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2020年11月23日

“甘鯛”をなんと読む?

私達が一度は食べたことのある、あんな料理やこんな料理には、隠された物語があることをご存知でしょうか!?
知ることで、同じ料理が明日からちょっと美味しくなるびっくりアップそんなお話を…人差し指まるとく
今日は「甘鯛の若狭焼」についてナイフ&フォーク

“甘鯛”をなんと読む?

■鯛は鯛でも……
甘鯛という漢字をじっと見ているだけでは、「グジ」という呼び方は出てこない。河豚の文字を見てもフグは出てこないし、土筆(つくし)もそう。読みだけなら甘鯛はやっぱり「アマダイ」です。白身に甘さがあるから甘鯛、横顔が頬かむりをした尼さんに似ているから尼鯛などといわれています。

しかし関西、特に京都では「グジ」と呼ぶほうがしっくりきます。寒くなると蒸し物、焼き物、お椀などになって献立に並ぶ冬のご馳走です上昇

アマダイつまりグジの体は長く、頭はやや屈折しているように見える…だからグジの呼び名は屈頭(ぐず)という呼び方が変化したという説がありますひみつそのほか釣り上げたときにグジグジ鳴くからなど、グジの呼び名の由来にも諸説ありますが、単に「鯛と呼びたくない」という関西人の無言の意思表示もあるような気がしますしょんぼりなぜなら、アマダイといえど日本人が一般的に思う鯛ではないからですおすまし

われわれが鯛と呼んでいるものは真鯛です。神話にも登場するし、神様のお供えにもなっています魚赤魚の王様と呼んで大事にしてきたから、日本中に〇〇銀座があるように、鯛にあやかった〇〇鯛は日本に300種類以上もあるといわれていますキラキラ生物学的なルールにのっとると、真鯛と同じタイ科である鯛で、近海でよく見られるのはハナダイやキダイ、クロダイの3種類だけだそうで、他はほとんど、鯛もどきですムカッ

小さくて黒ずんで見える「スズメダイ」や背中が大きくてくっきりとした縞模様のある「タカノハダイ」といった魚は、姿形は真鯛に似ていずいかにも“あやかりタイ”ですが、アマダイの場合は、赤い色合いが真鯛と重なってその名がつけられたのでしょうひみつ

ただ「若狭甘鯛」となると「ワカサアマダイ」とは呼びにくくなります下降
「ワカサグジ」が一つの特別な固有名詞だからです。福井から京都にかかる若狭湾で獲れたアマダイの内臓を抜いて開き、産地で塩をしたものをそう呼びます。魚の細かいウロコを立たせるように焼く方法を若狭焼きと呼ぶのも、若狭グジの焼き方から来ているのです。

“甘鯛”をなんと読む?

ところで、静岡の下田で有名な真っ赤なキンメダイも鯛もどきの一つで、目が金色に光るからその名があると言われています。昔はその赤色から祝膳での真鯛の代用品としても使われました。だからキンメダイなのですが、単に「キンメ」と呼ぶ人も多くいます。今は真鯛と同じくらいの高級品となっているし、鯛もどき、代用品とされることは御免なのだでしょうブー

関西でもキンメダイのようにグジダイと呼ぼうとした人はいたかもしれませんが、失笑されたに違いありませんにんまり鯛の力を借りずともグジはグジ。そんな西側の頑なな主張は東側にもじわじわ伝わって、今やグジとしか読まない通人たちも増えてきたのです。

ちなみにアマダイの英語名はtilefish。日本でポピュラーな赤、白、黄色のほか海外では青色のアマダイもあります。リーズナブルな魚としてソテーやオーブン焼きにされていますナイフ&フォークちょき


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