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2012年08月03日

料理の「さしすせそ」消費減る たれ・つゆに押されて

煮物をするとき、調味料を入れる順番を表す言葉で、「さしすせそ」というのがあります。
「さ」=砂糖、「し」=塩、「す」=酢、「せ」=醤油、「そ」=味噌です。
本来の意味は、原則として味の染み込みにくい砂糖などの甘味のものを先に、味の染み込みやすい塩などを次に、醤油や味噌など香りのあるものは最後に加えるということで、これは、味つけの基本的なルールです。 

この味付けの「さしすせそ」と呼ばれる砂糖、塩、酢、醤油、味噌は最近いずれも大きく消費量が減少しているようです。「外食や弁当、お総菜が普及した」「共働きの家庭が増えて調理簡易化の要望が強い」「減塩や甘さ控えめのヘルシー志向が強まった」などの結果、調味料を買っても使い切れない、複数の調味料を使う味付けのあんばいが分からないといった人も増え、ますます基本の調味料離れが進む悪循環です。

「さしすせそ」に代わって年々売り上げを伸ばしているのが、砂糖、醤油、だしなどを混ぜた「つゆ」、焼き肉やしょうが焼きなどの「たれ」、各種の「スープのもと」といった味付けの済んだレトルト調味料です。基本的な調味料の売り上げが後発の商品に抜かれる逆転現象は、様々な調味料メーカーでも起きているのです。

料理の「さしすせそ」消費減る たれ・つゆに押されて

昔は「手前みそ」と言うように、同じ料理でもちょっとしたさじ加減の違いで各家庭の味がありました。料理を教える時、若い人から「我が家は全部めんつゆなので、すき焼きも肉じゃがも同じ味でした」と聞くと寂しく、砂糖の甘さと酢の酸っぱさの違いが分からない若い人たちが多いのには危機感を覚えます。味付けされている調味料は便利ですが、基本となる味も大事にしてもらえればと思います。

煮物の味付け…(醤油:酒:みりんが1:1:1)が基本。
シャープな味にしたい → 酒を増量(2倍)
まったりした味にしたい → みりんを増量(1.5~2倍)
濃い味にしたい → 醤油を増量(1.5~2倍)、
甘い味にしたい → 砂糖を投入 

でも、これはあくまで原則で、例外もありますから、時と場合に応じた味つけをして下さい。 


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