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2012年12月29日

新年は尾頭付き

御頭(尾頭)つき、というのは祝い事の時によく使う言葉です。
お正月料理の時「鯛」が一匹出されたり、結婚式に「鯛」が一匹籠に入っていることがありますね。
辞書にはこう載っています。おかしらつき(かしらつき)とは…尾も頭もついている丸のままの魚で、神事や祝い事の膳につけると…。おかしらとは、御頭ではなく、尾頭なのです。鯛はめでたいとして…尾と頭がついてる魚で祝うのです。

めでたい事やお祝い事というのは人間の力だけで成就できるものではありませんから、必ずといっていいほど神が介在してきました。神への感謝、報告、祈願が祝い事の根本にあるわけです。そして「尾頭つき」というのは、神へのお供えの形態だったのです。 

そして、そこで供えられた神のものを神の目の前で食べることで、人は言わば生命エネルギーのようなものを共にとり込み、神とつながることができる、という強い感覚を持っていたからなのだそうで、この習俗を日本の祭りの特徴のひとつとして重視して、「神人共食」と言うそうです。

新年は尾頭付き
入学・卒業・昇進・結婚・出産 祝い魚の祝い鯛(当店では自然塩を振り20~30分おいてから水でよく洗い化粧塩(アンデスの紅塩)をして強火の遠火で焼きあげます)

お食い初めの式も例外ではありません。生後百日目のこの式では、赤ん坊が食べられるはずもないご飯や料理が出され、しかもその子供に食べさせるまねをするのが常となっています。

これも神の力にあやかり互いに生命力を強化しあうためにそのお供えのお下がりを食べていたことが始まりだそうです。赤ん坊はこの儀式で、真似事であれ神の霊的な生命エネルギーを口にすることでその後の健やかな成長を祈念されたのです。

このように、神に捧げられたものが常にその場に集う人間に食されていたわけで、祝いの場で神前に供えるものとして、そこに集まった客をもてなすための「食事」はもともと大変近い関係にあったのです。
 
特に尾頭つきのものは、贅沢にもまるまる一匹が供されるわけですし、しかも供されるその直前まで生きていた、という新鮮さの証明でもありますから、最上級のもてなしのシンボルとなり得ます。そんなわけで尾頭つきは祝いの場にふさわしい「縁起物」として使われてきたのです。

一方、昔の暮らしは皆が貧乏でしたから魚が食卓に上ることもごくまれでした。そんな暮らしの中で、村のお祭りや大晦日の年取り膳などごく限られた日に出される最大級のごちそうが、神の献供物と同じ「尾頭付き」だったわけです。
また頭から尾までという意味から、最初から最後まで「まっとうする」という意味の縁起物として使われたわけです。 

魚は祭典などの時の神への献供物の一つです。「献魚」といいますが、神へのお供えですから当然尾頭付きです。一方、昔の暮らしは質素倹約が旨でしたし、皆が貧乏でしたから尾頭付きはもちろんのこと魚辞退が食卓に上ることもごくまれでした。そんな暮らしの中で、村のお祭りや大晦日の年取り膳などごく限られた日に出される最大級のごちそうが、神の献供物と同じ「尾頭付き」だったのではないでしょうか…?

食べ方マナー…焼き魚は美味しいのですが、骨を取るのって、大変ですよね。でも、その骨の近くが一番美味しかったりしますよね。それは、置いといて、焼き魚を食べるときには、しっかりとしたマナーとして、食べる順番があります。正確に言うと、食べる前にする作業がマナーの様です。
その、気になる焼き魚の食べ方とは何だと思いますか?
それは、食べられない部位を最初に全部取ってしまうことです。つまり、尾鰭や背鰭など、最初に取るのがマナーなのです。そうでないと、きれいには食べずらいのです。ちなみに片面を食べた後にひっくり返すのもマナー違反なのは知っていましたか?
骨をとって、そのままの形で食べるのがベストです。


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Posted by きくいち at 11:14│Comments(0)お酒のつまみ

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