2016年01月06日
冬の保存食…干し柿
疲れがたまると甘いものが恋しくなりますね
干し柿は日本の古来から伝わる柿の実を乾燥させたドライフルーツで、冬の保存食として食されてきました。平安時代には干し柿が作られていたようで、平安時代の木簡(736年)には、干し柿を献上したことを示す記述があります。さらに平安時代の法典、延喜式(927年)にも干し柿の記録が残されています。甘柿が登場するのは鎌倉時代になってからと考えられているので、干し柿の方が歴史が古いことになります。

(忘年会の時に頂いたコース料理のデザートは、イチゴを干し柿に射込んであり双方の味が共感しあっていてとても美味しかったです)
どうして渋柿は甘柿より甘くなるのかと言うと、柿に含まれる渋みは、シブオールというタンニン(ポリフェノールの一種)です。水溶性のため、口に入れると溶け出して渋く感じます。干すとタンニンが不溶性になるため、渋みが唾液に溶け出さず、渋く感じることがありません。タンニンが消えて無くなったわけではないのです。もともと渋柿は甘柿より糖度が高いため、干すことで水分が抜けて糖度が高くなり、干し柿の甘味は、砂糖の約1.5倍、甘柿の約4倍にもなります。干し柿の表面にふいた白い粉は、果糖やブドウ糖が表面に浮き出たものです。たくさんふいているものほど甘い証拠です。
乾燥が進んで干し柿(ころ柿)になると白い粉がつきますが、カビではなく果糖やブドウ糖などの糖分が結晶化したものです。漢方では、柿霜(しそう)と呼ばれ、粘膜や肺を潤し、咳を止め、慢性の気管支炎などに効果があるとされています。ブドウ糖、果糖はお砂糖より甘味が強く、甘さの割には低カロリーです。特にブドウ糖は、脳の唯一のエネルギー源なので、脳の活性化や脳疲労の回復に効果があります。洗わないで食べましょう。
干し柿の栄養…干し柿は生柿よりビタミンCは少ないですが、代わりに糖分は約4倍、カロテンは3倍にも増えます。食物繊維をきわめて多く含み、特に不溶性の食物繊維が豊富。排便を促し、有害物質を一緒に排出します。生柿は体を冷やしますが、干し柿は胃腸を丈夫にして内臓を温めます。ただし二日酔いの効果は期待できません。
干し柿は食物繊維が豊富とはいえ、便秘の原因となるタンニンも多く含んでいるため、食べ過ぎには注意しましょう。また、タンニンは鉄の吸収を妨げます。貧血症の人は食べ過ぎないようにしたり、食事の前後を避けて食べるようにしましょう。また、1個の平均的な干し柿のカロリーも100kcalと決して低くはないので、過剰摂取しないようにしましょう。

干し柿は日本の古来から伝わる柿の実を乾燥させたドライフルーツで、冬の保存食として食されてきました。平安時代には干し柿が作られていたようで、平安時代の木簡(736年)には、干し柿を献上したことを示す記述があります。さらに平安時代の法典、延喜式(927年)にも干し柿の記録が残されています。甘柿が登場するのは鎌倉時代になってからと考えられているので、干し柿の方が歴史が古いことになります。

(忘年会の時に頂いたコース料理のデザートは、イチゴを干し柿に射込んであり双方の味が共感しあっていてとても美味しかったです)
どうして渋柿は甘柿より甘くなるのかと言うと、柿に含まれる渋みは、シブオールというタンニン(ポリフェノールの一種)です。水溶性のため、口に入れると溶け出して渋く感じます。干すとタンニンが不溶性になるため、渋みが唾液に溶け出さず、渋く感じることがありません。タンニンが消えて無くなったわけではないのです。もともと渋柿は甘柿より糖度が高いため、干すことで水分が抜けて糖度が高くなり、干し柿の甘味は、砂糖の約1.5倍、甘柿の約4倍にもなります。干し柿の表面にふいた白い粉は、果糖やブドウ糖が表面に浮き出たものです。たくさんふいているものほど甘い証拠です。
乾燥が進んで干し柿(ころ柿)になると白い粉がつきますが、カビではなく果糖やブドウ糖などの糖分が結晶化したものです。漢方では、柿霜(しそう)と呼ばれ、粘膜や肺を潤し、咳を止め、慢性の気管支炎などに効果があるとされています。ブドウ糖、果糖はお砂糖より甘味が強く、甘さの割には低カロリーです。特にブドウ糖は、脳の唯一のエネルギー源なので、脳の活性化や脳疲労の回復に効果があります。洗わないで食べましょう。
干し柿の栄養…干し柿は生柿よりビタミンCは少ないですが、代わりに糖分は約4倍、カロテンは3倍にも増えます。食物繊維をきわめて多く含み、特に不溶性の食物繊維が豊富。排便を促し、有害物質を一緒に排出します。生柿は体を冷やしますが、干し柿は胃腸を丈夫にして内臓を温めます。ただし二日酔いの効果は期待できません。
干し柿は食物繊維が豊富とはいえ、便秘の原因となるタンニンも多く含んでいるため、食べ過ぎには注意しましょう。また、タンニンは鉄の吸収を妨げます。貧血症の人は食べ過ぎないようにしたり、食事の前後を避けて食べるようにしましょう。また、1個の平均的な干し柿のカロリーも100kcalと決して低くはないので、過剰摂取しないようにしましょう。
【主な干し柿の種類】
吊るし柿… 縄やひもで吊るして干したもの。
巻き柿…ヘタと種を取り除いた干し柿を、幾つか重ねて巻き、竹皮と藁(わら)で包んで、わら縄で巻き上げ干したもの。
ころ柿…冬の軒下に吊るして乾燥させて作った能登(石川県)の干し柿のこと。名前の由来としては、全体に陽がよく当たるように、ころころと柿の向きを変えたことからその名がついたといわれます。
あんぽ柿…あんぽ柿は、干す前に硫黄で薫蒸します。単に干しただけの干し柿は、乾燥して黒く堅くなりますが、あんぽ柿は硫黄燻蒸により、鮮やかなオレンジ色が保たれます。水分も硫黄燻蒸しない場合は25%ですが、あんぽ柿は50%程度保たれ、半生でトロリとしています。白い粉はふきません。(あんぽ柿は、渋柿を硫黄で薫蒸して乾燥させて作ります。単に干しただけの干し柿は、乾燥して黒く堅くなる。これに対して、あんぽ柿は半分生のようなジューシーな感触で、羊羹のように柔らかいのが特徴。)
【干し柿用の柿(原料柿)の生産量と干し柿の出荷量】
1位 長野県、2位 福島県、3位 山梨県です。長野県の干し柿生産のほとんどが、市田柿(ころ柿)です。 干し柿の生産量は、あんぽ柿の大産地福島県が1位、2位 長野県、3位 山梨県です。
【干し柿に使われる渋柿の品種】
平核無柿(ひらたねなし)… 四角くて種がないのが特徴。新潟県、山形県、和歌山県が産地。
甲州百目柿(こうしゅうひゃくめ)… 大きさが百匁(ひゃくもんめ・375g)もあるということから、ひゃくもんめ柿と呼ばれるようになり、さらに訛ってひゃくめ柿になったといわれます。山梨県が産地。
蜂屋柿(はちや)… 山梨県が産地の甲州百目柿は各地で作られており、その別名。福島県、岐阜県が産地。
市田柿(いちだ)…市田柿は南信州で古くから栽培されてきた渋柿。紡錘状の形をしていて実は小ぶり。長野県が産地。
三社柿(さんじゃ)…地元では、あまりの渋さにカラスも食わないと言われるほど渋い品種の柿。干柿は渋い柿ほど甘いものに仕上がるといいます。富山県が産地。
紅柿(べに)… 山形県上山市でしか収穫できない紅柿は、希少品種。鮮やかな紅色の果肉と糖度が高いのが特徴です。希少な高級品です。
愛宕柿(あたご)…愛媛県原産の柿で、果実は300~400gと大きく、釣鐘状で先が細くとがっているのが特徴。
祇園坊(ぎおんぼう)… 種がほとんどなく、干し柿にしてもそのまま食べられる。広島県が産地。
西条柿(さいじょう)…広島県の西条市が原産地とされる。側面に深い溝が入っているため、果実を回しながらむくのが難しい。島根県、岡山県、鳥取県が産地。
【干し柿の有名ブランド】
あんぽ柿…渋柿を硫黄で燻蒸した干し柿はあんぽ柿と呼ばれ、福島県の特産。水分が多い分、ころ柿よりも実が大きくて柔らかい。鮮やかな飴色で表面には粉がついてない。
市田柿…長野県下伊那郡高森町の市田地域で古くから栽培されてきた渋柿の品種名。実は小ぶりで、生柿も出来上がりの干し柿も共に紡錘状の形をしています。地域ブランドとして商標登録されていて、長野県を代表する干し柿として有名です。
紅柿…山形県蔵王からの吹きおろしの寒風で自然乾燥させた紅柿は、やわらかで甘く仕上がります。特に上山の紅柿は希少品種で、赤橙色(べっこう色)で糖度が高いのが特徴です。
吊るし柿… 縄やひもで吊るして干したもの。
巻き柿…ヘタと種を取り除いた干し柿を、幾つか重ねて巻き、竹皮と藁(わら)で包んで、わら縄で巻き上げ干したもの。
ころ柿…冬の軒下に吊るして乾燥させて作った能登(石川県)の干し柿のこと。名前の由来としては、全体に陽がよく当たるように、ころころと柿の向きを変えたことからその名がついたといわれます。
あんぽ柿…あんぽ柿は、干す前に硫黄で薫蒸します。単に干しただけの干し柿は、乾燥して黒く堅くなりますが、あんぽ柿は硫黄燻蒸により、鮮やかなオレンジ色が保たれます。水分も硫黄燻蒸しない場合は25%ですが、あんぽ柿は50%程度保たれ、半生でトロリとしています。白い粉はふきません。(あんぽ柿は、渋柿を硫黄で薫蒸して乾燥させて作ります。単に干しただけの干し柿は、乾燥して黒く堅くなる。これに対して、あんぽ柿は半分生のようなジューシーな感触で、羊羹のように柔らかいのが特徴。)
【干し柿用の柿(原料柿)の生産量と干し柿の出荷量】
1位 長野県、2位 福島県、3位 山梨県です。長野県の干し柿生産のほとんどが、市田柿(ころ柿)です。 干し柿の生産量は、あんぽ柿の大産地福島県が1位、2位 長野県、3位 山梨県です。
【干し柿に使われる渋柿の品種】
平核無柿(ひらたねなし)… 四角くて種がないのが特徴。新潟県、山形県、和歌山県が産地。
甲州百目柿(こうしゅうひゃくめ)… 大きさが百匁(ひゃくもんめ・375g)もあるということから、ひゃくもんめ柿と呼ばれるようになり、さらに訛ってひゃくめ柿になったといわれます。山梨県が産地。
蜂屋柿(はちや)… 山梨県が産地の甲州百目柿は各地で作られており、その別名。福島県、岐阜県が産地。
市田柿(いちだ)…市田柿は南信州で古くから栽培されてきた渋柿。紡錘状の形をしていて実は小ぶり。長野県が産地。
三社柿(さんじゃ)…地元では、あまりの渋さにカラスも食わないと言われるほど渋い品種の柿。干柿は渋い柿ほど甘いものに仕上がるといいます。富山県が産地。
紅柿(べに)… 山形県上山市でしか収穫できない紅柿は、希少品種。鮮やかな紅色の果肉と糖度が高いのが特徴です。希少な高級品です。
愛宕柿(あたご)…愛媛県原産の柿で、果実は300~400gと大きく、釣鐘状で先が細くとがっているのが特徴。
祇園坊(ぎおんぼう)… 種がほとんどなく、干し柿にしてもそのまま食べられる。広島県が産地。
西条柿(さいじょう)…広島県の西条市が原産地とされる。側面に深い溝が入っているため、果実を回しながらむくのが難しい。島根県、岡山県、鳥取県が産地。
【干し柿の有名ブランド】
あんぽ柿…渋柿を硫黄で燻蒸した干し柿はあんぽ柿と呼ばれ、福島県の特産。水分が多い分、ころ柿よりも実が大きくて柔らかい。鮮やかな飴色で表面には粉がついてない。
市田柿…長野県下伊那郡高森町の市田地域で古くから栽培されてきた渋柿の品種名。実は小ぶりで、生柿も出来上がりの干し柿も共に紡錘状の形をしています。地域ブランドとして商標登録されていて、長野県を代表する干し柿として有名です。
紅柿…山形県蔵王からの吹きおろしの寒風で自然乾燥させた紅柿は、やわらかで甘く仕上がります。特に上山の紅柿は希少品種で、赤橙色(べっこう色)で糖度が高いのが特徴です。
Posted by きくいち at 15:24│Comments(0)
│季節の野菜と果実