下仁田葱といったら、やはりなんといっても「すき焼き」 でしょう。
下仁田葱を含む葱が、すき焼きや焼き肉に適している理由は、肉類の臭気をとり葱の成分が
肉や魚のたんぱく質を分解、吸収しやすくするからです。
また糖分はでん粉にならないで糖葉で砂糖の節約にもなります。　


（安中産下仁田葱）…泥付き葱の方が長持ちします。
できるだけ泥付きのものをお買い求め泥のついたまま、洗わないで日陰の風通しの良いところに
立てておいてください。そのまま土に埋めてくと2ヶ月位は保存できます。
泥なし下仁田葱の保存方法は葱の切り口のみをラップでくるみ、全体は新聞紙でくるんで野菜室へ
入れます（全体をラップでくるむと早く腐ります）
　
下仁田葱は、群馬県下仁田町の特産品であることからこの名称がつけられました。
他の品種の葱に比べて太く、また、いくつかの成分が他の品種に比べて多く含まれています。
生のままでは非常に辛いのですが、加熱すると甘みが強くなり、非常に柔らかい滑らかな触感と
なります。このため、基本的に薬味としてでなく加熱調理に用いられ、すき焼きを始め、多くの料理に使われる食材なのです。（一般の長葱と比べ価格は高めですが…）


（一般的な白葱）

葱は中国西部から中央アジア原産の古い栽培植物で、日本には中国大陸から朝鮮半島を経て
渡来し、西日本から順次東日本へと広まり全国各地で栽培されるようになったらしく、下仁田葱も
その一つで、改良が繰り返されてできた品種なのか、はたまた偶然の突然変異による産物なのか？明確な記録は残っていないようです。いずれにしても下仁田葱が下仁田でしか美味しく育た
ない現実を考えれば、下仁田で生まれたものであることはほぼ間違いないようです。（日本書記に「秋葱」の文字が書かれているようでこれが「葱」についての最も古い記述とされているようです）

下仁田でいつ頃から葱が栽培されていたか明らかではないようですが、下仁田町の桜井家には、「ねぎ御用につき江戸急送方達」というタイトルの古文書が所蔵されているらしく文面の内容から
下仁田葱が別名、殿様葱と言われるようになったのだそうです。　　
名産品として有名になったのは明治以降で、特に昭和に入ってから有名になったようで、他地方での生産も試みられたが、前橋、長野いずれで育てても、下仁田産と同じ品質のものを作ることができなかったため、現在も主な生産地は下仁田町のままなのだそうです。他地方での生産がうまくいかなかったのは、土壌や気候が下仁田と異なるためではないのでしょうか…？

下仁田葱を美味しく食べるには…