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2021年03月23日

スマは鰹なの?

「スマ」と聞いてこの後に続く魚の名前が思い浮かんだ方は結構なお魚通です魚青
今日ご紹介する魚は通称「スマガツオ」です。「全身トロ」と称され、マグロの代替えにびっくりと養殖魚としても大注目注目釣ってよし、食べてなおよし、そんな「スマ」の魅力を余すことなくご紹介します人差し指

ところ変われば魚の呼び名が変わります。「スマ」「スマガツオ」「ヤイト」「ホシガツオ」その呼び名も様々。当然、漁獲される時期、旬やおいしい食べ方と料理の方法も様々な魚です。そんな「スマ」の特徴を一つずつ見ていきましょう。

スマは鰹なの?

魚の呼び名は様々あります。日本近海に生息する魚界のトップに君臨する「クロマグロ」。そんな有名な魚でも「ホンマグロ」や「クロ」といった通称で呼ばれ一般に流通しています。では、今日ご紹介する「スマ」。カツオに酷似しているから「スマガツオ」ではありません。正式な標準和名は「スマ」なのです。

学術的には、「スズキ目」「サバ亜目」「サバ科」「スマ属」の「スマ」であり、類似する「カツオ属」や「マグロ属」とも異なる魚として分類されています。ただ、流通する中で一般的な名称は関西では「スマ」、関東では画像のように「スマガツオ」として呼ばれることが多い魚です。

比較的温暖な海に生息する魚「スマ」。大きさも大きなものでは1mに迫り、その重量も5キロをゆうに超えるサイズにまで成長します。また行動範囲は画像のようなカンパチやハチビキなど根の付近を中心に回遊する魚と回遊範囲が重なります。それでは、そんな「スマ」の分布など基本情報を紹介していきます注目

スマは鰹なの?

「スマ」の魚体上の特徴
最も特徴的なのが胸鰭の下にある黒い点。星のようにも見えることから「ホシガツオ」と呼ぶ地域もあります。

「スマ」の分布
温暖な黒潮にのり、太平洋沿岸部に広く分布しています。漁獲の北限は関東の太平洋沿岸部までとされており、近年の海水温上昇により東日本方面でも多く漁獲され、一般に流通するようになりました。

「ホンガツオ」のように大きな群れで沿岸部に接近することはなく、当然、漁獲量も少なくなります。一方で黒潮の接岸する季節には、西日本を中心にごく近いエリアにも接近するため、磯や堤防からでも釣り上げることができ、身近な高級魚として高い人気を誇っています。

スマは鰹なの?

養殖魚としての「スマ」①
近年では良質な身として注目されるとともに、身質がマグロに近くその代替えとして期待されています。まだ、全国の販売店に出荷できるほどの水揚げ量ではありませんが、確実にその養殖研究は進んでいます。近い将来安定した値段で全身トロの「スマ」を口にできる日がくるかもしれません。

養殖魚としての「スマ」②
養殖の盛んな愛媛県ではそんな「スマ」の養殖研究を愛媛大学と共同で行い成功。「媛貴海」としてブランド化し出荷しています。また、同じく養殖が盛んな和歌山県でも「スマ」の完全養殖に成功しました。

「スマ」の市場価値
タイトルにもあるように絶品高級魚として名高い「スマ」。脂の乗りが良く、漁獲場所や季節によってはマグロを凌ぐのでは?とささやかれるほどの身質と味をもつ魚です魚青

季節にもよりますが、当然ながらその市場価値も高くなっています。1キロ2000円を超す高値になることもあります。赤いダイヤモンドと称されるアカムツも、産地や季節にもよりますが1キロあたり1000円後半から2000円台が一般的な市場価格ですから、その価格に迫る高級魚だということがお分かりいただけるかと思います。

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「スマ」の旬
一般的に初秋から春にかけてが旬と言われています。秋にかけて水温が低下すると脂肪を沢山蓄えます。もちろん、秋にかけてはエサも豊富ですから体高も増し、晩秋から初冬にかけ丸々と太った旬な「スマ」に成長します。

その丸々と太った「スマ」はマグロの大トロに迫る脂ののりです。脂は白みを増し、鮮やかなピンクの身に乗り移ります。お醤油にふわーっと一瞬にして脂が広がった刺身を口にできる季節が正真正銘の旬と呼べるでしょう。


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Posted by きくいち at 08:05│Comments(0)旬の魚

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