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2012年02月17日

熱々の茹で蝦蛄

蝦蛄(シャコ)を寿司職人は「ガレージ」なんて呼びますが、これは「車庫」からの駄ジャレで「タコ」と聞き間違えないって意味もあります。「しゃこえび」などとも言われますし、別名でガザエビ、カマキリエビなんてのもありますけど、エビとは別種です。

他の魚介も同じですけど地方で呼び方があります。長崎あたりじゃシャッパ、沖縄ではパンチャー、香川でゼンノミ、神奈川でムキ、東京でシャク・シャクナゲ・ムキ、秋田でカサイビなど色々です。
甘辛く煮たり、天婦羅の種にもしますけど、なんといっても寿司種が有名ですが、天婦羅や煮付け以外に、塩で茹でて食べるのが一般的です。
ボイルして皮を剥いてから食べます。ワサビしょう油で刺身にもしますが、寿司ダネとしては「煮もの」のひとつですから、山葵なしで「煮ツメ」を付けて握るのが普通です。最近は煮ツメなしで山葵で食べるお客さんが増えました。

熱々の茹で蝦蛄

蝦蛄はは死んでしまうと身がすぐに溶けるので、獲れだちのゴソゴソ動くのを、たくさんの沸騰しているお湯で少しずつ塩茹でします。(塩の量水に対し塩を重量比で3%)湯の沸騰状態でゆで時間は変わるが蝦蛄を入れてから再沸騰後7~10分間が目安です。)

よく茹でると身はとりやすいのですが味は落ちます。殻をむいて殻に身がたくさんつくのは、茹でが足りないからで、茹で加減を自分なりに習得しておいて下さい。
茹で上がりをすぐにザルにあけて冷ましますが、冷水で急激に冷ますと少し水っぽくなりますし、自然に冷ますと皮が剥きにくくなりますのでここでも、状況に合わせて具合を覚えてください。

あつあつを殻をむきながら食べるのが一番。手の皮の薄い人は調理バサミを使うと怪我をしなくてすみます。調理バサミで殻をつむときは殻をやや多目につむ方が身がよくとれます。  

熱々の茹で蝦蛄 

剥き方(殻には鋭い突起があるので怪我しない様、気をつけて)
冷めたら頭の付け根をハサミで切り落とし蝦蛄をひっくり返し、最初に尻尾のエッジ部を三角に切り落とします。次にわき腹をカットする(鋏の角度は蝦蛄に対して垂直ではなく、お腹側の中心部に向かって斜めに倒しながら切るのがポイント)背中の茶色い部分を切るのは僅か、白いお腹側を多目に切る感じです。 

そして腹の方から皮を剥きます(頭側から)次に背を剥きます(これは尾側から)
腹のほうは剥きにくいので慎重に…身離れが悪いときは湯で時間不足ですがあまり茹で過ぎると、風味が抜け旨くないので程々に…。 
 
蝦蛄は5月から6月にかけて卵を抱き「子持ち」になりますが、子持ち蝦蛄はへたな海老より美味しく(この卵が「カツブシ」と呼ばれている…鰹節同様美味しい事から)この時期が旬とも言われていますが春先の蝦蛄も甘味がありとても美味しいですから是非食べてみて下さい。

海老や蟹同様たいへん痛みやすいので、産地で浜茹でして剥いたものが多く出回っています。弱った生よりも、産地で茹でたものが新鮮で旨い事が多いのですが、「浜ゆで」の表示がある品を選んで下さい。

それと、以前にも紹介しましたが蝦蛄の爪肉は大変美味しく、通好みの逸品でして、小鉢にして付き出しにしたり、握りにしたりします。小さい爪を剥くのは大変な作業なので、産地で剥かれて爪だけにした物を使う事が多いです。


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Posted by きくいち at 10:18│Comments(0)寿司ネタ

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