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2019年03月10日

ブリ・ヒラマサ・カンパチの違い・出世魚の生態に迫る!

ブリ・ヒラマサ・カンパチは古くから日本人に親しまれてきました。ところが、姿がよく似ていることから違いが分かりづらく、一種類の出世魚として勘違いされることもあります。そこで、出世魚について、さらにブリ、ヒラマサ、カンパチの違いについて分かりやすく解説します。

ブリ・ヒラマサ・カンパチの違い・出世魚の生態に迫る!

ブリ・ヒラマサ・カンパチは違う種類の魚です。ところが、どれもスズキ目アジ科ブリ属であるため外見が似ています。名前が違うのに同じ種類の魚であると勘違いされる理由は、ブリが出世魚だからです。ブリは大きさによって違う呼び名で呼ばれ、日本全国でその呼び方も多種多様です。そのため、ヒラマサ、カンパチもブリの成長途中の個体の呼び名として混同されることがよくあります。

ブリ・ヒラマサ・カンパチの違い・出世魚の生態に迫る!

出世魚とは幼魚から成熟した個体になるまでに、違う名前が順番に与えられている魚の事です。学術名は一つであり、ほとんどが成魚の名前となっています。出世魚という制度は、日本国内で行われるものです。江戸時代ころまで、子供の出世(成長)に伴って次々と名前を変える習慣がありました。それにちなんで、子供のころから体の成長に合わせて順番に名前が変わる魚を「出世魚」と呼ぶようになりました。出世魚は縁起の良い魚とされています。

出世魚の呼び方は日本全国で統一されていません。ほとんどの魚が地方によってさまざまな通称で呼ばれているように、出世魚の成長段階で付けられる名前も地方ごとにさまざまです。さらに、順番もばらばらになっていることがあります。ある地方で幼魚の個体を指して使われている名前が、別の地方では中型の個体を指すために使われていることがあります。

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ブリの出世魚名の順番(地方別)
関東:ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ 関西:ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ 東北:ツベ→イナダ→アオ→ブリ 下北地方:フクラギ→イナダ→ワラサ→ブリ 山陰:ショウジゴ→ワカナ→メジロ→ハマチ→ブリ 四国:ヤズ→ハマチ→ブリ

出世魚として扱うメリット…すべての魚が出世魚として扱われるわけではありません。出世魚として扱われる魚の多くは、食べたときの味が成長段階に応じて違うのが特徴です。同じ時期に漁獲されるのにサイズによって味が違うと商品取引が複雑になってしまいます。ですから、呼び名を変えることによって流通をスムーズにできます。

代表的な出世魚はブリ、ボラ、スズキです。サイズまたは重さの境はそれぞれの種類ごとに定められています。 例えば、ボラは次の順番で呼ばれます。3㎝前後をハク、10㎝前後をオボコ、25㎝前後をイナ、30~50㎝をボラ、50㎝以上をトドと呼んでいます。

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それでは今日はまずブリについて…ひみつ
ブリの基本情報
昔からブリは各地の伝統行事に使われたり、お祝い事には欠かせない存在として重宝されてきました。日常の食卓に上ることも多く、さまざまな食べ方を楽しめるため、とても愛されてきた魚です。身がぶりぶりしていることからその名が付いたという説があります。幼魚は流れ藻に着くことが多く、モジャコと呼ばれるブリの子供を捕獲して、養殖ブリの種苗としています。

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ブリの生態
生息地は日本各地で、成魚は全長1m、体重は10㎏程度に成長します。卵は直径1.3mm前後で48時間でふ化します。1年で30㎝、2年で50㎝、3年で70㎝、4年で75㎝、5年で80㎝以上に成長します。子供のころは甲殻類を捕食しますが、成長すると回遊魚のイワシやアジ、イカなどを捕食します。群れをつくり沖合の水深100m前後を回遊します。温暖な地方では回遊せず根につく個体もいます。

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ブリの出世魚としてのサイズ分け
地方によって成長段階における名前も順番もはさまざまです。一般的なブリの出世魚としてのサイズ分けは次の順番です。 モジャコ(幼魚)→ワカシ(2㎝~30㎝)→イナダ(30㎝~40㎝)→ワラサ(40㎝~70㎝)→ブリ(70㎝以上)

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ブリの旬
ブリの旬は12月~3月です。ブリの子供であるハマチ、イナダ、ワラサの旬は7月~11月です。産卵期の前が一番脂がのり「寒ブリ」と呼ばれます。寒ブリは、ヒラマサやカンパチよりも脂がのり、格別のうまみがあります。鮮度の見分け方は、よく太っていて大きいもの、目にハリがあり澄んでいるものが新鮮です。切り身で売られている場合は、血合いの色が鮮やかな赤い色をしているものが新鮮です。

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ブリの食べ方
料亭では特に刺身やお寿司のネタとして生で食されることが多い魚です。ブリの子供ハマチ(ワラサ)の方が歯ごたえがあり、程よく脂がのっていて刺身として人気があります。寒ブリは薄くスライスしてしゃぶしゃぶにすると程よく脂も落ち、千切りにした野菜と合わせてポン酢で食べると絶品です。家庭ではブリの照り焼き、塩焼き、カマ焼き、ブリ大根などが定番の料理です。

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ブリの釣り方
ワカシは初夏にサビキなどでも十分に釣れます。夏のイナダ、秋のワラサのサイズになるとオキアミの餌釣りが一般的になります。冬になるとブリ釣りが始まり、イカなどの生き餌を使った釣り方やメタルジグを使ったルアー釣りも盛んに行われます。

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明日はヒラマサ・カンパチについて解説しますナイスまるとく


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Posted by きくいち at 07:58│Comments(0)旬の魚

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