さまざまな食材を燻製にするのが昨今のブームですねそもそもホタテは、燻製となった貝柱などがつまみとして人気というベースがあるから自家製にしても違和感がありません。とはいえ、食材を燻製にするにはそれなりの準備が必要です。今日はホタテの燻製を作るための概要をお伝えします



市販のホタテの燻製ははずれがない美味しさがあります。しかし、かなり高価であることも否定できませんそこで、家で好きなだけホタテの燻製を作れば過程も楽しめて一石二鳥です。まずは燻製を作るための準備を

まず食材を燻製にするには専用の道具が必要になります。キャンプをする機会に屋外で燻製にするタイプと、煙についても配慮がなされた家庭用の燻製の機械が存在します。屋外で使用するタイプはスペースの心配がないため大きめのサイズが多く、一度にたくさんの食材を燻製できます。一方、家庭用の燻製器はコンパクトにまとめられ、短時間でできあがる工夫が施されています。アウトドア派ならば前者で、自宅で頻繁に燻製を楽しみたい場合は後者を選ぶとよいでしょう



燻製はいぶして作るものですから、チップと呼ばれる木片が必需品です。燻製好きがこだわるのもこのチップの種類であり、食材によってマッチするタイプを選ぶのが通とされています。なんでもない食材も燻製にすることによって独特の風味を有するようになり、酒のつまみやおかずとしてレベルアップするのですまた、燻製前に食材の水分をよく切るための専用脱水シートを用意しておくと便利です



具体的にホタテを燻製にするための手順を紹介します時間はかかりますが、ビールやウィスキーが止まらなくなることうけあいのレシピです

ホタテの燻製といえば、よく知られているのは貝柱の部分を使用したものです。自宅で燻製を作る時にも刺身用の貝柱ならば入手も簡単です下準備としてホタテの貝柱を洗ってボイルし、よく水分をふき取って塩をまんべんなくふり、燻製用脱水シートに包んで冷蔵庫で2時間ほど寝かます。

塩をふるだけでも味わいが出ますが、さらに香りよく仕上げたい場合にはソミュール液(漬け汁)を作ってホタテを浸すという手もありますソミュール液は水に塩、砂糖、黒胡椒、ローリエ、タイムなどの香草やスパイスを加えて作った液で、この中に2時間ほどホタテを浸して香り付けをするのです



冷蔵庫あるいはソミュール液から取り出したホタテは、その後常温で30分から1時間乾燥させます。燻製する際にはヒッコリーのスモークチップを使用するとまず失敗はしません。煙が出るまで強火で燻製し、その後は弱火で10分ほど待てばできあがり
そのまま食べてもつまみとして美味しく、割いてサラダなどにトッピングしても洗練されたおかずとなります

できあがったホタテの燻製はそのまま食べたりおかずに加えたりと使い道には困りません。少し趣を変えて食べるのならば、オイル漬けにすると別の食感で楽しめる。ホタテの燻製のオイル漬けは作るのも簡単です

ホタテの燻製を容器に入れて、オリーブオイルをひたひたに満たし、好みで唐辛子やローリエなどを加えてもよいでしょうこれを冷蔵庫で一晩寝かせれば、ホタテの美味がふくよかになって酒はさらにすすんでしまいますオリーブオイル以外にはごま油を使用する方法もありますが、こちらはオイルの香りが強いのでごま油の選択には注意が必要です。ホタテの燻製のオイル漬けは冷蔵庫で保管し、1週間以内に食べ切ましょう

自家製のホタテの燻製を楽しむにはまず道具をそろえる必要があります。また、時短がブームの昨今の料理の中では、燻製は時間がかかる調理法ですが、手間と暇をかけて作ったホタテの燻製の美味しさはなにものにも代えがたく、じっくりと引き出されたホタテの滋味を心ゆくまで堪能できます家族がそろう年末、ぜひホタテの燻製の調理過程を楽しんでみて下さい