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2010年10月14日

商人の誇り

当店のお得意さまで100年の歴史がある呉服屋さんが閉店した。
お手紙をいただきあい感じるものがありました。

そこには、「ローマの物語」の著者塩野七生氏の文章が載せられていました。

「いかに巧みな職人芸の成果でも、高いという理由だけで売れなくなったのだ。
いや売れてもごく少量で、営利事業としては成り立たなくなり
ゆえに、若い人たちの参入も止ってしまった。
世間全体がなんであれだけ安ければ良しの一色に染まってしまったかである

…中略…高いというだけで今風ではなく、何もかもが安ければ良しとする
風潮に日本も染まったということだ。
これはもう価格破壊の先に待つ文明の破棄になると思い始めた。
見事な品なのになぜ売れないのか、良き品の価値がわかるセンスを持ち
しかもある程度ならば使えるお金まで持っているにもかかわらず…」(日本人へ)

時代の潮流の大激変が起き、金融危機後の日本は低迷期に入りデフレ圧力がのしかかり
今後10年は成長路線に戻ることないと予想される中での決断であった思う。

時代に合った事業展開に変えることも可能ではあったと思うが
生き方(商売の誇り)を捨てることはできなかったのだと思います。

時世に合った生き方と、信念、どちらを優先するのか、その判断は他人が批判できるもの
ではないことなのでしょう…



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Posted by きくいち at 10:46│Comments(0)大将

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