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2010年09月06日

ニシンの子(数の子、子持ち昆布)

数の子は言わずと知れたニシンの子(魚卵)です。

メスの腹から取り出し卵を塩漬けにした物で、ニシンを昔「かど」と呼んでいて
「かどのこ」が訛って「かずのこ」になったと言われています。

残念ながらニシン(鰊、鯡)を食べるのは本州では難しく
私も、札幌の市場に行った時、場内の鮨屋さんで一度だけ生のニシンを
食べたことがあるのですが、その味は絶品でした…。
刺身は勿論、塩焼きですら中々食せないのは礼文、三陸で僅かしか入荷しないからです…。

そのためニシンは加工品が多く、数の子、子持ち昆布、子持ち若芽、
身欠きにしんなどが市場に出回っています。

ニシンの子(数の子、子持ち昆布)

ニシンの卵は沈性、粘着性でかたまり状になって海草に付着しますが、
このように昆布や若芽に卵を産みつけたものが、子持ち昆布や子持ち若芽です。

人工的にスプレーで付着させたものもありますが、
当店では天然物のみを使用しています。

身欠きにしんはニシンを卸し乾燥させたもので、
それを煮て、昆布巻きやニシン蕎麦などで使用されています。

昭和の初め頃までは北海道を中心にニシン漁が盛んで「ソーラン節」でも歌われ、
ニシン御殿と呼ばれる大邸宅を持つ漁師も多かったと聞きます。

その後、気候変動、乱獲で、水揚げが激減して
現在では国産の数の子は貴重品になり、黄金色をしていることや
希少価値から「黄色いダイヤ」などと呼ばれるようになりました。

近年は、カナダ、アラスカ、ロシアなどで水揚げされたものを
輸入して国内で塩数の子として加工しているのがほとんどです。

数の子は他の魚卵と違い硬く歯応えがあり、噛むと口の中でプチプチと音がしますので
「数の子は音を楽しむ」とも言われそれを好む人もいます。

修行時代に生の数の子が入り、塩漬けでなく天日干しにしたことがありますが、
その味は、かの有名な北大路魯山人が書き残しているように、塩漬けより美味しかったです。

干し数の子は最近ではほとんどありませんが、
北海道で僅かながら3月から5月のニシンの産卵時期に、新物の春数の子が出ます。

普通の数の子は塩蔵品ですが、新物はほのかな塩味で濃厚な風味もあり歯応えも違います、
これは、一度食べてみる価値があると思います。


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Posted by きくいち at 09:25│Comments(0)寿司ネタ

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