2013年02月08日
お酒を飲んだ次の日にお薦めの、栄養満点の寒シジミ
立春が過ぎましたが、まだまだ朝晩は冷え込み、外出の際は厳重な防寒対策が欠かせません。
寒くなり抵抗力が少しでも落ちると、すぐに風邪などの病気にかかりやすくなりますし、インフルエンザが猛威をふるい連日のようにニュースで目にします。寒さで、身体に余計な負担がかかる要素はいくつもありますね。もし、最近体調が思わしくないと感じていたなら、身体に良い食材を積極的に取り入れてみてはどうでしょうか?
「体力を回復する食べ物は?」と問われたら、まず思い出すのは鰻です。先日も触れましたが、土用の丑の日といえば、鰻は外せませんが、鰻とと並び称される夏バテ解消の食べ物があります。それが「しじみ」です。
しじみは、「土用しじみ」として夏に食べられ、「寒しじみ」と言って冬にも食べられます。一年を通じて賞味されるので、「四時美」とも書かれます。(昔はそうだったらしく、普通には、「蜆」という字が書かれますが、これの起源は分かっていません)土用蜆と呼ばれているのは、だてではありません。小さな身には、鰻に負けないほどの高い栄養が含まれているからです。身に含まれている栄養素は、貝類の中ではトップクラスに入るのです。(蜆の美味しさの主成分は「コハク酸」で、貝類の中で一番多く、0.4%含んでいます)蜆は産卵を終えた秋から、厳しい冬に向けて栄養を蓄えます。つまり冬場の蜆は、土用蜆以上に栄養をぎっしりとため込んでいる状態にあり、まさに今が旬といえるのです。冬場の健康管理に、これほど適した食材はないでしょう…一番美味しい時期は冬で、秋に栄養をたっぷりとり、身が引き締まっています。土用の頃のしじみは、子を持っているのもあり、冬につぐ美味しさなのです。しかし、黄疸や肝臓の薬と言われ、精力増強にも役立つため、夏の強壮食として食べられるのです。
蜆の産地として昔から知られるのは島根県の宍道湖ですが、最近では青森も蜆では有名なのです。青森県は、蜆の漁獲量が平成23年度に全国1位となり、全国の蜆漁獲量の4割以上を占めています。青森県では十三湖のほかに、小川原湖も産地として有名です。青森県の蜆は、漁獲制限を厳しくし、資源管理を行っているので、安定した生産ができています。
十三湖は、世界遺産白神山地を源流とする岩木川から流れ込む淡水と日本海の海水が混ざりあった汽水湖です。蜆の生息に適している為、十三湖で採れた「ヤマトシジミ」は味が非常に良いことで知られ、市場でも高値で取引されています。

蜆は栄養がたっぷりで、よく「二日酔いには蜆!」と言われますよね。特に多く含まれているのが、オルニチンとタウリンです。肝機能を高め、疲労回復の効果が期待出来ます。また、滋養強壮にもいいので、寝不足になりがちな受験生の皆さんにもぜひ食べて頂きたいです。蜆は冷凍すると旨味成分のアミノ酸が4倍になるそうです。そしてシジミ汁は肝臓に良いと言いますが、蜆は身を食べなければ効果は半減なのです。
蜆に含まれる栄養素は、残しがちな身に半分以上残っているので、味噌汁の出汁としてだけでなく、身もしっかり食べることがお勧めです。蜆独特の旨味のもとは、蜆に豊富に含まれているグルタミン酸などのアミノ酸やコハク酸で、これらは汁の中に溶けだすとのこと。そのため、旨味成分の溶けだした汁が美味しく感じられるのです。しかし、蜆には体のバランスを保つのに不可欠なミネラルも含まれていて、それらの一部は汁に溶けだすものの、そのほとんどは身に残るからです。
旨味を出してしまったあとの身にも、ミネラルという大切な栄養を含んでいるシジミ。身を取り出すのは確かに面倒だけれど、身(人間)のため、蜆のため、最後まで美味しく食べたほうがよいのかもしれませんね。
もともと、寒蜆は「出汁を味わう蜆」と言われ、美味しい出汁が出ますが、さらにその美味しさをアップする方法を二つ紹介します。一つ目は、砂抜きを食塩水で行う方法です。真水より、1%の食塩水で砂出しすると、うまみ成分(コハク酸)が2~3倍に増えます。しじみが環境水と同じ浸透圧に調節する時、グリコーゲンを分解し、うまみ成分のアミノ酸などを増加させるからです。砂抜きする時は、ザルなどを使うのがオススメです。ザルを使い、蜆を容器の底から離しておくと、蜆が出したゴミなどを再び貝が取り込まなくなります。
二つ目は、砂抜きした蜆を冷凍して保存する方法です。冷凍によって、蜆の水分が膨張し細胞組織が壊れ、うまみ成分が溶け出しやすくなるからです。冷凍する時は、ポリ袋に入れ、乾燥しないように輪ゴムで密封して下さい。1回ずつ使う分だけ小分けにしておくと便利です。冷凍蜆は、洗って水からでなく、熱湯から入れればいいので調理も早いですよ。
冷凍すると、オルニチンと旨み成分のコハク酸が増えるそうです。 そのコハク酸はコレステロールを抑える効果もあり、優れた食材といえます。
蜆に含まれる成分、オルニチンの効果…肝臓の機能や脂肪の分解を高める。細胞の増殖が活発になり、美肌を作る。
蜆の効能として有名なのは、肝臓機能の働きを向上させることでしょう。今でも「二日酔いの朝にシジミの味噌汁を飲む」という民間療法は、広く知れわたっていますが、最近の研究では、メタボ予備軍の方に気になる脂肪燃焼効果やガン予防効果、口内炎などに効果、、骨粗しょう防止やイライラした気持ちを抑制する効果などが蜆には豊富に含まれているようです。(ミネラル分も多く、特にカルシウムはアサリの4倍、 牛乳の3倍、各種ビタミンも鰻に匹敵します)
そして風邪などの感染症を防ぐ免疫力を強化する成果も発見されている。風邪かなと思ったら、蜆のお味噌汁に少しすり下ろした生姜を加えて、身体を温めるといいでしょう。
栄養を小さな身いっぱいに取り込んでいる寒蜆。毎日の食卓に蜆を加えれば、きっと身体の内側から体調を整える手助けをしてくれるに違いありません。風邪の予防に、お酒を飲んだ次の日にお薦めしたい旬の味覚です。
調理方法…味噌汁の具が一般的ですが、十三湖近辺では味噌3割、塩7割ぐらいで吸い物と味噌汁の中間のような蜆汁 にします。この蜆汁をご飯を炊く時の水の代わりに入れて炊きあげる蜆の炊き込み御飯も美味しいです。
「蜆汁」
(1)昆布などの出汁を入れると蜆のうまみが倍増します。
(2)砂抜きした蜆は水から火にかけますが、冷凍した蜆は沸騰したお湯から入れます。
(3)蜆が開いたところで塩(小さじ2分の1)、隠し味の味噌(小さじ1)を入れると香りがよくなります。
「蜆の炊き込み御飯」
蜆の煮出し汁を使って米を炊きます。この煮出し汁も、冷凍した蜆を沸騰したお湯に入れて作ります。煮出し汁のほかには、醤油・酒・塩などの調味料も入れます。煮出してできたむき身は、炊きあがった御飯の上にのせます。
寒くなり抵抗力が少しでも落ちると、すぐに風邪などの病気にかかりやすくなりますし、インフルエンザが猛威をふるい連日のようにニュースで目にします。寒さで、身体に余計な負担がかかる要素はいくつもありますね。もし、最近体調が思わしくないと感じていたなら、身体に良い食材を積極的に取り入れてみてはどうでしょうか?
「体力を回復する食べ物は?」と問われたら、まず思い出すのは鰻です。先日も触れましたが、土用の丑の日といえば、鰻は外せませんが、鰻とと並び称される夏バテ解消の食べ物があります。それが「しじみ」です。
しじみは、「土用しじみ」として夏に食べられ、「寒しじみ」と言って冬にも食べられます。一年を通じて賞味されるので、「四時美」とも書かれます。(昔はそうだったらしく、普通には、「蜆」という字が書かれますが、これの起源は分かっていません)土用蜆と呼ばれているのは、だてではありません。小さな身には、鰻に負けないほどの高い栄養が含まれているからです。身に含まれている栄養素は、貝類の中ではトップクラスに入るのです。(蜆の美味しさの主成分は「コハク酸」で、貝類の中で一番多く、0.4%含んでいます)蜆は産卵を終えた秋から、厳しい冬に向けて栄養を蓄えます。つまり冬場の蜆は、土用蜆以上に栄養をぎっしりとため込んでいる状態にあり、まさに今が旬といえるのです。冬場の健康管理に、これほど適した食材はないでしょう…一番美味しい時期は冬で、秋に栄養をたっぷりとり、身が引き締まっています。土用の頃のしじみは、子を持っているのもあり、冬につぐ美味しさなのです。しかし、黄疸や肝臓の薬と言われ、精力増強にも役立つため、夏の強壮食として食べられるのです。
蜆の産地として昔から知られるのは島根県の宍道湖ですが、最近では青森も蜆では有名なのです。青森県は、蜆の漁獲量が平成23年度に全国1位となり、全国の蜆漁獲量の4割以上を占めています。青森県では十三湖のほかに、小川原湖も産地として有名です。青森県の蜆は、漁獲制限を厳しくし、資源管理を行っているので、安定した生産ができています。
十三湖は、世界遺産白神山地を源流とする岩木川から流れ込む淡水と日本海の海水が混ざりあった汽水湖です。蜆の生息に適している為、十三湖で採れた「ヤマトシジミ」は味が非常に良いことで知られ、市場でも高値で取引されています。

蜆は栄養がたっぷりで、よく「二日酔いには蜆!」と言われますよね。特に多く含まれているのが、オルニチンとタウリンです。肝機能を高め、疲労回復の効果が期待出来ます。また、滋養強壮にもいいので、寝不足になりがちな受験生の皆さんにもぜひ食べて頂きたいです。蜆は冷凍すると旨味成分のアミノ酸が4倍になるそうです。そしてシジミ汁は肝臓に良いと言いますが、蜆は身を食べなければ効果は半減なのです。
蜆に含まれる栄養素は、残しがちな身に半分以上残っているので、味噌汁の出汁としてだけでなく、身もしっかり食べることがお勧めです。蜆独特の旨味のもとは、蜆に豊富に含まれているグルタミン酸などのアミノ酸やコハク酸で、これらは汁の中に溶けだすとのこと。そのため、旨味成分の溶けだした汁が美味しく感じられるのです。しかし、蜆には体のバランスを保つのに不可欠なミネラルも含まれていて、それらの一部は汁に溶けだすものの、そのほとんどは身に残るからです。
旨味を出してしまったあとの身にも、ミネラルという大切な栄養を含んでいるシジミ。身を取り出すのは確かに面倒だけれど、身(人間)のため、蜆のため、最後まで美味しく食べたほうがよいのかもしれませんね。
もともと、寒蜆は「出汁を味わう蜆」と言われ、美味しい出汁が出ますが、さらにその美味しさをアップする方法を二つ紹介します。一つ目は、砂抜きを食塩水で行う方法です。真水より、1%の食塩水で砂出しすると、うまみ成分(コハク酸)が2~3倍に増えます。しじみが環境水と同じ浸透圧に調節する時、グリコーゲンを分解し、うまみ成分のアミノ酸などを増加させるからです。砂抜きする時は、ザルなどを使うのがオススメです。ザルを使い、蜆を容器の底から離しておくと、蜆が出したゴミなどを再び貝が取り込まなくなります。
二つ目は、砂抜きした蜆を冷凍して保存する方法です。冷凍によって、蜆の水分が膨張し細胞組織が壊れ、うまみ成分が溶け出しやすくなるからです。冷凍する時は、ポリ袋に入れ、乾燥しないように輪ゴムで密封して下さい。1回ずつ使う分だけ小分けにしておくと便利です。冷凍蜆は、洗って水からでなく、熱湯から入れればいいので調理も早いですよ。
冷凍すると、オルニチンと旨み成分のコハク酸が増えるそうです。 そのコハク酸はコレステロールを抑える効果もあり、優れた食材といえます。
蜆に含まれる成分、オルニチンの効果…肝臓の機能や脂肪の分解を高める。細胞の増殖が活発になり、美肌を作る。
蜆の効能として有名なのは、肝臓機能の働きを向上させることでしょう。今でも「二日酔いの朝にシジミの味噌汁を飲む」という民間療法は、広く知れわたっていますが、最近の研究では、メタボ予備軍の方に気になる脂肪燃焼効果やガン予防効果、口内炎などに効果、、骨粗しょう防止やイライラした気持ちを抑制する効果などが蜆には豊富に含まれているようです。(ミネラル分も多く、特にカルシウムはアサリの4倍、 牛乳の3倍、各種ビタミンも鰻に匹敵します)
そして風邪などの感染症を防ぐ免疫力を強化する成果も発見されている。風邪かなと思ったら、蜆のお味噌汁に少しすり下ろした生姜を加えて、身体を温めるといいでしょう。
栄養を小さな身いっぱいに取り込んでいる寒蜆。毎日の食卓に蜆を加えれば、きっと身体の内側から体調を整える手助けをしてくれるに違いありません。風邪の予防に、お酒を飲んだ次の日にお薦めしたい旬の味覚です。
調理方法…味噌汁の具が一般的ですが、十三湖近辺では味噌3割、塩7割ぐらいで吸い物と味噌汁の中間のような蜆汁 にします。この蜆汁をご飯を炊く時の水の代わりに入れて炊きあげる蜆の炊き込み御飯も美味しいです。
「蜆汁」
(1)昆布などの出汁を入れると蜆のうまみが倍増します。
(2)砂抜きした蜆は水から火にかけますが、冷凍した蜆は沸騰したお湯から入れます。
(3)蜆が開いたところで塩(小さじ2分の1)、隠し味の味噌(小さじ1)を入れると香りがよくなります。
「蜆の炊き込み御飯」
蜆の煮出し汁を使って米を炊きます。この煮出し汁も、冷凍した蜆を沸騰したお湯に入れて作ります。煮出し汁のほかには、醤油・酒・塩などの調味料も入れます。煮出してできたむき身は、炊きあがった御飯の上にのせます。
Posted by きくいち at 10:52│Comments(0)
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