けた試合でイチローが黙々と安打を積み重ねる姿だけがが目立ってしまったのか…?

世界一に挑戦…最後の賭け

記者会見では目を赤くしてマリナーズへの想いを語ったイチロー。個人記録が余りにも偉大な反面、チームの成績は振るわず、近年はシアトルメディアで戦犯とされたり個人主義と揶揄されることも多くなっていたそうですが、彼の11年半の輝かしいキャリアを考えればむしろ彼はメジャーのお手本と言えるべき選手です。

11年半をともに過ごしたシアトルのファンは試合前、イチローがグラウンドに登場すると拍手と歓声で出迎え。1回の守備で右飛をキャッチした際には、拍手とともにブーイングも起こりましたが、スタンドには「THANKS ICHI(イチ、ありがとう)」のプラカードを掲げるファンも多く、3回の第1打席では、多くのファンがスタンディングオベーションをし、イチローがヘルメットを掲げ、ゆっくり2度お辞儀をすると、さらに大きな拍手がわき起こり、試合をテレビで見ていた私も思わず胸が熱くなりました。
会見でチームを思う一言一句はそれこそ彼の本音であり、マリナーズファンもヤンキースファンも納得出来るものだったからでしょう…。

世界一に挑戦…最後の賭け

ただ、今季で契約最終年となるイチローは、マリナーズとの契約延長を「放棄」したことで、来季以降への保証も完全になくなったのも事実です。今回のヤンキースの補強は残り3カ月間、プレーオフまでの「レンタル選手」としての意味合いが強くヤンキースからの交換要員はマイナーの2投手で、将来性が高く評価されているわけでもなく、イチローに対するヤンキースの年俸負担額も約225万ドルと言われ極めて合理的な補強であることをうかがわせます。

大リーグファンなら良く知っていると思いますが ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは費用対効果を重視するオーナーで、2009年ワールドシリーズMVPの松井ですら引き留めなかったのを覚えていると思います。

ある大リーグスカウトは再契約には「打率も3割を大きく超えないといけない」と高いハードルを設定した上で「払ったとしても来季年俸は500万ドル(約3億9500万円)前後」と、再契約するにしても今季年俸の3分の1以下でのオファーになると予想しています。 

自身の成績不振、若手への切り替えが進むチーム状況を背景に、「環境を変えて刺激を求めたい」とチームを離れる決断を下したイチロー…。バットマンとしての勲章をいくつも手にしても、ワールドシリーズには縁がなかった彼が、常勝ヤンキースの中でどんな輝きを放つのか…?今までにはなかった8番・右翼からスタートした新天地で、彼は自らの力で居場所を確保していくしかないのです。メジャー12年目のシーズン後半、38歳にしての新たな挑戦…アスリートイチロー最後の賭けなのでしょうか…?

 


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Posted by きくいち at 10:14│Comments(0)大将

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