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2014年03月24日

解禁となったオホーツク沿岸の甘海老

甘エビは正式にはホッコクアカエビ(北国赤海老)といい、タラバエビ科のエビで、島根県以北の日本海北部沿岸から太平洋側では宮城県以北、その他オホーツク海やベーリング海、カナダ西岸にかけての北太平洋で獲れます。

甲が柔らかく、剥きやすく生で食べるととろけるような甘みがあり、この事から広く一般的に「アマエビ」と呼ばれる所以になっています。新潟などでは「ナンバンエビ(南蛮海老)」とも呼ばれています。南蛮とは唐辛子の事で、その色、形が唐辛子に似ていることから付けられた名前と思われます。(味は名のとおり、とろけるような甘みが特長で、甘みの成分となるアミノ酸類が多く含まれる。高タンパク、そして成人病予防の成分として期待が寄せられるタウリンも豊富で、栄養面からみても貴重な食材です)

春から夏にかけて南の方から産卵期に入ります。日本海のものは一年おきにしか産卵しないそうです。卵は直径1mm前後の青みを帯びた球形で、一度の産卵で2000-3000個を産み、産んだ後約10ヶ月もの間メスは受精卵を腹に抱えて孵化するまで保護し、翌年の冬に放出します。

年間を通して水温の低い海域の深海(水深約200mから約700m)に生息し、北陸では、えび篭漁や底びき網漁で水揚げされている。一年を通して獲れるが、養殖が困難な貴重な水産資源であることから、日本海に面する各県が協力して資源保護対策が行われているようです。

解禁となったオホーツク沿岸の甘海老

甘エビはタラバエビ科のエビと同様、成長の過程で性転換を行います。産まれて3年程はオスもメスも無く、4年目から5年目にかけて全てオスとなり、交尾してから5年 から6年でメスに性転換し、7年目で孵化直前の抱卵状態となります。寿命は11年ほどとみられ、その間に3回以上産卵すると考えられています。

この、5年目位の性転換をする時のオスが最も美味しい時期だと言われています。そして、大きい物は全てメスという事になりますが、同じ時期に獲っても抱卵している物としていないものがあります。これは1年おきの産卵である為です。

現在グリーンランドやアイスランドなど北大西洋で獲られた物が冷凍で大量に輸入されています。これらも「アマエビ」として市場に流通していますが、厳密には、これらはホンホッコクアカエビと呼ばれる別種とされています。北海道が最も水揚げ量は多く、全国の7割程にも達します。主に西側沿岸で獲れるようです。次いで新潟となり、富山や石川など北陸の名物ともなっています。

漁獲方法にはエビカゴと底引き網がありますが、エビカゴで獲られた物の多くは獲ってから港まで船の生け簀に入れられ、鮮度もよく値段が高い。一方、底引き網で獲れたものは、他の魚なども一緒に混じって獲れる事もあり、鮮度や品質が落ちる為、エビカゴ物に比べると格段に安くなります。

一般的には晩秋から冬にかけての、海水温度が下がる時期とされています。
富山や新潟、石川などの北陸地方では7月8月の休漁期以外通年水揚げがあり、休漁明けの9月上旬から10月も旬とされています。一方、北海道のオホーツク沿岸では、流氷が離れる3月に一斉に漁が解禁となります。言い換えれば、流氷が迫っている1月2月は漁が出来ないと言う事です。

鮮度の良し悪しは、体色によって見分けることができます。透明度が高く、頭が黒っぽくないものが良質です。また生きたままや水揚げしてすぐのものよりも、一晩寝かしたほうが甘みが増し、よりおいしく食べることができます。


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Posted by きくいち at 15:12│Comments(0)寿司ネタ

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