2020年11月02日
角打ち」は我慢できずに酒屋で酒を飲んだことから始まった
先日紹介したせんべろの元祖は「角打ち」と呼ばれる、酒屋さんでお酒とおつまみを買い、その店の一角で立ち飲みをするスタイルでした
「角打ち」では、お酒を温めたり冷やしたり、調理したおつまみを提供したりするサービスはありません。お酒は原則常温のまま、おつまみは缶詰や乾きものなど、そのまま食べられるものを楽しむのが角打ちのスタイル
これが派生・進化したものが現代の「せんべろ」というわけです
ではなぜ「酒屋で立ち飲みをすること」が角打ちというのでしょうか

その語源には諸説ありますが、昔の酒の売り方は量り売りが基本で、升に酒を注いで量を計っていました。しかし「家に帰るまで酒が飲めないなんてありえない
」というお客様のわがままご要望に答え、升に入れその場で酒が飲めるように提供しました。その際に、升の角からお酒を飲んだことが「角打ち」の由来になっているそうです
ただし「角打ち」という言葉の語源については定かになっていない点が多く、酒を升の角で飲むから「角打ち」と呼ばれるようになったということ以上のことは判明していないようです。最近では、KURAND SAKE MARKETがある関東では、「酒屋の店頭で酒を飲むこと」を「角打ち」と呼ぶことが定着し始めていますが、地域によっては「酒屋の店頭で酒を飲むこと」ことを「角打ち」と呼ばない地域もあるんだとか
関西では、酒屋のカウンターで飲むことを「立ち呑み」、立ち飲み屋で飲むことを「立ち飲み」といい、東北では「もっきり」と呼ぶこともあるそうです

「角打ち」の読み方…デジタル大辞泉によると
「角打ち」は「カドウチ」ではなく「カクウチ」と読むようです。(四角い升の角に口を付けて飲むことから)酒屋の店頭で升酒を直接に飲むこと。転じて、店の一角を仕切って立ち飲み用にすること。また、そこで飲むこと。店の一角で飲む”から「角打ち」と覚えておくといいかもしれませんね

「角打ち」の歴史
江戸時代のころ、日本酒は量り売りで売られていました。庶民は「通い徳利」と呼ばれる自前の徳利を持って酒屋へ出向き、その徳利にお酒を入れてもらうという売り方です。
ですが、目の前に酒があれば飲んでみたくなるもの。家に持って帰るのを待ちきれずにその場で酒を飲みたがる酒好きが現れ、そのような客に対して酒屋は計量用の枡を使って飲ませたそうです。ご存知の通り、四角い枡には「角」があり、その枡の角から酒を飲んだことから「角打ち」と呼ばれるようになったのだそう
現在のような「角打ち」のスタイルが広まったのは、北九州地域が発祥と言われています
明治34年(1901年)に操業した官営八幡製鉄所によって発展した北九州工業地帯では、多くの労働者が24時間交代制で働いていました。深夜で働いていた彼らが勤務明けに一杯やろうと思っても、居酒屋は朝から営業していません。ですが、酒屋は営業していますから、そこで酒を買って店頭で飲むようになりました。そんな歴史もあってか、北九州には、今でも角打ちが楽しめる酒屋が150軒ほどあるそうです
。
その後、昭和40年代に千葉に新たな製鉄所が建てられたことをきっかけに、北九州から千葉へ多くの労働者が移り住み、角打ちの風習も、北九州から千葉から、千葉から関東エリアへ、関東エリアから全国へと広がっていきます。北九州以外の地域にも、昔から酒屋の店頭で酒を買って楽しむ風習はあったようです。各地域で呼び方は異なり、東北では「もっきり」、関西エリアは「立ち呑み」、山陰地域では「たちきゅう」と呼ばれています。関西の「立ち呑み」は、居酒屋で立って飲む「立ち飲み」と区別されているのはおもしろいですね

角打ちの魅力

手軽に日本酒をたのしめること…「角打ち」は、その語源からもわかるように、購入したその場でたのしめる手軽さが魅力ですが、ほかにも多くのメリットがあります。
その1つがリーズナブルさ。店頭でそのまま飲むため、持ち帰るための容器が不要で、その場で飲みたい量だけ飲んで支払うため、大量に買って帰るよりも、その場の支払い額は安く抑えることができます。店頭の限られたスペースのため、おつまみも低価格な場合が多いので、お財布にやさしい飲み方と言えるでしょう
「角打ち」のもう1つのメリットが、さまざまなお酒を少量ずつたのしめること。基本的には1杯ごとの支払いなので、1杯ごとにお酒の種類や銘柄を変えたり、同じ銘柄でも飲み方を変えたりしながら、自分の好みの日本酒を探すことができます。日本全国のさまざまな銘柄を備えた、酒屋さんならではのたのしみと言えるでしょう

そして「角打ち」の最大の魅力と言えるのが、酒好き同士のコミュニケーションでしょう。「角打ち」に訪れるのは、近所に住む酒好きだけではありません。仕事帰りの人もいれば、旅行中の人もいて、その地の銘酒を求めて遠くから訪れる人もいます
見知らぬ人同士でも、狭い空間で一緒に酒をたのしむことで、自然に会話が弾むもの。もともと日本酒はすぐれたコミュニケーションツールですが、「角打ち」という飲み方は、その魅力をさらに高めてくれるでしょう
「角打ち」は、下町などの古くから地域に親しまれてきた酒屋さんで行われるのが一般的ですが、最近では、日本酒の魅力をより広く発信しようと、若者たちが集まる都心のスポットでもたのしめるようになり、「ネオ角打ち」として注目されています


「角打ち」の魅力は、なんといってもリーズナブルなこと。お酒を小売している酒屋ですから、お酒の種類も多く、1杯単位で注文することができるので、飲み比べには最適です。ですが、飲食店ではないのでサービスは非常に簡素。椅子がなかったり、おつまみもなかったり、あっても缶詰や乾きものだけというお店もあります。また、お店にもよりますが、基本的には先払いが主流です
気軽に訪れて、サクッと飲める「角打ち」は、今まで知らなかった日本酒に出会える格好の場所。「角打ち」できる酒屋さんがあったら積極的に飛び込んで、自分の好みの日本酒を探してみてください

「角打ち」では、お酒を温めたり冷やしたり、調理したおつまみを提供したりするサービスはありません。お酒は原則常温のまま、おつまみは缶詰や乾きものなど、そのまま食べられるものを楽しむのが角打ちのスタイル


ではなぜ「酒屋で立ち飲みをすること」が角打ちというのでしょうか


その語源には諸説ありますが、昔の酒の売り方は量り売りが基本で、升に酒を注いで量を計っていました。しかし「家に帰るまで酒が飲めないなんてありえない


ただし「角打ち」という言葉の語源については定かになっていない点が多く、酒を升の角で飲むから「角打ち」と呼ばれるようになったということ以上のことは判明していないようです。最近では、KURAND SAKE MARKETがある関東では、「酒屋の店頭で酒を飲むこと」を「角打ち」と呼ぶことが定着し始めていますが、地域によっては「酒屋の店頭で酒を飲むこと」ことを「角打ち」と呼ばない地域もあるんだとか



「角打ち」の読み方…デジタル大辞泉によると



「角打ち」の歴史

江戸時代のころ、日本酒は量り売りで売られていました。庶民は「通い徳利」と呼ばれる自前の徳利を持って酒屋へ出向き、その徳利にお酒を入れてもらうという売り方です。
ですが、目の前に酒があれば飲んでみたくなるもの。家に持って帰るのを待ちきれずにその場で酒を飲みたがる酒好きが現れ、そのような客に対して酒屋は計量用の枡を使って飲ませたそうです。ご存知の通り、四角い枡には「角」があり、その枡の角から酒を飲んだことから「角打ち」と呼ばれるようになったのだそう

現在のような「角打ち」のスタイルが広まったのは、北九州地域が発祥と言われています



その後、昭和40年代に千葉に新たな製鉄所が建てられたことをきっかけに、北九州から千葉へ多くの労働者が移り住み、角打ちの風習も、北九州から千葉から、千葉から関東エリアへ、関東エリアから全国へと広がっていきます。北九州以外の地域にも、昔から酒屋の店頭で酒を買って楽しむ風習はあったようです。各地域で呼び方は異なり、東北では「もっきり」、関西エリアは「立ち呑み」、山陰地域では「たちきゅう」と呼ばれています。関西の「立ち呑み」は、居酒屋で立って飲む「立ち飲み」と区別されているのはおもしろいですね


角打ちの魅力


手軽に日本酒をたのしめること…「角打ち」は、その語源からもわかるように、購入したその場でたのしめる手軽さが魅力ですが、ほかにも多くのメリットがあります。
その1つがリーズナブルさ。店頭でそのまま飲むため、持ち帰るための容器が不要で、その場で飲みたい量だけ飲んで支払うため、大量に買って帰るよりも、その場の支払い額は安く抑えることができます。店頭の限られたスペースのため、おつまみも低価格な場合が多いので、お財布にやさしい飲み方と言えるでしょう

「角打ち」のもう1つのメリットが、さまざまなお酒を少量ずつたのしめること。基本的には1杯ごとの支払いなので、1杯ごとにお酒の種類や銘柄を変えたり、同じ銘柄でも飲み方を変えたりしながら、自分の好みの日本酒を探すことができます。日本全国のさまざまな銘柄を備えた、酒屋さんならではのたのしみと言えるでしょう


そして「角打ち」の最大の魅力と言えるのが、酒好き同士のコミュニケーションでしょう。「角打ち」に訪れるのは、近所に住む酒好きだけではありません。仕事帰りの人もいれば、旅行中の人もいて、その地の銘酒を求めて遠くから訪れる人もいます


「角打ち」は、下町などの古くから地域に親しまれてきた酒屋さんで行われるのが一般的ですが、最近では、日本酒の魅力をより広く発信しようと、若者たちが集まる都心のスポットでもたのしめるようになり、「ネオ角打ち」として注目されています



「角打ち」の魅力は、なんといってもリーズナブルなこと。お酒を小売している酒屋ですから、お酒の種類も多く、1杯単位で注文することができるので、飲み比べには最適です。ですが、飲食店ではないのでサービスは非常に簡素。椅子がなかったり、おつまみもなかったり、あっても缶詰や乾きものだけというお店もあります。また、お店にもよりますが、基本的には先払いが主流です

気軽に訪れて、サクッと飲める「角打ち」は、今まで知らなかった日本酒に出会える格好の場所。「角打ち」できる酒屋さんがあったら積極的に飛び込んで、自分の好みの日本酒を探してみてください
