2020年08月03日
後世に語り継がれる奇跡の復活優勝
涙はなかった。これまでの軌跡とたったいま成し遂げた偉業をゆっくりと噛み締めるように、最後まで冷静沈着に、そして静かに、彼は佇んでいた。その眼差しはやわらかで、5年前のそれとは明らかに違う輝きを放っている。そのことをよく知っているのは、ほかの誰でもない、照ノ富士本人だった。

千秋楽を迎え、12勝2敗でトップに立っていた照ノ富士。対するは3敗で追う御嶽海。勝てば優勝、負ければ朝乃山か正代の勝ったほうを交えた三つ巴になる予定だった。実際、幕内の優勝争いで巴戦になったことはしばらくない(平成8年11月場所に5人での決定戦が行われ、その決勝戦で巴戦が行われた) そのため、本割では御嶽海が勝って、3人での優勝決定戦を見たいと望んでいたファンも少なくなかったと思います

土俵に立った御嶽海は、気合十分。本当にどちらが勝つかわからない。誰もが息をのんでその瞬間を見守っていた。立ち合いから踏み込んで左の上手を取り、圧力をかけたのは照ノ富士。そのまま右も、脇をがっちりと締めて相手の腕をしぼりながら上手を取った。次の瞬間、一気に押し込んで寄り切り。完璧な相撲だった。割れんばかりの拍手に包まれる館内。大関昇進を決めた初優勝から、実に30場所ぶりとなる幕内最高優勝を、本割の土俵で手にしたのだった

己を信じて努力し続けること「続けてきてよかったなと思っています」これが、インタビューで発した一言目だった。この言葉に、どれだけの重みがあるか――。力士は、相撲で強くなることはもちろんだが、その過程で学ぶ人生教訓が多くある。つらく苦しい経験を乗り越えた照ノ富士は、諦めないこと、信じて努力し続けることのもつ力を、いま誰よりも強く感じていることでしょう

結果を出したことだけではない。この経験は、彼にとって必ず、今後を生きる上で非常に大きな力になり続けるはずだ。自分を信じて諦めず努力し続けることの強さを知った人は、どんなことがあっても必ず夢を成し遂げていく。28歳という若さでこの経験を得たことは、彼にとって大きな糧になったことはもちろん、見る者にもその体験を分け与えてくれたことに大きな意味があるのではないでしょうか

「諦めなければ、夢は必ずかなう」。こんな言葉が、いまは陳腐にも綺麗ごとにも聞こえることなく、まっすぐ心に響いてくる。言うまでもなく、照ノ富士が自身の相撲人生をかけてそれを体現し、身をもって示してくれたのを目の当たりにしたからだ。大相撲史に残る復活劇を演じた照ノ富士。今場所の彼の偉業は後世に語り継がれるだろうが、この歴史的瞬間を、生きて、肌で感じることができた私は、この世に生を受けたことに感謝したいと思います

千秋楽を迎え、12勝2敗でトップに立っていた照ノ富士。対するは3敗で追う御嶽海。勝てば優勝、負ければ朝乃山か正代の勝ったほうを交えた三つ巴になる予定だった。実際、幕内の優勝争いで巴戦になったことはしばらくない(平成8年11月場所に5人での決定戦が行われ、その決勝戦で巴戦が行われた) そのため、本割では御嶽海が勝って、3人での優勝決定戦を見たいと望んでいたファンも少なくなかったと思います


土俵に立った御嶽海は、気合十分。本当にどちらが勝つかわからない。誰もが息をのんでその瞬間を見守っていた。立ち合いから踏み込んで左の上手を取り、圧力をかけたのは照ノ富士。そのまま右も、脇をがっちりと締めて相手の腕をしぼりながら上手を取った。次の瞬間、一気に押し込んで寄り切り。完璧な相撲だった。割れんばかりの拍手に包まれる館内。大関昇進を決めた初優勝から、実に30場所ぶりとなる幕内最高優勝を、本割の土俵で手にしたのだった


己を信じて努力し続けること「続けてきてよかったなと思っています」これが、インタビューで発した一言目だった。この言葉に、どれだけの重みがあるか――。力士は、相撲で強くなることはもちろんだが、その過程で学ぶ人生教訓が多くある。つらく苦しい経験を乗り越えた照ノ富士は、諦めないこと、信じて努力し続けることのもつ力を、いま誰よりも強く感じていることでしょう


結果を出したことだけではない。この経験は、彼にとって必ず、今後を生きる上で非常に大きな力になり続けるはずだ。自分を信じて諦めず努力し続けることの強さを知った人は、どんなことがあっても必ず夢を成し遂げていく。28歳という若さでこの経験を得たことは、彼にとって大きな糧になったことはもちろん、見る者にもその体験を分け与えてくれたことに大きな意味があるのではないでしょうか


「諦めなければ、夢は必ずかなう」。こんな言葉が、いまは陳腐にも綺麗ごとにも聞こえることなく、まっすぐ心に響いてくる。言うまでもなく、照ノ富士が自身の相撲人生をかけてそれを体現し、身をもって示してくれたのを目の当たりにしたからだ。大相撲史に残る復活劇を演じた照ノ富士。今場所の彼の偉業は後世に語り継がれるだろうが、この歴史的瞬間を、生きて、肌で感じることができた私は、この世に生を受けたことに感謝したいと思います

Posted by きくいち at 09:29│Comments(0)
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