今日はボジョレー・ヌヴォーの解禁日です。若いお酒に少し濃厚なおつまみはどうでしょうか…？
フォアグラは、言わずと知れた世界三大珍味として有名な食材です。
ガチョウや鴨などに必要以上にエサを与えることにより、脂肪肝を人工的に作り出したものでカモは渡りを行う場合、予め肝臓に脂肪を蓄えて、脂肪肝になる性質があるのです。



フランス語で「フォア」は「肝臓」を、「グラ」は「脂の多い、肥大した、太った」を意味だそうで即ち「フォア・グラ」は「脂肪肝」と言う訳です。

古代ローマ人が、干し無花果をガチョウに与えて飼育し、その肝臓を食べたのが始まりと言われていますし、これにある美食家がさらに工夫を加えて、無花果で肥育させた上に、肥大した肝臓を蜂蜜入りの牛乳に浸して調理する技法を発案したとも伝えられています。

フランス革命前までは、フォアグラの製造にはガチョウだけではなくニワトリなども用いられたが、19世紀になると、ガチョウがフォアグラの素材の定番として定着したようです。ガチョウは牧草などの粗食で大きく育つため、あまり地味の豊かでない土地で多く飼育され、またそうした地方には17世紀に新大陸からトウモロコシが導入されたようで、ガチョウ飼育農業にはトウモロコシとの関わりあいがあったようです。　　
　


フォアグラの茶碗蒸しといったら「なだ萬」が有名ですが、当店では蕪を釜にして薄味で炊き込みその中にフォアグラの茶碗蒸しの地を入れ、合鴨のロースをのせて吉野餡をかけてコース料理の一品に仕上げました。（12月のコース料理の一品です）
蕪のフォアグラ蒸し合鴨ロース（和の繊細な味と洋の濃厚な味のコラボをお楽しみ下さい） 　

フォアグラの主な産地はフランスで、南西部のペリゴール地方（現ドルドーニュ県）とランド県が主産地で、ガチョウと鴨の両方のフォアグラが生産されているようです。南西部全体での生産量は、フランスの生産量の75%を占めるといわれ、また、アルザス地方のストラスブールやラングドック地方のトゥールーズも、産地としてよく知られています。不足分は、オーストリアなどからの輸入品でまかなわれているようですが、ガチョウよりも鴨の方が飼育が楽で、病気にも強いことから、今日では鴨のフォアグラの生産量は増加傾向にあるようです。（ハンガリーのドナウ川西岸でも昔からフォアグラの生産が行われており、輸出も盛んです）

調理法としては、パテに加工し甘めの柔らかいパンに塗って食べるか、ソテーして食べるのが一般的ですが、トリュフ入りのパイ包み焼きのような、パイ料理の素材としてもよく使われています。フォアグラとトリュフを乗せて焼いたステーキは、ロッシーニ風トゥルヌドステーキと呼ばれフランスでは、伝統的にソーテルヌなど甘口のワインと合わせています。
フランス人の多くにとってはクリスマスや新年前夜の晩餐（レヴェヨン）などでしか口にすることのない珍味ですが、近年になって生産量が増加したため珍しさは薄れてきているようで、中には一年中フォアグラを賞味する地域もあるようです。

フォアグラのソテー…