2013年03月13日
金目鯛にも負けない「黒ムツ」産卵前の今、煮付けが最高。
下田で揚る魚の中で地物の金目鯛にも負けない脂の乗った美味しい魚といったら?きっと多くの料理人が挙げるのが「黒ムツ」ではないかと思います。
黒ムツは金目鯛と同じように深海に生息していて水圧から身を守るため脂肪をタップリ蓄えているので一年中美味しく食べることができる魚です。水深はおよそ300~400mで金目鯛よりはやや浅い所に生息していて、漁獲量は多くなく美味しい魚なので下田で水揚げされる魚では高級魚の部類に入ります。

ムツという語源は四国地方の方言の「むつっこい」「むつい」に由来すると言われています。これは味が濃いとか、しつこい、脂っこいという意味だそうです。その名のとおり非常に脂を多く含んだ高級魚で東北以南の近海で獲れます。
現在では鮪のトロの部位のように脂をことのほか高く評価していますが昔は旨味が評価の基準で脂はマイナス材料だったようです。鮪においてもトロの部分は猫もまたぐとされ、捨てられていたそうで、こんなに旨いのに本当にもったいない話ですね。
ムツは背が黒く紫がかっています。腹は少し色が薄く銀色がかっていて大きいものだと60cmを超えるものもありますが、黒ムツはそこまで大きくならず、全体に茶色がかった黒い色をしています。
市場では両者の区別はあまりされず、大きさで分けられているようです。
黒ムツとよく似た魚に赤ムツやノドクロなどと呼ばれている赤い魚がありますが、一見黒ムツの赤いバージョンのように見えて実は別のグループになり、赤ムツの方はムツ科ではなく、ホタルジャコ科アカムツ属の種類に入ります。
とは言うものの、味や食感は非常に似ており、どちらも高値で取引されています。
12月頃から2月のムツは寒ムツと呼ばれ最も旨い季節です。また黒ムツはその名のとおり黒光りしていて脂ものっていてめちゃくちゃ旨い魚で、晩秋から冬が美味しい旬ですが、通年水揚げはあり、夏場でも十分に脂がのった味わいが楽しめます。特に産卵期が3月から5月で、その産卵前の卵「ムツコ」は煮付けにすると非常に美味で漁師さんたちも好んで食べています。
お刺身は勿論、さっと炙ってタタキにしてみたり、焼いても煮ても揚げても美味しく頭は豪快に兜焼きにしポン酢を掛けて食べると最高です。(特に頬肉、カマ、目玉のまわりのコラーゲンタップリのゼラチンは取り合いになるくらい美味しい)(アラは煮て食べるか味噌汁にするか迷うぐらい旨い)
また皆さんもよく知っている焼き鮭の皮は美味しいですよね…この魚も同様で皮と身の間に脂がギッシリ詰まっているので皮もとても旨いです。
黒むつをおろす時に気を付けてもらいたいのは身が柔らかいので雑に扱うと綺麗におろせません。歯が鋭く尖っているので怪我をしないよう気を付けてもらいたいこと、甘鯛と同じように逆さ鱗が有るので取り忘れないことです。また春先に雄の黒むつには丸々太った白子が入っています。しかしなかなか雄に巡り会うことが出来ませんが…
でも卵はだいたい入っていて煮付けにすると格別です。
煮付けの方法は、高温で素早く煮上げることが第一です。と言うのは、表面に素早く火を通して煮崩れを防ぐ意味と、生臭みの発生を助長しないためです。丸ごと煮付けるような場合は、隠し包丁と言って皮目に包丁を浅く入れて皮の縮みを一箇所に集め手に崩れを防ぎます(切り身にした場合は、包丁は入れなくても大丈夫です)
平鍋に経木を敷いて(無い場合はクッキングシート)直接的に沸騰の影響を受けないようにします。そして、落とし蓋をすることで魚が躍らないようにします。表面の乾燥からも防ぎます。木の落とし蓋が無ければアルミホイルの中央に小さな穴を開けて蒸気を逃がしながら煮ます。
煮汁は、水は加えずに酒、醤油、味醂だけで、甘味は好みで砂糖で加減します。かなり濃厚な仕上がりですが、脂の多い魚は甘辛さに濃厚な深みのある味付けが合うと思います。
たんぱく質・脂肪分が多い魚で、ビタミンでは、カルシュームの吸収を助けるDと動脈硬化や癌を抑制するAを多く含まれていて、細胞を若々しく保つビタミンEも豊富に含んでいます。また、血液中の中性脂肪やコレステロールを抑え、高血圧を抑制するDHA・EPAも豊富に含んでいて生活習慣病予防にも最適の魚です。刺身、握り、煮付け、塩焼と全てに美味しい魚ですが、高価なのが玉にキズですね 。
黒ムツは金目鯛と同じように深海に生息していて水圧から身を守るため脂肪をタップリ蓄えているので一年中美味しく食べることができる魚です。水深はおよそ300~400mで金目鯛よりはやや浅い所に生息していて、漁獲量は多くなく美味しい魚なので下田で水揚げされる魚では高級魚の部類に入ります。

ムツという語源は四国地方の方言の「むつっこい」「むつい」に由来すると言われています。これは味が濃いとか、しつこい、脂っこいという意味だそうです。その名のとおり非常に脂を多く含んだ高級魚で東北以南の近海で獲れます。
現在では鮪のトロの部位のように脂をことのほか高く評価していますが昔は旨味が評価の基準で脂はマイナス材料だったようです。鮪においてもトロの部分は猫もまたぐとされ、捨てられていたそうで、こんなに旨いのに本当にもったいない話ですね。
ムツは背が黒く紫がかっています。腹は少し色が薄く銀色がかっていて大きいものだと60cmを超えるものもありますが、黒ムツはそこまで大きくならず、全体に茶色がかった黒い色をしています。
市場では両者の区別はあまりされず、大きさで分けられているようです。
黒ムツとよく似た魚に赤ムツやノドクロなどと呼ばれている赤い魚がありますが、一見黒ムツの赤いバージョンのように見えて実は別のグループになり、赤ムツの方はムツ科ではなく、ホタルジャコ科アカムツ属の種類に入ります。
とは言うものの、味や食感は非常に似ており、どちらも高値で取引されています。
12月頃から2月のムツは寒ムツと呼ばれ最も旨い季節です。また黒ムツはその名のとおり黒光りしていて脂ものっていてめちゃくちゃ旨い魚で、晩秋から冬が美味しい旬ですが、通年水揚げはあり、夏場でも十分に脂がのった味わいが楽しめます。特に産卵期が3月から5月で、その産卵前の卵「ムツコ」は煮付けにすると非常に美味で漁師さんたちも好んで食べています。
お刺身は勿論、さっと炙ってタタキにしてみたり、焼いても煮ても揚げても美味しく頭は豪快に兜焼きにしポン酢を掛けて食べると最高です。(特に頬肉、カマ、目玉のまわりのコラーゲンタップリのゼラチンは取り合いになるくらい美味しい)(アラは煮て食べるか味噌汁にするか迷うぐらい旨い)
また皆さんもよく知っている焼き鮭の皮は美味しいですよね…この魚も同様で皮と身の間に脂がギッシリ詰まっているので皮もとても旨いです。
黒むつをおろす時に気を付けてもらいたいのは身が柔らかいので雑に扱うと綺麗におろせません。歯が鋭く尖っているので怪我をしないよう気を付けてもらいたいこと、甘鯛と同じように逆さ鱗が有るので取り忘れないことです。また春先に雄の黒むつには丸々太った白子が入っています。しかしなかなか雄に巡り会うことが出来ませんが…

でも卵はだいたい入っていて煮付けにすると格別です。
煮付けの方法は、高温で素早く煮上げることが第一です。と言うのは、表面に素早く火を通して煮崩れを防ぐ意味と、生臭みの発生を助長しないためです。丸ごと煮付けるような場合は、隠し包丁と言って皮目に包丁を浅く入れて皮の縮みを一箇所に集め手に崩れを防ぎます(切り身にした場合は、包丁は入れなくても大丈夫です)
平鍋に経木を敷いて(無い場合はクッキングシート)直接的に沸騰の影響を受けないようにします。そして、落とし蓋をすることで魚が躍らないようにします。表面の乾燥からも防ぎます。木の落とし蓋が無ければアルミホイルの中央に小さな穴を開けて蒸気を逃がしながら煮ます。
煮汁は、水は加えずに酒、醤油、味醂だけで、甘味は好みで砂糖で加減します。かなり濃厚な仕上がりですが、脂の多い魚は甘辛さに濃厚な深みのある味付けが合うと思います。
たんぱく質・脂肪分が多い魚で、ビタミンでは、カルシュームの吸収を助けるDと動脈硬化や癌を抑制するAを多く含まれていて、細胞を若々しく保つビタミンEも豊富に含んでいます。また、血液中の中性脂肪やコレステロールを抑え、高血圧を抑制するDHA・EPAも豊富に含んでいて生活習慣病予防にも最適の魚です。刺身、握り、煮付け、塩焼と全てに美味しい魚ですが、高価なのが玉にキズですね 。
Posted by きくいち at 11:28│Comments(0)
│旬の魚