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2011年02月28日

落語…親子酒

「落語」昭和の名人完結編を買ってきました。
早くに他界し今はもう、生の高座を聴く事のできない二人のCDです。

名人の誉れ高く、落語四天王と呼ばれた古今亭志ん朝
父・志ん生、兄・金原亭馬生と言う名人一家に生まれたサラブレットで同業者からの
評価が非常に高く毒舌で自尊心の高い7代目立川談志も、
「金を払って聞く価値のあるのは志ん朝だけだ」と言っと言われた名人です。
また、父志ん生のライバル8代目桂文楽は「圓朝を襲名出来るのはこの人」と志ん生に
述べたとも…。(圓朝とは江戸後期以後、現在の古典落語を確立した噺家であり、落語界では
この名は誰も継げない止め名とされており、文楽はそれほど志ん朝の芸を愛したと言われている
のです。)ファンや後輩芸人からは「朝(チョウ)様」と慕われ、父志ん生の破天荒さとは違う
正統派の江戸前落語を得意としました。

居残り佐平次…品川遊郭を舞台にした廓噺の大ネタで江戸の古典落語の大傑作。
猫の皿…滑稽な道具屋とさらにその上を行く茶屋の親父の知恵比べを描いた頓智話。

 

そしてもう一人は昭和50年代から平成にかけて爆笑王の名前をほしいままにした2代目桂枝雀
高座では笑顔を絶やさず、時にはオーバーアクションを用い、それまでの落語スタイルの
概念を大きく飛躍させ、どんな客も大爆笑させ「枝雀落語」を作り上げた人物です。
枕を長くとりオーバーアクションで豪快で陽気な所作を遣い、表情ゆたかに語り
めりはりの利いた発声で噺す華麗な落語の遣い手でした。

代書…代書人を営んでいた4代目桂米團治が、その経験から創作した新作落語で
     多くの落語家が手掛け、東西とも広く親しまれている名作です。
親子酒…親子とも大酒の家の噺で枝雀の酔った演技が絶妙です。



先週、親父を囲んでそのお弟子さん達が集まり新年会(商売柄、毎年この時期になってしまう)を
しました。久しぶりに私も参加して親子酒を楽しみました。
82歳の親父、結構まだ酒を飲み元気です…。
  

Posted by きくいち at 09:03Comments(0)趣味

2011年02月27日

オードブル(盛り込み料理)

お客さんのラウンジでパーティーがありお寿司とオードブルの配達が出ました。

日本では、パーティなどで出される、酒のつまみや軽食類を盛り合わせたものを指して
オードブルと言いますがフランスでは、フルコースでスープの前に出される最初の料理を
意味するようです。
オードブル(オルドーヴル)(フランス語)を直訳すると「作品の外」らしく、本作品となる
主菜の前または他に供される料理という意味なのです。
食欲をそそることが目的であるので、量が少なく、味付けも塩分や酸味がやや強いものが
多いようです。英語圏においても、コース料理等の前菜は「オードブル」と呼ばれています。

 
  (当店でお作りしている3人前5000円のオードブルです)

日本にも伝統的料理様式があります。
有職料理は貴族の饗応料理、本膳料理は武家の饗応料理で、それぞれ過去には最も
正統な料理形式でありました。
会席料理は富裕な町人を客とした料亭で生まれ、酒と料理そのものを楽しむ格式張らない料理
として発達し現在では会席料理が正統な日本料理の形式としてもてなしに使われています。

本膳料理の付随として派生・発展してきた料理に土佐の郷土料理の皿鉢料理があります。
本膳料理は 室町時代から武家の饗応料理として発達したもので、江戸時代には本式の
日本料理とされいた儀礼的な色合いが濃い料理です。

神事の際の儀式食が発展した皿鉢料理は、日常に食べるものではなく行事食で
あり「晴れ食」であったようです。
当時は正式な儀式食である本膳料理の前後に供されていたようで、宴を彩るため
あるいは格式張らない宴席のために用いられたと思われます。

江戸時代、皿鉢は贅沢品と見なされ庶民には無用の物であったようです。
武家をはじめ豪商や豪農など一部の階級の者の宴席料理であった皿鉢料理は
その後時代が流れ庶民にも浸透し、大きく発展してきました。
近年、食生活の洋食化もあって伝統的な郷土料理とやや趣を異にする
華やかな宴席料理としての皿鉢料理が主となったのです。
(大ぶりの皿に刺身などを盛り合わせた宴席料理) 

農耕民族の日本人が、農耕儀礼として行われていた五穀豊穣の祈願祭や収穫を感謝する
収穫祭に、神前に様々な食材が供えられ、出来上がった料理を神に供えられるだけでなく
神事に参加した者と共に分かち合って食べ酒宴を催し、神と人が共に嘗め合う事が神事の
一つであり、重要な儀式とされていました。
こういった伝統を受け継ぐ料理は、明治の中頃まで鉢盛り料理や盛り鉢料理とも言われ
日本全国に残っていったのです。

婚礼や葬式、法事や神祭の他にも出生の名付けの祝いや節句、新築祝いや長寿の祝いなど、
宴を催すと時の大皿盛り込み料理(オードブル)は皿鉢料理から発展したのではないでしょうか…?


  (当店の上鮨3人前大皿です)
  

Posted by きくいち at 11:26Comments(0)菊一本店

2011年02月26日

食感と甘味を味わう、タイラギ(平貝)

寿司屋でハシラと言えばタイラギの事です。平貝とも呼ばれています。
東京湾以南、九州までの内湾の砂泥底に、貝殻の尖った部分を下にして
砂泥に突き刺さった形で潜っています。



普通は貝柱だけを食べます。帆立と違って実は大小2つの貝柱がありります。
貝殻が割れやすく、また割れると値が下がるので、産地で貝柱だけはずして流通する
物もありますが殻付きの方がやはり鮮度は良いようです。

ほのかな甘味に奥行きのある香り。帆立貝の貝柱よりも歯ごたえがあるのが特徴です。
殻の長さが30cm前後になる大きな貝で、貝殻の内側は暗い青緑の上に虹色がのった
美しい貝です。


 
大きい貝柱は、前後に2つある後方のものが中央に移動して大きくなったもので
とんがった部分に小さい前方にある貝柱がちゃんと残っています。 
高級なものでスーパーなどでは見かける事が無く、主に鮨屋や飲食店で使われています。
 
主な産地は三河湾、岡山県、香川県などのものを見かけ一大産地であった
有明海で激減していて非常に深刻な状況となっています。
「有明海の諫早湾干拓工事(水門閉鎖)が原因で、それまで大変豊富に採れた有明海の
たいらぎが死滅したのではないか」と、干潟の干拓の海洋生物に与える影響が真剣に
議論されるきっかけとなった象徴的な貝です

最近は韓国からの輸入物が多くなっていて夏場は冷凍品が出回ります。 
 
旬は春で独特の風味があり、旨みが濃厚で甘みが感じられ食感が強く
一般的にに貝柱とヒモ、足、小さい方の貝柱などを刺身にします。 
九州などでは貝柱以外を生食用として販売しているようですが
貝柱ほどに旨みはありません。ただシコシコとした食感は残ります。
刺身に切っても美味しいのですが、表面を炙ると旨みと甘みがさらに増します。
ヒモは軽く湯通しするといいでしょう。
 
バター焼きや天婦羅も非常に美味しく、少し贅沢な食べ方ではあります。
九州などでは貝柱以外のヒモや脚などを煮て食べますがこれも美味です。 
福岡の名産品で筑紫漬けがありますが、これはタイラギの貝柱をみりん粕につけたものです。
この時期に、是非タイラギを味わってみて下さい
その食感と甘味は一度食べたら癖になりますよ…。
  

Posted by きくいち at 11:11Comments(0)寿司ネタ

2011年02月25日

おやつ(^^ゞ

連日、お客様から、おやつ頂いています。

この頃、甘いものから、遠ざかっていた私ですが、また、復活しちゃいました♪

一つは、
『銀座のいちごケーキ★』

 

東京バナナの妹分みたい。

しっとり蒸しケーキの中に、カスタードクリームの上にイチゴクリームが入っています。
表には、可愛いいちごのマークがついてて〜(⌒0⌒)/~~

東京からのお帰りで、頂いちゃいました*

もう一つは、
『およね たい焼き』

 

かわいいネーミングが、グッド(^3^)/

温かい感じがして、買いたぁい!!と思っちゃう。

聴いたら、それが、浜北サンストリートのフードコート内にお店があるらしい。

一番の売れ筋が、ハムチーズ味!隅から隅まで、ハムチーズが入っていて、外側の皮と
ハムチーズが案外合ってるぅ★

これも一つの発見ができました。

たくさんの方から、いろんなこと、教えてもらっております。もちろん、おやつばかりじゃないですよ…
(・・;)

おやつから人生経験まで〜

今日も一日頑張らなきゃ!

皆さんも頑張って!!

    〈新米女将〉

  

Posted by きくいち at 10:10Comments(0)新米女将

2011年02月24日

三河産、子持ちしゃこ

蝦蛄(しゃこ)と言えばやはり三河産

築地では東京湾(神奈川県小柴)や瀬戸内などが有名で値段も高いのですが、
近年は漁獲量が減っています。
それに変わって近年、市場でよく見かけるのが北海道石狩湾産の蝦蛄。
北海道の蝦蛄漁はニシンの漁獲漁が激減、それを埋め合わせるように始まったと
言われていますが北海道の蝦蛄は大形が多く茹でて流通されている事が多いです。
三河も蝦蛄がよく獲れ他の土地の物に比べ味もひけをとらないのです。



旬は産卵期である春から初夏。秋は身持ちがよいが傷みにくいです。
新鮮なうちに茹で、ハサミで殻を切り開いて剥き、寿司ダネとすることが最も多く
捕脚肢の肉は「シャコツメ」と呼ばれ、軍艦巻きなどにして食べられます。
一尾から数や量の取れない珍味で産地では、塩茹でにして手で剥いて食べたり
唐揚げにしたりします。
産卵期の卵巣は「かつぶし」と呼ばれて珍重されています。
また、三陸あたりでごくまれに新鮮なうちに刺身として生食する場合があるようですが
残念ながら私はまだ食べたことがありません。(軽く氷らせて皮を剥くようです。)
  
「かつぶし」と呼ばれる卵を持つ時期にはオスとメスでは値段が格段に違っていて
当然メスの方が高く今回は仕入れた物も子持でメスの肉厚の物です。

通の間では「ガレージ」などとも呼ばれていますが
(シャコ = 車庫 = 英語で garage だからです)。
カッパ巻きを「レインコート」と呼んでいるのと同じで鮨屋が使う隠語ですから
お客さんが注文する時には使わない方がいいでしょう。

蝦蛄を食べる   続きを読む

Posted by きくいち at 14:23Comments(0)寿司ネタ

2011年02月24日

マーチンさんとの出逢い*

ある社長さんから、御電話があり、フランス人が行くから、頼むぞ!!と、言われ、ワクワクしながら、
お待ちしていました。

それが、とても、ジャパニーズ通であって、本わさびの味が、わかる人!!

只今、旬の本わさびを使っていて、新芽の三杯酢漬けが、わかったマーチンさんです(^o^ゞ

故郷のお話、写真を見せてくださって、雄大な土地、広〜い気持ちになれるのは、あの写真を
みせてもらって納得★★★

リヨンにおうちがあり、近くにフランス語で白い山で、フランスとイタリアの国境に位置する
「モンブラン」という山がある…

また、調べました(>_<)

リヨンは、美食の都、絹の街らしく、牛の胃袋のカツレツ★、卵とバターを使ったパン
「ブリオツシュ★」が、名物。
ミシュラン三ツ星レストラン「ポール・ボキュール」、味・サービス・価格も素晴らしいようです(・ω・`)

勉強不足でごめんなさい!
2年に1度、フランス・リヨンで洋菓子国際コンクールが開かれている。

社長さん、また一つ、私が少しずつですが、大きくなれました。新しいい出逢いを
ありがとうございます♪



〈新米女将〉
  

Posted by きくいち at 09:44Comments(0)新米女将

2011年02月23日

お米のアイスクリーム

アイスクリームを作る時は、卵を卵白、卵黄(砂糖を加え)に分けてそれぞれを泡立て
それに泡立てた生クリームを混ぜ合わせて作りますが
今回は和食風に作ってみました。

冷めたご飯をお粥に炊いてから牛乳を混ぜ、生クリーム、プレーンヨーグルトにブールベリーを
入れてから、さらにそれを混ぜ合わせから冷しました。







 




生クリームは初めに砂糖と混ぜてから泡立てると、きめが細かく早く泡立ちます。 
そのままのご飯と、お粥に炊いたものと2種類作ってみましたが
お米の食感が多少残る方がよくそのままのご飯で作ったものを使う事にしました。

  
 








デザートとして生まれ変わったご飯を食べてみて下さい。



これは「梅白玉の冷し汁粉」です。
こちらもお米を使って作ったデザートで遠鉄きくいちのランチでお出ししています。
春の香りを是非、味わってみて下さい。   

Posted by きくいち at 11:31Comments(0)菊一本店

2011年02月23日

スプリングコンサート♪

19日、先週土曜日、浜商OBOG吹奏楽団のコンサート♪、行ってきました(^^ゞ



私も実は、OGなんですが、皆さんが卒業しても、年齢は、関係なく、音楽を通して、
一つになれる魅力を、再確認できたヒトトキ★でした。

最後に遠山先生指揮のマーチを聴いた途端、かわいい学生時代の毎日、毎日、朝から晩まで、
楽器を吹いたあの頃を思い出しました☆

かわいい学生時代は、言い過ぎましたヾ(・ε・。)ォィォィ


〈新米女将〉
  

Posted by きくいち at 08:54Comments(0)新米女将

2011年02月22日

朝飯、酒の共にぴったりな干物

和食において、ご飯、味噌汁、漬物、卵焼き、海苔と並んで朝食には
欠かせない一品が魚の干物です。
干物は魚が豊富に捕れる地域で行われる加工法であり、日本のみならず
世界各国で作られていますし、生魚と比べて保存性があることから全国の海辺では
土産品としてよく使われています。

当店でも色々な魚を干しますが今回は、目光キスを干しました。



干すことで表面に固い膜を作り、保存性が高まり、独特の食感と
それに伴う食味が生まれるのです。
身を開き、内臓を取り除いてから干す加工法が一般的ですが、鰯など小型の魚は
そのまま干して「丸干し」にすることがよくあります。

干物は、素材を乾燥させる風が重要であり、適度な湿度や温度などが必要とされます。
また、夏場は日光に当てると煮立ってしまうため日陰干しにする場合があります。
今の時期は風が強く、天日干しは、1時間程度干すだけであとは日影で2、3時間干せば完成です。
遠州地方は風も強く気温、湿度からいって干物には適している土地なのです。

魚によって乾燥度の高い物のほうが保存性は高いのですが、身は硬くなります。
完全乾燥したものは乾物として取り扱われています。

干物のほとんどは天日乾燥が基本ですが、最近では虫付きを防ぎ乾燥を早めるため
つり下げた魚を回転させる干し台が作られていますし
工場など大量生産などを行う所では人工乾燥機が使われており、生干しでは水分を保つため
低温の乾燥機を使うこともあるようです。
乾燥する時に魚をセロファンで包む方法は、特別に文化干しと言われています。
最近では青色などのネットでできていて、中が数段に仕切られている干物ネット
ドライバスケット)は、主に家庭での干物作りに利用されているようです。

今の時期、脂の乗った目光とあっさりとした旨味のキスを干す事によって
凝縮された上品な味になりました。
朝食の共として食べるだけは勿体無い事です。
是非お酒の共として当店の干物をご賞味下さい。


 
干物と共に自家製スルメイカの塩辛もおすすめします。   

Posted by きくいち at 11:36Comments(0)旬の魚

2011年02月21日

伊豆天城山の真妻わさび

伊豆の天城から山葵の最高級品種「真妻わさび」が届きました。
甘みと辛味が強いのが特徴です。



山葵は日本原産の植物で古来から日本料理の薬味として珍重されてきました。
さわやかな薄緑と深山を想わせる香りは、刺身、寿司、茶漬け、蕎麦など和食には
無くてはならない物です。

握り寿司には当初から山葵が使われてきましたが、魚の生臭さを消し、殺菌作用によって
腐敗を防ぐのが目的でした。鮮度のよい魚が流通するようになった現在でもこの役割に
変わりはありませんがネタを引き立てる味と香りが重要になってきているのです。

山葵の風味、特に辛味は揮発性のものが多いため、すり卸して余り時間を置くと
風味を失ってしまうのでこまめにすり卸し、使わないときは密封しておきます。
すってから包丁で叩くと粘りが出て一層辛さが増します。
ただ、すってすぐの物も味にカドが有るので少しだけ時間を置くのがいいでしょう。
 
「山葵を卸す時は目の細かい鮫肌の卸しで、頭(茎)の方から練るようにすり卸す」と言います。
これは、きめ細かくすって香りを殺さないためです。
金属の卸しを使う時はすった後すぐに別の容器に移すようにしましょう。
頭の方からする理由は、茎に近い部分の方が辛みが強く香りも豊かだからです。
保存する時は、ぬらした新聞紙に包んだ上からラップして冷蔵庫に入れれば
一ヶ月は保存できます。



一緒に送ってきてもらったのは山葵の新芽の三杯酢漬けです。
取引している山葵農家の主人が漬けた物で無添加、山葵の香りと辛さがツーンと
鼻から頭に抜けて絶品です。
 
通常は根茎を利用しますが、葉、茎などにも同じ辛味成分があります。
茎は山葵漬け、根から分かれて生えているヒゲ根は練ワサビの原料にされます。
3月〜4月にだけ出まわる花山葵は山葵の花で、葉とともに天婦羅、お浸しにします。
次回は一緒に送って貰いますので、山葵の料理を提供できると思います。
その他山葵風味のデザートも考えたいと思っていますからお楽しみにして下さい。
 
山葵は一年中採れますが、地上部分の成長が止まる秋・冬の方が根の辛味は強くなります。
この時期に、本山葵の海苔巻き(なみだ巻き)を一度召し上がってみて下さい。

粉山葵  続きを読む

Posted by きくいち at 10:24Comments(0)寿司ネタ

2011年02月20日

春の味覚…筍

筍は春の味覚を代表する食材です。
成長が早く10日(旬内)で竹になるといわれるところから「筍」の字があてられました。
筍の種類は、約70種類程あるようですが、一般的な食用の筍は
孟宗竹の若芽の事を言います。
 
孟宗竹(モウソウチク )… 皮は黒班と粗毛におおわれ、時期は3 ~4月
淡竹(ハチク)… 皮は淡紅色で、時期は4 ~5月
真竹(マダケ)… 皮は薄い黒班におおわれ、時期は5~6月
根曲がり竹(ネマガリタケ)… 筍が弓状に曲がって生え、時期は5~6月
寒竹(カンチク)… 黄色または黒紫色、時期は10月
 
昔から「筍を掘りはじめたら、お湯を沸かしておけ」と言われるほど手早く下茹でする
事が大事です。下茹でする事により、あくが抜けて、新鮮さを保つ事ができます。

下茹での手順としては、皮付きのまま穂先の部分を斜めに切り落とし
さらに切り口から皮の部分を縦半分に1本の切れ目を入れます。
たっぷりの水に糠2カップと赤唐辛子2~3本を入れて強火にかけ、沸騰したら
落とし蓋をして弱火で1時間以上茹でます。米糠が無い場合は米のとぎ汁で茹でます。
淡竹、真竹を茹でる時は、割れないように節に金串などで穴をあけておきます。

根元に竹串がすっと通るようになったら火を止め、茹で汁の中でそのまま冷まします。
さめたらよく水洗いし、切り目から皮を開くようにして皮をむきます。 
この時、茹でた後にすぐ水にあげると、筍にひびが入ったり身が縮んでしまう事がある
ので注意してください。
筍のえぐみの成分は、糠に含まれるカルシウムと結合して中和されるからで、カルシウムの
多い若芽との炊き合わせが良いのもこのためです。



新鮮な筍は「焼き筍」が美味。 皮ごとアルミホイルでくるんでオーブンで焼きます。
焼いて焦げ目がつき別の味わいが出ます。当店のお勧め料理の一つです

地面に顔を出さないうちに掘って、掘りたて(掘ってから1時間以内)のものは、さっと湯がくか
生のままで薄切りにし、刺身風に食べることができます。かすかな甘味があり美味しいです。
目安として一時間以内の、特に新鮮なものであれば、アク抜きなしに刺身や焼き物として、
風味を最大限味わうことができるので、これを目当てに筍掘りに出かける人も多いようです。 

その他には鰹節で出汁を含ませる煮物や、そのまま煮詰める土佐煮、または若芽と共に煮る
若竹煮が代表的な調理法です。
注意点としては一気に煮込まないで味を染み込ませながら煮て下さい。

筍は部分により硬さが違います。用途による使い分けをお勧めします。
先端の柔らかい部分(姫皮)は酢の物や和え物に、穂先は椀種や炊き込み御飯などにすると
美味しいです。
中央部は、煮物、炒め物、揚げ物に適しています。
上部は柔らかく、椀種、サラダ、和え物、ご飯に使えます。
根元は繊維が多く硬いですが、薄切りやおろして揚げたり炒めたりすると美味しいです。
他には加工食品でメンマ(シナチク)…筍をを蒸し塩漬けにして乳酸発酵させ天日乾燥した物です。
水煮(大産地でほとんどを掘ってすぐに水煮加工する)は年中入手でき調理も楽なので便利です。

筍の由来、諺    続きを読む

Posted by きくいち at 11:10Comments(0)お酒のつまみ

2011年02月19日

小魚が美味しい

背黒鰯(片口鰯)を仕入れました。


  
体長10センチ前後で紡錘形で細長く、背が黒く腹が銀白色なので「セグロイワシ」と
呼ばれています。
関東、和歌山、北陸などでは、上顎が長く動かず、下あごのみが動き、下あごは薄く
大きく垂れ下がっていて目立つので「カタクチイワシ」とも呼ばれているのです。

小鰯(こいわし)も七度洗えば鯛の味」などと言われ鮮度のよい物は刺身が美味しく
手で簡単に開けるから、処理も思った以上に楽で、開いた物を氷の入った塩水で洗うと
身がしまり、より味がよくなります。生姜醤油でもいいし、辛子酢味噌で食べても美味しいです。

酢の物にも合うので千葉の九十九里などでは「胡麻漬け」として
胡麻と甘酢に漬け込んだものが郷土料理として家庭でも簡単に作られています。 
梅干しと煮たり、生姜風味で煮ても美味しく
頭とはらわたをとり、天ぷら、唐揚げにしてもとても美味しいです。

塩漬けにしてオリーブオイルに漬け込むと自家製アンチョビーとなります。
また立て塩に漬け、オイルの中でゆっくり火を通したものが、オイルサーヂィンです。
これも美味しく保存性も高いので、できれば自家製を作ってみてお試し下さい。

干物(丸干し)も美味しく当然塩焼きにしても美味い。
石川県金沢周辺には「塩いり」という郷土料理があり、
塩茹でしたものの、水分をから煎りして飛ばしてから、酢と大根卸し、醤油で食ているようです。
  
稚魚であるしらすは、ちょっと苦みがあるものの、鮮度さえよければ生臭さもなく
旨味甘みがあってこれも美味しいです。   
鮮魚はとても安く年間を通して入荷がありますが量は少なくなっています。
多くは干物、煮干しなど加工品になっていて
稚魚は「しらすぼし」、「ちりめん」、「釜揚げ」など加工品として出回ることが多く
煮干し中で最も高価です。生食用として鮮魚としても出回っている稚魚も値段は高値です。 
また食用だけではなくカツオ漁のエサとしても重要なのです。
 
選び方は 身が硬くしっかりしたものがよく古くなると目が赤くなり、腹が割れてきます。
輸送に弱く、鮮度が落ちやすいので、旬は味のためではなくたぶん鮮度保持などの
問題から冬だと言われています。

このように小魚で旨みが強いイワシを握りでもお楽しみくだい

  
   

Posted by きくいち at 11:22Comments(0)寿司ネタ

2011年02月19日

BOPIS( ボピス)★

おはようございますo(^o^)o

昨夜、お客様、つっちから、フィリピン料理の『ボピス』を頂きました★



少〜し、調べてみました
^^ゞ

砂肝とレバー、ニンニクと玉ねぎのみじん切り野菜を醤油炒めし、砂肝のシコシコとした食感や、唐辛子を使うことでピリ辛、香ばしさが増し、ビールのおつまみに最高!!

日本での庶民味は、ホルモン焼、もつ煮、どて煮、
フィリピンでは、この『ポピス』が、庶民の味!!

なるほど…(*^-')bと思いました。

思いがけず、フィリピン料理の素朴な味に触れられ、つっちに感謝★

つっち、いつも、ありがとう♪
また、よろしくです♪♪
えへへッ
ヾ(・ε・。)ォィォィ

〈新米女将〉
  

Posted by きくいち at 07:52Comments(2)新米女将

2011年02月18日

モウカの星

皆さんこれは何か分かりますか?

 

実は鮫の心臓です。
モウカ鮫と言ってネズミザメの事なのです。
寒い海に生息する鮫で、全長が3m位ある大型で主にサケやニシンを捕食しています。
東北地方の代表的なフカ(サメのこと)であることからマフカ訛ってこのように呼ばれている
のだそうです。

ネズミザメは食用魚としての利用のために漁獲されていて漁には延縄や流し網が用いられ
日本国内においてはそのほとんどが気仙沼港に水揚げされています。
サメ類の中では比較的アンモニア臭が少なく食用向きとされ、肉が切り身や魚肉練り製品の
原料として消費されるほか、心臓はモウカの星とよばれ刺身にされています。
またふかひれも採取されています。

栃木県では切り身をもろと称して販売しているようで比較的安価で調理しやすい食材として
人気が高く主に、煮付けやフライなど、加熱して食べられているようです。
内陸の栃木県で特に消費されるのは、産地の気仙沼周辺から比較的近く
時間が経つとアンモニアを発する性質が腐りにくい鮮魚として
鮮魚輸送技術の未発達な時代から運んで売られたのが根付いたからだそうです。

モウカ鮫の心臓はそこそこ高級品で地元では「モウカの星」と呼んでいます。
お酒のつまみにスライスして酢味噌やレモン醤油で刺身で食べられます。
ごま油に塩がお勧めで、生姜醤油やにんにく醤油でも合います。
ちょっと苦手な人はスライスして塩コショウでフライパンで焼いても美味しいです。

食感がよく臭みもないので是非一度、食べてみて下さい。
  

Posted by きくいち at 10:56Comments(0)お酒のつまみ

2011年02月17日

新じゃがの天婦羅

「新じゃがいも」とは、冬に植え付けたじゃがいもを通常の収穫期より早く収穫したもののことです。
掘りたてのじゃが芋で、若くて水分を豊富に含んでいますので、皮がとても柔らかく、
手で剥けるものもあります。
男爵などと比べるとホクホク感は劣りますが、独特のみずみずしさがありサクサクとしている
のが特徴です。勿論、デンプンやビタミンなどの栄養は変わらず豊富に含まれているので
皮をつけたまま蒸したり、茹でたり、揚げたりと丸ごと食べるのがコツです。
 
新ジャガのおいしい食べ方としては
 
収穫したての新じゃがは水分を多く含んでいますので、コロッケやサラダにするよりも
油で揚げたりするのがおすすめです。
新じゃが特有のみずみずしい風味は皮の周辺にあるので、丸ごと食べるのがコツです。
煮崩れを起こしにくいので煮物にも最適で、よく洗って、そのまま蒸したり、オーブンで
焼いたりするのも、新ジャガならではの調理法です。
またビタミンCの損失を防ぐため茹でる時も皮はむかずに茹で、それから調理をするとよいでしょう。
皮は薄くてやわらかいので、おいしく食べられます。
皮をむく時は、包丁を使わずにフキンやたわしで軽くこすってむきましょう。
ただし、有毒物質のソラニンが含まれる芽や緑色の皮の部分は必ず除去してください。

当店のお勧めは「新じゃがの天婦羅」です。



ポテトフライの和食版と言う感じでカリカリではなくホクホクです。
天汁、アンデスの岩塩で召し上がって下さい。
和風のバリエーションが広がります。
  

Posted by きくいち at 14:46Comments(0)お酒のつまみ

2011年02月16日

ヨーグルトのブランマンジェ

ブラン・マンジェは皆さんよくご存知の冷菓の一種です。
砂糖、洋酒、生クリーム、バニラなどで風味をつけた牛乳を、ゼラチンで固めた
レシピが多いようですが、本来は砕いたアーモンドからアーモンドミルクを抽出して
牛乳に香りを付けて作ったもので、肉が入ることもあるのです。
フランス語で「白い食べ物」という意味のようです。

今回はランチのデザートにヨーグルトのブランマンジェを作りました。



簡単レシピを紹介します。

まず最初に板ゼラチンをたっぷりの冷水に入れてふやしておきます。
次に、鍋に牛乳とヨーグルト、グラニュー糖を入れて火にかけ、煮立つ直前に火を止め
ふやしておいたゼラチンをを入れて混ぜます。
これにに生クリームを入れて混ぜ、あら熱が取れたら流し缶に流し入れラップをして
冷蔵庫で冷やし固めて完成です。
後は小口に包丁して器に盛り付けます。

 

常連の奥様、近所のママさん、そして若女将、遅くなりましたが
バレンタインデーのプレゼント有難うございました。
これかも女性に気に入ってもらえるデザートを作ります。
  

Posted by きくいち at 10:36Comments(0)菊一本店

2011年02月16日

名古屋コーチン、頑張って★

おはようございます★

今朝は、旗振りおばさんをしてきましたf(^^;

やっぱり、気持ちいい♪

子供逹との挨拶はモチロン、見知らぬ、出勤途中の人達とも、挨拶を交わせられるのが何より、
心地よいっというか、元気が頂ける♪

ムスコ逹を、見届けてから、久しぶりに新聞を朝から、目を通したの(>_<)

名古屋コーチンが危機らしい!!

鳥インフルエンザの仕業だ(-_-;)

せっかく、名古屋コーチンのブランドの名を全国に知れわたり、なかなか、そこそこの値段がする
イメージがあるもの!

なんだか、明治の時代にも、鳥コレラの流行で危機を乗り越えて、今の名古屋コーチンが誕生!!

頑張ってほしい…

この危機も、なんとか、乗り越えてほしい…
心から、ねがっています☆☆☆☆☆


今日も1日、頑張って
o(^o^)o

〈新米女将〉

  

Posted by きくいち at 08:32Comments(0)新米女将

2011年02月15日

春の訪れ(春野菜)

春野菜が出始めました。
 

上から、うるい、行者にんにく、菜の花、蕗の薹、こごみ、たらの芽、筍、新じゃがです。

【うるい】
ギンボとも呼ばれ、昨今の自然食ブームで人気の上がっている山菜の代表格です。
本州北部・中部の山地や丘陵・草原などの湿りけのあるところに自生している多年生草本です。
もともと山菜として食べられてきたが、丈夫で株がふえやすく、葉や花も美しいので、
古くから日本でも栽培されていて、変わった型や種間雑種が栽培され、園芸用に取り扱われて
いることが多いようです。

育ち過ぎた葉は苦いですが、若葉は柔らかく、特有のヌメリも旨味のひとつです。
味や香りにクセがなく、独特の歯ごたえがあります。
若芽は塩を一つまみ入れ、サッと茹でてお浸しにしたり、味噌汁の具にします。
成長した「うるい」は茎だけを使い、お浸しや味噌汁にします。
また山かんぴょうの名もあり、乾燥させて保存食にも利用されています。
最上地方では促成栽培で光を遮断することで、白さと柔らかさを強調したうるいを生産して
「雪うるい」のブランド名で出荷しているようで、うるいの特徴であるぬめりも抑えられ
生でも食べられる新感覚野菜として注目を集めているのです。

葉柄の軟らかい部分を根もとから切り取り、茹でたものを適当な長さに切り、鰹節や胡桃
マヨネーズ、辛子などをのせたお浸し、あるいは胡麻和えは、適度のヌルメキもあり最高です。
その他、煮物、酢の物、天婦羅、油炒めと利用方法も多彩です。
  
【行者にんにく】 
強烈なニンニク臭でカラッとした辛味があります。
昔、修験道の行者が滋養強壮に食べたという言い伝えからこの名前がつきました。
 
アイヌねぎとも言われネギの中では最も葉が広く、春になって出てくる若い葉と茎の部分を
食用とします。種からだと最初の1~2年は葉っぱだけで茎の部分(ネギのように)ができません。
食べ応えがあるように育つまでに5年かかるといわれ、乱獲されるとなかなか自然に回復しない
ので幻の山菜となりつつあります。このように天然物は非常に少なく、栽培物が普及してきました。
ただ出荷できるまで育てるのに何年もかかるので高価です。
主な産地は北海道で4月下旬~6月上旬が旬です。
生のまま味噌をつけてかじるのが最高です。
または軽く茹でてから水にさらして酢味噌で和えてヌタにしたりします。
天婦羅も美味で最近はオムレツに入れたり、乾燥させてラーメンに入れたりして色々な料理の
食材として利用されています。

【菜の花】
蕗の董 と並ぶ、春の一番早い使者です。
菜種油を取る重要な作物で、世界各地で栽培されています。
旬は1月~3月で他のアブラナ科の植物(ブロッコリ、 カリフラワー)と同様に
冬に成長して春一番に開花する野菜です。
調理法として、 まず塩(または重曹)を加えた湯で軽く茹で、氷水にさらします。
茹で過ぎ・さらし過ぎに注意してください。お浸し、辛子和えにします。
吸い物の具としては、"ハマグリと菜の花"、"鯛と菜の花"が早春の定番メニュー。
その他、天ぷら、野菜いためなど、意外に幅広く使えます。
またイタリア料理として菜の花の一種がパスタの具に使われています。

【蕗の薹】
雪解けを待たずに一番早くでてくる山菜です。
独特の香りとほろ苦さが春の息吹を感じさせてくれます。
「春の皿には苦味を盛れ」と言います。 冬の間にたまった脂肪を流し
味覚を刺激して気分を引き締めて一年の活動をスタートさせます。
冬眠から目覚めた熊は最初に蕗の薹を食べるとか…?

蕗の薹は蕗の花のつぼみで、まだ葉が出る前に蕗の薹だけが独立して地上に出てきます。
寒さに耐えるように、ツボミを何重にも苞が取り巻いています。
全国の山野に自生していて、場所によって違いますが、関東近辺の平地では2月から3月が
旬です。(山地では3月から4月です。)
食べ方として、天婦羅が最適ですが低めの温度で揚げるのがコツで、
揚げているうちにツボミが開くと苦味がとれます。
また、せん切りにして味噌汁の実にしたり、煮浸し、油いためなどにします。
蕗の薹味噌にしても美味しく上品な味です
苦さを楽しむ山菜ですが、採れたてで、暖かい産地の物、しかもあまり成長していない小さな
つぼみの物を選ぶと苦味が少ないようです。
どうしても苦味を抑えたい場合は茹でてから水にさらしてアク抜きをしますが
同時に香りも失われます。 また、油で炒めると苦味はかなり少なくなります。

【こごみ】
大きくてしっかりとした歯ごたえがあり、シダ類の野性味を感じさせる山菜です。
見かけに比べてクセが無いのでアク抜きせずに使えます。
草蘇鉄の若芽でシダ類の多年草です。
東北・北海道で多く採れ旬は4月中旬から5月上旬です。
食べ方としては 他の山菜に比べてアクが無いので、さっと茹でただけで使えます。
胡麻和え、胡桃和えが美味です。  

【たらの芽】
たらの木の芽で「山菜の王者」とも「天婦羅の王様」とも言われています。
うどに似た香りとほのかな 苦さが春の到来を告げます。
たらの木はマッチの軸などに使われるやわらかい木で、 山野に自生し、4、5メートルの
高さになります。
地中を走る根から、どんどん繁殖し 春になると茎の先端にふっくらとした芽が出ますので
これを採って食べます。
野生のたらの芽は産地によっても違いますが、4月から6月の上旬が食べごろです。
芽が5cmぐらいの時が香りがあっておいしいです。
最近は栽培ものが多いのですが、こちらは 3月に最も多く出荷されます。
食べ方は天婦羅が最高です。ただあまり揚げすぎないように注意してください。
和紙やアルミホイルでの包み焼きもいいです。
芽の付け根にある茶色いハカマは取って調理します。その他ゴマ和えや田楽などもいいでしょう。
   

Posted by きくいち at 10:20Comments(0)季節の野菜と果実

2011年02月14日

女性にたとえられる魚(サヨリ)

昨日、打合せで百貨店に行きました。
帰りに店と地下の売り場に寄って見ると、バレンタインデー商戦で大賑わい。
女性のパワーの凄さを目の当たりに見た感じがしました。

「細魚」「針魚」「竹魚」など、サヨリを漢字で表すとそのまま体型が想像できるように、
サヨリはほっそりとスマートな銀白色の魚です。
口は小さく、下あごが長く突き出していて、しかも紅をさしたように先端が赤くなっていて
魚界の麗人、美人の魚という形容詞がつけらています。



ただ、サヨリの腹を裂いてみると、腹腔内はどういうわけかべっとりと真っ黒なのです。
腹黒い女性のことを「サヨリのような女性」と言うたとえもあるようで…。
でも、いいがかりですよね。こんなに繊細な魚なのにサヨリが気の毒です。

春の訪れを告げてくれるかのように、3月~5月頃が最もおいしくなる季節。
脂肪の少ない淡白な高級魚であまり手をかけずに食するのが身上。
軽く塩を振ってしばらくおくと、塩とアミノ酸の相乗効果で旨味が増してきます。 

調理法は、長い身を巻いたり、結んだりして、吸い物の椀種、天婦羅、煮物などに用います。
刺身は、身が細く長いので糸造りにしたりします。
握りずし、押しずしの種にもなりますし昆布〆や一夜干しなどにも調理されます。

サヨリは外見どおり、繊細で臆病な魚です。
真っすぐに泳ぐことしかできないので、水槽で飼育するのは難しいと言われています。
また、ものに驚きやすく追われたりして危険が迫ると数回にわたり水面を弧を描いて
2メートル近くもジャンプして外敵から逃げるようです。
この習性は近縁のダツにもあり、さらに発達してトビウオ類の滑空飛躍となったと
考えられているのです。

サヨリは昔、「よろず」とか「はりを」などとも呼ばれていたようで、
その語源は「まっすぐでよろしき魚」という意味の古語にあるそうです。
また、今でも大きめのサヨリは「カンヌキ」と呼ばれています。
観音開きの門を閉める時に、横に渡す閂(かんぬき)棒に良く似ているからとのことです。
(市場や釣り人の間では小さなものを鉛筆、大型のものを閂と呼んでいる)
 
このようにサヨリは繊細で一途な女性によく似ているのかもしれません。

  

Posted by きくいち at 11:06Comments(0)旬の魚

2011年02月13日

良血

井岡一翔が日本ボクシング界最速となるプロ7戦目でWBC世界ミニマム級の
世界王座を獲得しました。
この勝利を陰で支えたのがかつての世界チャンピオン、2階級を制覇した井岡弘樹会長の
お兄さんでトレーナーの父親の一法さんです。
ボクサーとしては実績を残せず、世界王座に挑戦し続ける弟を支えたい一心で
トレーナーライセンスを取得し、やがて夢は兄弟で世界王者を育てることに変わりました。
兄がボクシングを研究し、ほかのプロ選手も指導し弟が減量や精神面のアドバイスに
徹するという「黄金バランス」を確立したのです。  

この日もチーフセコンドは一法さんでした、
そして世界チャンピオンだった弘樹会長は常にサブに…。
「兄貴が一番分かっているから」と世界チャンピオンのプライドは二の次で、
作戦を一任された兄は「苦労が報われました」と涙ながり語りました。

スポーツ界での親子鷹は事例が多くあります。
素質が大成する基盤である事は言うまでもないと思いますが
そこには家族の絆が大きな力になっているようです。

話は変わりますが、新聞で競馬の記事を久しぶりに見ました。
昨年の年度代表馬ブエナビスタの弟で、父がディープインパクトという
超良血馬トーセンレーヴが京都競馬場でデビューし断然の1番人気に応え
デビュー戦を白星で飾ったようです。

私が競走馬に魅せられ雑誌を買い集めテレビ放送を毎週のように見ていたのは
ナリタブライアンが三冠馬になった15年位前の事です。
サイレンススズカが大好きでその後、同じ栗毛の馬を追い続けたのを覚えています。
タイキシャトル、グラスワンダー、アグネスタキオン、テイエムオペラオーと…。

良血であっても大成するとは限りません。
素質(血統)、努力、そしてそこに関わる人の絆があってこそチャンピオンが生まれるのでは…

  

Posted by きくいち at 14:18Comments(0)大将